屋敷からの帰り道、
次郎吉は今夜の収穫の大きさに胸が高ぶった。
何と二日後の夜、
茶会の為に主人が外出するというのである。
本家筋にあたる為、
お泊まりになるはずだとも。
命の洗濯をするから、
お前も来いというのである。
次郎吉は、
小躍りしたい気持ちである。
主人の居ない大名屋敷ほど
無防備な屋敷は無い。
皆、
酒に溺れて寝てしまうのが常であった。
次郎吉は、
その日以外に無いと決断した。
その夜、
薄曇りの天候で月明かりも弱い。
忍び込みには絶好である。
屋敷内は、
シンと静まり返り、
木の葉の落ちる音さえ聞こえそうである。
皆、
疲れ果てて眠り込んでいるようだった。
音を立てぬよう、
抜き足・差し足と、
長局奥向に近づいた。
半開きの障子から中を窺うと、
飲みつぶれた家臣達が寝転がっている。
次郎吉の目指す長局奥向には、
人影は無かった。
一つの局に
腰元達が三・四人は居るはずである。
次郎吉は今夜の収穫の大きさに胸が高ぶった。
何と二日後の夜、
茶会の為に主人が外出するというのである。
本家筋にあたる為、
お泊まりになるはずだとも。
命の洗濯をするから、
お前も来いというのである。
次郎吉は、
小躍りしたい気持ちである。
主人の居ない大名屋敷ほど
無防備な屋敷は無い。
皆、
酒に溺れて寝てしまうのが常であった。
次郎吉は、
その日以外に無いと決断した。
その夜、
薄曇りの天候で月明かりも弱い。
忍び込みには絶好である。
屋敷内は、
シンと静まり返り、
木の葉の落ちる音さえ聞こえそうである。
皆、
疲れ果てて眠り込んでいるようだった。
音を立てぬよう、
抜き足・差し足と、
長局奥向に近づいた。
半開きの障子から中を窺うと、
飲みつぶれた家臣達が寝転がっている。
次郎吉の目指す長局奥向には、
人影は無かった。
一つの局に
腰元達が三・四人は居るはずである。
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