昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

[ライフ!] ボク、みつけたよ! (二十五)充実感でいっぱいです。

2025-02-20 08:00:34 | 物語り

 充実感でいっぱいです。
ついに、歩ききりました。血の池地獄につきました。
意外なことに、低血糖の症状はおさまりました。
たまたま飴玉をもっていたので、早速に口に放り込んで道路に地べた座りというんですか、コンビニの駐車場なんかで女子高生たちがお尻を、でんとばかりに座っているじゃないですか、そんな風にすわりました。

そういえば、小学生の頃ですか、運動場でこんな格好ですわった記憶があります。
朝礼で校長先生の話を聞きましたね。
なにせ団塊の世代ですから、体育館なんかでは入りきれなかったんじゃないですかね。
ひとクラス55人ほどで、6クラスありましたから。
で6学年でしょ、2000人近い児童数なわけです。

中学時代なんか、凄かったですよ。
同じくひとクラス55人ほどで、しかも16クラスあるわけです。
想像できます? 
机なんか小さなもので、体の横幅が大きい生徒なんか机のなかに足を入れることができませんでしたからねえ。
教壇間際から後ろの壁までぎっしりです。
机ふたつをくっつけて、なんとかかんとかに収まる状態です。
机の横なんかひとり通るのが関の山で、机の前後はギチギチでした。

 でですね、一学期ごとに席替えをしたと思うんですけど、くじ引きじゃなかったかなあ。
かわいい女子生徒の左右前後なんか、希望者殺到になっちゃうんで収拾が付かないわけですよ。
わたしですか? とんでもないです、後ろの方で小っちゃくなってましたよ。
いちおう、背が高い生徒は後ろの方に回されますから。
じつはね、2年生だったか、いや3年生か。
気になる女子生徒がいまして、メガネをかけてたんですけど。
どちらかというと、ツンとした狐顔でした。

 性格的にもハキハキしてましたね。
そうだな、女性タレントさんで言うなら、江角マキコさんとか米倉涼子さんタイプかな? 
その女子生徒ととなり合わせになりましてね、もう緊張しっぱなしでした。
あるとき風邪を惹いちゃいましてね、大変でしたよ。
鼻がグスグズなわけですよ。
鼻をかみたいのですけど、それが中々できなくて。
ちり紙(当時はティッシュなんてしゃれたものは使いませんて)を鼻に当てて、音を立てないようにして鼻汁を吸い込ませるわけです。
馬鹿みたいなんですが、音を聞かれたくなかったんです。

――・――・――
(二十五)の2

 成人したあとでしたか、ぐうぜんにまったくグーゼンに、街中で出っくわしまして。
休みの日だったと思いますよ、喫茶店にはいリましたから。
そこで、先ほどの話が出たわけですよ。
「風邪を惹いてるんだから、しっかり鼻をかめば良かったのに」と言われました。
まさか覚えられていたとは意外でした。
いがいといえば、こんな話が飛びだしたんです。

「男性の浮気は許されるのに、女性のうわきが許されないわけ、知ってる?」。
知りませんよねえ、そんなこと。
どっちゃにしても、浮気は双方ともよろしくないと思うんですがねえ。
で彼女いわくに「男性の精液のいちぶが、女性の血管にはいりこむわけ」と、受け身だからと解説するんです。

それも唐突にですよ。それこそ目を白黒させましたよ。
なんでそんな話をするのか、さっぱり見当がつきません。
帰りぎわですよ、爆弾発言が飛びだしのは。
とにかく驚かされっぱなしでした、彼女には。
「あたしね、来年の春に短大を卒業するの」。
すこし哀しげな表情だった記憶があります。

「四月に嫁ぐことになるでしょうね。
お見合いしたの、あたし。これから式場探しなのよ」
 運命的なものを感じるわね、ということばが合図のように、別れました。
あ、わかれたといっても、付き合っていたというわけではありませんので。
中学時代のわたしは、あるいみ暗黒時代でしたから。
人というものに信頼がもてず、友という存在は独りもいませんでしたから。

いえいえ、まるっきりの独りぽっちというわけではありません。
こころを許せる友がいなかったということです。
ですので、異性を意識しても、思いは押さえつける毎日でしたから。
待てよ、ひょっとして彼女、わたしに気があった?
すみません、悪いくせがでました。
なんでも自分の都合の良いように考えちゃって。
♪そんなにモテルっわきゃないよ♪(植木等:スーダラ節)



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