昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~ (二) スケベにならなくちゃ、ね

2014-09-30 09:35:29 | 小説
「うんうん。うまいよ、ミドリ。もう一つ欲しいぞよ」
「じゃあ、行くよ。ケンちゃん、大きく口を開けて!」
「イヤだ! こじあけて入れてくれよ」
「うんっ、もう。ケンちゃんの甘えん坊が」
そんな二人のじゃれ合いを、彼は気恥ずかしく見ていた。

「ほらほら、タケシ。羨ましそうにしないの。もう一杯飲んでくれたら、みどりちゃんみたいにしてあげるから」
と、ユミの舌先で押し込まれるフルーツに続いて、彼の口中に舌先も入ってきた。そして彼の舌にまつわりつくと、ユミの右手が彼の左手を乳房に誘導した。

「タケシ。遠慮してたらダメよ。こういう場所ではね、スケベにならなくちゃ、ね」
ユミの左手が彼の股間に触れてきた。
「うん、立派な大人じゃないの。これで、何人の女を泣かせたの? 白状しなさい」

彼は唯々赤面するだけだった。そんな彼に気が付いた井上が、テーブルに覆い被さるようにしてユミの耳元に何やら囁いた。
「ええぇっ! タケシは、童貞なの? 嬉しいぃ。よおし、お姉さんが筆おろししてあげる。任せなさい」


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