(七)
「小夜子、どうした? お前、泣いているのか?
初めて見たぞ、お前の涙なぞ。
感の強い娘じゃとお婆さまが仰有られていたが。」
と、はらはらと涙をこぼす小夜子に声をかけた。
「そりゃ、泣けてもくるじゃろう。
好いた殿御と結ばれるのじゃからして。
しかもこのような、立派な三国一の花婿さんときた。
茂作さんのことも、良う考えていてくださるし。
感激するのも当たり前のことよ。」
「いやしかし……。
それにしても、小夜子が……」
と、まだ信じられぬといった繁蔵だ。
「アーシアという大の仲良しを失ってからの小夜子は泣き虫になりました。
まぁ今まで、気を張って生きてきたのでしょう。
今は人の情が分かる、良い娘になりました。
この間、従業員の身内を付きっきりで看病をしてくれまして。
病院でも評判でしたよ。
実のところ、私も驚きました。
とに角鼻っ柱の強い娘でしたから。
もっとも、そこに惚れたのですが。」
「小夜子、どうした? お前、泣いているのか?
初めて見たぞ、お前の涙なぞ。
感の強い娘じゃとお婆さまが仰有られていたが。」
と、はらはらと涙をこぼす小夜子に声をかけた。
「そりゃ、泣けてもくるじゃろう。
好いた殿御と結ばれるのじゃからして。
しかもこのような、立派な三国一の花婿さんときた。
茂作さんのことも、良う考えていてくださるし。
感激するのも当たり前のことよ。」
「いやしかし……。
それにしても、小夜子が……」
と、まだ信じられぬといった繁蔵だ。
「アーシアという大の仲良しを失ってからの小夜子は泣き虫になりました。
まぁ今まで、気を張って生きてきたのでしょう。
今は人の情が分かる、良い娘になりました。
この間、従業員の身内を付きっきりで看病をしてくれまして。
病院でも評判でしたよ。
実のところ、私も驚きました。
とに角鼻っ柱の強い娘でしたから。
もっとも、そこに惚れたのですが。」
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