(二十六)
昨日ね、また声が聞こえたんだ。
「もういいのよ、聡くん。
もう頑張らなくても、いいんですよ。
待ってますからね。」
あれ、天使の声だよ。
きっとそうだ。
だって、すごく優しくて暖かい声だったもん。
でね、その後にね、別の声が聞こえてきた。
「心底辛かったろう、心が痛かったろう。
もういい。もう終わりにしていいんだからね。」
そんな声が聞こえてきたんだ。
神様のお許しをいただいたんだ。
だからね、休ませてもらうことにした。
大丈夫。今度目が覚めたら、きっと違うぼくになっているから。
元気な強い子になっているから。
そしたらまた、ぼくの親友になってくれるかい?
新一くん、ごめん。そして、ありがとう。
松田 聡
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