昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

「祭りの夜(改)」 二十六

2013-07-19 21:03:28 | 小説

(二十六)

昨日ね、また声が聞こえたんだ。

「もういいのよ、聡くん。
もう頑張らなくても、いいんですよ。
待ってますからね。」

あれ、天使の声だよ。
きっとそうだ。
だって、すごく優しくて暖かい声だったもん。
でね、その後にね、別の声が聞こえてきた。

「心底辛かったろう、心が痛かったろう。
もういい。もう終わりにしていいんだからね。」

そんな声が聞こえてきたんだ。
神様のお許しをいただいたんだ。

だからね、休ませてもらうことにした。
大丈夫。今度目が覚めたら、きっと違うぼくになっているから。
元気な強い子になっているから。

そしたらまた、ぼくの親友になってくれるかい?

新一くん、ごめん。そして、ありがとう。

松田 聡


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