(一)
「いや。竹田の心配、案外当たってるかもよ。
実は、俺も少し気になってることがあるんだ。
今のところは、実害は出ていないんだけどな。
そう言えば、日の本商会という名前、聞いた気がするんだ。
富田商店の大将は、内の社長に恩義があるから、まだ…。
けど、価格交渉は受けそうな気がする。
奥さんと、こそこそ話してるんだ。
で、俺が近付くと話をやめちゃうんだ」
山田が声をあげた。
「気の回し過ぎじゃないのか? 俺の地区と山田の地区とでは、相当に離れているぞ。
他の奴、どうなんだ? 何か変なことに、気付かないか?」
山田をけん制しつつも、不安げな顔で皆に問い質してみる。
するとあちこちから
「そう言えば、見慣れない車を見かけたような。
僕が着くと、荷物の積み下ろしを止めちゃうこともあったです」
といった声が上がった。
「車に社名はあったか?」
「さあ‥‥気が付きません。なかった、と思うんですけど。君の所は?」
「うん。俺も、なかったと思うんだけど」
「ばか! 思います、じゃだめなんだよ。もっと、しっかり見ろ!」
服部のイライラが募り、八つ当たり気味に怒鳴ってしまった。
「服部くん、やめろよ。気が付かなくて当たり前さ。
いろんな会社が出入りしてるんだ。無茶を言うなよ」
竹田が間に入ってとりなした。
「いや。竹田の心配、案外当たってるかもよ。
実は、俺も少し気になってることがあるんだ。
今のところは、実害は出ていないんだけどな。
そう言えば、日の本商会という名前、聞いた気がするんだ。
富田商店の大将は、内の社長に恩義があるから、まだ…。
けど、価格交渉は受けそうな気がする。
奥さんと、こそこそ話してるんだ。
で、俺が近付くと話をやめちゃうんだ」
山田が声をあげた。
「気の回し過ぎじゃないのか? 俺の地区と山田の地区とでは、相当に離れているぞ。
他の奴、どうなんだ? 何か変なことに、気付かないか?」
山田をけん制しつつも、不安げな顔で皆に問い質してみる。
するとあちこちから
「そう言えば、見慣れない車を見かけたような。
僕が着くと、荷物の積み下ろしを止めちゃうこともあったです」
といった声が上がった。
「車に社名はあったか?」
「さあ‥‥気が付きません。なかった、と思うんですけど。君の所は?」
「うん。俺も、なかったと思うんだけど」
「ばか! 思います、じゃだめなんだよ。もっと、しっかり見ろ!」
服部のイライラが募り、八つ当たり気味に怒鳴ってしまった。
「服部くん、やめろよ。気が付かなくて当たり前さ。
いろんな会社が出入りしてるんだ。無茶を言うなよ」
竹田が間に入ってとりなした。
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