父親が立ち去った後、母親は正三の前に居住まいを正して座った。
「ねえ、正三。一体、どうしたの?
小夜子さんとお付き合いを始めてからといもの、変わっちまいましたね。
お夕飯の時間になっても、帰ってこないし。
たまに一緒しても、ひと言も話すでもないし・・。
いいですか、正三。
お前は、逓信省の官吏様になるんです。
お父様の、ご自慢なのですよ。
恐れ多くも、お上のお膝元に行くのです。
お国の為に、粉骨砕身働くのです。
そんなあなたが、あんな性悪女に関わっていて、どうするのですか!」
「お母さん!小夜子さんを貶めるような言葉は、控えてください。
あの人は、そんな女性ではありません。
確かに、常軌を逸した行動で驚かされることばかりですが、素晴らしい女性です。
何より向学心に燃えています。
ここでは学べない、英会話の勉強をしたいと、言っているんです。」
「だまんなさい、正三!
まっ、まさか、あなた・・。
だめですよ、目が届かないからといって、ふしだらなことを・・。
権藤の伯父さまの、お声掛かりで入省させて頂けるのですからね。
お顔を潰すようなことは、許しませんよ。」
誇らしげに語る正三に、母親は言葉をかぶせた。
「ねえ、正三。一体、どうしたの?
小夜子さんとお付き合いを始めてからといもの、変わっちまいましたね。
お夕飯の時間になっても、帰ってこないし。
たまに一緒しても、ひと言も話すでもないし・・。
いいですか、正三。
お前は、逓信省の官吏様になるんです。
お父様の、ご自慢なのですよ。
恐れ多くも、お上のお膝元に行くのです。
お国の為に、粉骨砕身働くのです。
そんなあなたが、あんな性悪女に関わっていて、どうするのですか!」
「お母さん!小夜子さんを貶めるような言葉は、控えてください。
あの人は、そんな女性ではありません。
確かに、常軌を逸した行動で驚かされることばかりですが、素晴らしい女性です。
何より向学心に燃えています。
ここでは学べない、英会話の勉強をしたいと、言っているんです。」
「だまんなさい、正三!
まっ、まさか、あなた・・。
だめですよ、目が届かないからといって、ふしだらなことを・・。
権藤の伯父さまの、お声掛かりで入省させて頂けるのですからね。
お顔を潰すようなことは、許しませんよ。」
誇らしげに語る正三に、母親は言葉をかぶせた。
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