高校時代に傾倒していた芥川龍之介についての論文を、「灯」という文芸誌にて、発表しました。18才というのは恐い物知らずですね。読み返してみると実に生意気です。「うん?」という箇所も、ありました。が、当時の思いを大切にして、そのまま発表させて頂きます。
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口ごもりながらも納得のいかぬムサシに対し、
「ムサシさま。あなたさまの剣技は、ムサシさまならではのものでございます。
並みのお侍ではご無理でございましょう。
さらに申し上げますれば、宍戸梅軒さまとの試合においては、お刀を投げ捨てられたとか。
武士の魂であるお刀をです。
これ一つ取りましても、『武士たる者の所行か』となりまする。
そして吉岡一門との決闘における二刀流然り、更にはこのたびの櫂を削ら . . . 本文を読む
「約束の刻限に遅れるとは、何ごとぞお!」
愛用する長剣を右手に持ち、鞘を投げ捨てて、小次郎は走り寄った。
波打ち際を走り続けるばかりのムサシは、その場に止まって決しようとする気配をまるで見せない。 . . . 本文を読む
「約束の刻限に遅れるとは、何ごとぞお!」
愛用する長剣を右手に持ち、鞘を投げ捨てて、小次郎は走り寄った。
波打ち際を走り続けるばかりのムサシは、その場に止まって決しようとする気配をまるで見せない。 . . . 本文を読む
そんな小次郎をせせら笑うかの如くに小舟から飛び降りたのムサシの目に、島の外れにある神社が入った。
寺を出て十年の余、神仏に対する畏敬の念を捨て去り、一度たりとも神仏に手を合わせることのなかったムサシが― . . . 本文を読む