昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[ブルーの住人]第四章:蒼い友情 ~まーだー~

2024-02-10 08:00:56 | 物語り

(二十二)押し問答

「申しわけありません。
もういちど、名前をお聞かせください」
「minako さんです」
「苗字は、なんと言いますでしょうか?」
「最近、ひと月も経っていない最近に勤めはじめたはずです」

 押し問答をくりかえして、たぶん十分は経ったと思う。
受付の女性もうんざり顔だが、ぼくだってうんざりだ。
どう説明しても理解してくれない。

ぼくに多少の非があることは分かる。
うかつだった、確かに。
おたがい名前を呼びあう仲だったので、苗字をきいていなかった。

「ご実家の電話番号を…」
と言われても、いつも minako の方から連絡が来ていたから…。

「何科勤務なのか、わかりますか? 
それと以前の勤め先病院名は、分かりますか?」
 立てつづけに質問される。
それも意地悪な質問ばかりだ。
ぼくの知らないことばかりを問い詰めてくる。
どんな顔立ちかどんな性格か、そういったことは聞いてくれない。

「23歳で、お姉さんで、看護婦さんで、くりくり目で、すこし団子っ鼻で、おちょぼ口です。

そうだ! アイドルのKちゃん、知ってますよね。
あの娘に似てるんです。
可愛いですよね、Kちゃん」

「それではちょっと……。待ってくださいね」



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