昭和の恋物語り

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長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第二部~(八十五) 百貨店相手に戦いを

2014-04-23 22:22:44 | 小説
(四)

「で、だ。その後は、富士商会の天下となるわけだ。
逆らう業者は、一切居なくなるというわけだ。

というのも、これを機会に、全業者の親睦会を作りたいと仰ってる。
そしてだ、小売業者は勿論だが、百貨店相手に戦いを挑むそうだ。

今のようにバラバラの状態では、百貨店やら大手の小売業者やらに好きなようにやられてしまう。
考えてもみろ。百貨店などは、在庫も持たずに商売をしている。

場所を提供しているだけだろうが。それで売上の数割かを、上納金として巻き上げている。
まるで的屋と一緒だ。然も、上代価格は百貨店様のご意向次第だ。

それに対抗するには、納入業者間で無益な競争をしていちゃだめだと言うわけだ。
いいか、これは社外秘だぞ。家族にも話すな。

事が成る前に洩れたら、きっと潰されてしまう。
話だけでなく、それこそ富士商会もだ。いいな、きつく言っておくぞ」



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