「小夜子さん、
あれに乗ってみませんか?」
「あれって?」
正三の指差す先に、
小部屋があった。
中の女性が深々とお辞儀をしながら、
お客を招き入れている。
「エレベーター、
という乗り物です。
歩かなくても、
上の階に行けるんです。」
得意げに説明する正三に、
“あれが、
本家のみよ子が自慢してたエレベーター?”
「ふーん、面白そうね。」と、
興味を示した。
「いらっしゃいませ。」
深々とお辞儀をして迎えたエレベーターガールのその済んだ声に、
思わず
「やっぱり、声が違うわね。」と、
関心する小夜子。
ここで正三が
“小夜子さんの声も、
ステキですよ。”とでも囁けば、
グンとランクアップできるのだが。
正三には望むべくもないことだった。
「本日のお越し、
まことにありがとうございます。
当百貨店では、
一階にアクセサリー・・」と、
階ごとの売り場説明を始めた。
その凛とした立ち振る舞いに、
思わず小夜子は見とれてしまった。
紺のスーツ姿で、
襟元に赤いラインが入っている。
ピッタリと体にフィットした制服も、
小夜子には目新しいものだった。
“やっぱり、違うわね。
田舎とは大違い。”
「お嬢さま。
ご用命の階は、
どちらでございますか?」
見とれている小夜子の目を覗きこむように、
尋ねてきた。
「えっ?
あ、ファッションショーに、
行きたいんです。」
あれに乗ってみませんか?」
「あれって?」
正三の指差す先に、
小部屋があった。
中の女性が深々とお辞儀をしながら、
お客を招き入れている。
「エレベーター、
という乗り物です。
歩かなくても、
上の階に行けるんです。」
得意げに説明する正三に、
“あれが、
本家のみよ子が自慢してたエレベーター?”
「ふーん、面白そうね。」と、
興味を示した。
「いらっしゃいませ。」
深々とお辞儀をして迎えたエレベーターガールのその済んだ声に、
思わず
「やっぱり、声が違うわね。」と、
関心する小夜子。
ここで正三が
“小夜子さんの声も、
ステキですよ。”とでも囁けば、
グンとランクアップできるのだが。
正三には望むべくもないことだった。
「本日のお越し、
まことにありがとうございます。
当百貨店では、
一階にアクセサリー・・」と、
階ごとの売り場説明を始めた。
その凛とした立ち振る舞いに、
思わず小夜子は見とれてしまった。
紺のスーツ姿で、
襟元に赤いラインが入っている。
ピッタリと体にフィットした制服も、
小夜子には目新しいものだった。
“やっぱり、違うわね。
田舎とは大違い。”
「お嬢さま。
ご用命の階は、
どちらでございますか?」
見とれている小夜子の目を覗きこむように、
尋ねてきた。
「えっ?
あ、ファッションショーに、
行きたいんです。」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます