(五)
その夜、五平と竹田・服部・山田の面々が、揃って社長室に集まった。
直立不動の姿勢を取る三人組に、
「そんなに固くなるな。ほら、座れ」
と、苦笑いの武蔵だ。
「実はな、日の本商会ってのは、以前夜逃げした店の娘が起ち上げた店だった。
ほら、四人姉妹と末っ子の男を抱えた親父が、泣きついてきたじゃないか。
覚えてないか?」
皆が首を傾げる中、竹田が素っ頓狂な声を上げた。
「あっ! あの、頭の禿げ上がった、小太りの…。確か、瀬田商店とか」
「瀬田商店かあ。そう言えば、子供を引き連れて。
そうそう、土下座したんですよね」
と、山田が思い出す。
そして皆が、「うん、うん」と頷きあう。
「それだよ、それだ。その時の、娘さ。長女が、社長だ」
「でも、社長。まだ二年ぐらい前じゃないですか? よくそれで…」
「資金か? そんなもの、なんとでもなるさ。ま、女だからな」
その夜、五平と竹田・服部・山田の面々が、揃って社長室に集まった。
直立不動の姿勢を取る三人組に、
「そんなに固くなるな。ほら、座れ」
と、苦笑いの武蔵だ。
「実はな、日の本商会ってのは、以前夜逃げした店の娘が起ち上げた店だった。
ほら、四人姉妹と末っ子の男を抱えた親父が、泣きついてきたじゃないか。
覚えてないか?」
皆が首を傾げる中、竹田が素っ頓狂な声を上げた。
「あっ! あの、頭の禿げ上がった、小太りの…。確か、瀬田商店とか」
「瀬田商店かあ。そう言えば、子供を引き連れて。
そうそう、土下座したんですよね」
と、山田が思い出す。
そして皆が、「うん、うん」と頷きあう。
「それだよ、それだ。その時の、娘さ。長女が、社長だ」
「でも、社長。まだ二年ぐらい前じゃないですか? よくそれで…」
「資金か? そんなもの、なんとでもなるさ。ま、女だからな」
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