昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

僕の女王様は妹 (百五十六)

2011-02-09 21:47:56 | 小説
「お兄ちゃん!
騙されてるんじゃないの?」
直球勝負よ、
こうなりゃ。
まどろっこしいのって、
千佳、
嫌いだもん。
「な、なんだよ、
藪から棒に。」
慌ててる、
お兄ちゃん。
おもしろーい。
「今夜、誰か、
来るはずだったんでしょ!
でも、
来ないのね。」
「ば、ばか言うな!
遅れてるだけさ、
少し。
ちょっと待て。
何でお前が知ってるんだよ、
そんなこと。
あっ、あぁ!
聞いたんだな
・・ダメですよ、
話しちゃ。」

「まったく、もう!
いい加減、
気が付きなさいよ!
騙されてるのよ!」
お兄ちゃんの頬を、
両手で挟んでやった、
千佳。
お兄ちゃん、
ひょっとこのお面みたいになっちゃった。
くくく、
面白いぃ。
「や、やめろ!」
お兄ちゃんったら、
力任せに引っ張るもんだから、
千佳、
バランスを崩しちゃった。
そんでもって足がもつれちゃって、
お兄ちゃんに倒れかかっちゃった。
「危ない!」
お兄ちゃん、
千佳を抱き止めてくれたんだけど、
だめ!
一緒に、
倒れちゃった。


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