「このまま、
五階まで行きますか?」
「勿論よ。
他の階は、
ショーの後にでも回ればいいでしょ。
良い席が取れなくなるとイヤよ。」
「なる程、
それもそうね。
良い席はすぐに埋まりますからね。」
老婦人が、
小夜子の横顔を見て頷いた。
一点を見つめ続ける小夜子に、
意思の固さを見る思いだった。
「三階でございます、
紳士服専門の階でございます。
山下様、
いつもご利用ありがとうございます。」
深々とお辞儀をして、
老夫妻を送り出した。
他の客たちも全て降りており、
乗客は小夜子たち二人になった。
「あぁ、
肩凝っちゃった。
今のお二人、
大のお得意様なの。
すごく気を遣うのよ。
あら、
ごめんなさい。
こんなこと言っちゃいけないんだわ。」
思いもかけぬ気さくな話し振りに、
小夜子もつい本音を洩らした。
「そうですか、
それで威張ってたんだ。
真ん中にデンって、
陣取っちゃって。
近寄りがたかったですね、
ほんと。
他の人も
、変に気を遣ってるように見えたし。」
「ふふふ・・・。
どうします?
五階で、
いいかしら?
二時間って、
結構長いけど。」
「いいんです、
五階で。
何だか疲れちゃって。」
「人いきれしたのかもね・・」
五階まで行きますか?」
「勿論よ。
他の階は、
ショーの後にでも回ればいいでしょ。
良い席が取れなくなるとイヤよ。」
「なる程、
それもそうね。
良い席はすぐに埋まりますからね。」
老婦人が、
小夜子の横顔を見て頷いた。
一点を見つめ続ける小夜子に、
意思の固さを見る思いだった。
「三階でございます、
紳士服専門の階でございます。
山下様、
いつもご利用ありがとうございます。」
深々とお辞儀をして、
老夫妻を送り出した。
他の客たちも全て降りており、
乗客は小夜子たち二人になった。
「あぁ、
肩凝っちゃった。
今のお二人、
大のお得意様なの。
すごく気を遣うのよ。
あら、
ごめんなさい。
こんなこと言っちゃいけないんだわ。」
思いもかけぬ気さくな話し振りに、
小夜子もつい本音を洩らした。
「そうですか、
それで威張ってたんだ。
真ん中にデンって、
陣取っちゃって。
近寄りがたかったですね、
ほんと。
他の人も
、変に気を遣ってるように見えたし。」
「ふふふ・・・。
どうします?
五階で、
いいかしら?
二時間って、
結構長いけど。」
「いいんです、
五階で。
何だか疲れちゃって。」
「人いきれしたのかもね・・」
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