昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十八)母親が、今夜はいない

2015-11-03 11:39:18 | 小説
今、彼に抱きしめられていることで、由香里の心は愉悦感でいっぱいになった。 ふわふわとした、宙に浮いている感覚におそわれている。 彼がゆっくりと体を左右に動かすと、ゆりかごで揺られている思いがする。 幼い頃、母親があやしてくれた、あの至福の時を感じていた。 そして性急過ぎた己に、気付いた。 「ありがと…せんせえ…」 思いもかけず、由香里の口からこぼれた。 ひと晩だけとはいえ、両親そろっての不在はは . . . 本文を読む

NTTコム リサーチ

NTTコム リサーチモニターに登録!