「また、大福?
本家じゃ、チョコレートを食べたってよ。」
不平を洩らしつつも、半分に分けて
「お父さんも、食べて。
小夜子、半分でいいから。」と、手渡す。
茂作翁を喜ばせる術を知り尽くした、小夜子だ。
満面の笑みを浮かべて受け取る茂作翁に、改めておねだりを始めた。
「ふみ子ったらね。
後藤さん家の新屋のくせにさ、着物を新調したんだって。
うぅん、小夜子はね、着物はいらない。」
大福を喉に詰まらせながら、慌ててお茶をすする茂作翁に
「だから、着物はいらないって。
その代わりに、お帽子が欲しいの。
つばの広ーい、お帽子が。」と、続けた。
「そ、そうか。
帽子でいいのか、着物じゃなくて。」
「そう、お帽子。
小夜子、聞き分けのいい子でしょ?
お父さんを困らせるようなことは、言わないわよ。」
ほっと胸を撫で下ろす茂作翁だったが、はてさてどこで見たものかと気になりだした。
本家じゃ、チョコレートを食べたってよ。」
不平を洩らしつつも、半分に分けて
「お父さんも、食べて。
小夜子、半分でいいから。」と、手渡す。
茂作翁を喜ばせる術を知り尽くした、小夜子だ。
満面の笑みを浮かべて受け取る茂作翁に、改めておねだりを始めた。
「ふみ子ったらね。
後藤さん家の新屋のくせにさ、着物を新調したんだって。
うぅん、小夜子はね、着物はいらない。」
大福を喉に詰まらせながら、慌ててお茶をすする茂作翁に
「だから、着物はいらないって。
その代わりに、お帽子が欲しいの。
つばの広ーい、お帽子が。」と、続けた。
「そ、そうか。
帽子でいいのか、着物じゃなくて。」
「そう、お帽子。
小夜子、聞き分けのいい子でしょ?
お父さんを困らせるようなことは、言わないわよ。」
ほっと胸を撫で下ろす茂作翁だったが、はてさてどこで見たものかと気になりだした。
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