26日(火).湊かなえ著「贖罪」(双葉文庫)を読み終わりました 湊かなえといえば「第6回本屋大賞」で第1位を獲得したデビュー作「告白」で有名なミステリー作家です
彼女の作品は「告白」(2008年8月)、「少女」(2009年1月)、「贖罪」(2009年6月)と文庫本になるたびに読んできました
彼女のプロフィールを見ると面白いです。広島県因島で1973年に生まれましたが、女子大卒業後アパレルメーカーに就職し、青年海外協力隊員としてトンガに2年間赴任したとのことです その後、淡路島の高校で家庭科の非常勤講師となりますが、結婚後に主婦業を続ける傍らで小説を書き始めたといいます
トンガに2年間というのが凄いです
さて、「贖罪」です。
15年前,静かな田舎町でエミリという女児が殺害されました.直前まで一緒に遊んでいた4人の女児(真紀,紗英,晶子,由佳)たちは犯人と会話を交わしていたものの,どういう訳か顔を思い出すことが出来ず,事件は迷宮入りします 娘を失った母親・麻子は4人に対して「あなたたちを絶対許さない.必ず犯人を見つけなさい.それが出来ないのなら,わたしが納得できる償いをしなさい」と迫ります
そうした恐怖の念を背に負いながら成長した彼女たちに次々と悲劇が襲います
4人の手紙や告白などによって過去に何があったのかが次第に明らかになっていきます 最後に,4人の女子に「償い」を求めた麻子が4人に向けて語る「償い」によって真実が明かされます
それにしても,湊かなえさんは女性はあまり殺さないけれど,男性はよく殺します.この小説では置時計で殴り殺したり,階段から突き落としたり,よほど恨みがあるのでしょうか いずれにしても,湊かなえは読者を裏切りません.お薦めします
閑話休題
日曜にタワーレコードに行ったとき,シン・ヒョンスのCDとともにメンデルスゾーンばかり8枚のCDを買いました 1枚は「弦楽八重奏曲変ホ長調」で,ゲヴァントハウス弦楽四重奏団とベルリン弦楽四重奏団の演奏によるもの
もう1枚は「ピアノ三重奏曲第1番,第2番」で,ヴァイオリン=イツァーク・パールマン,チェロ=ヨー・ヨー・マ,ピアノ=エマニュエル・アックスの演奏によるもの
残りは弦楽四重奏曲,弦楽五重奏曲,ピアノ六重奏曲の6枚組CDで,ゲヴァントハウス弦楽四重奏団ほかの演奏によるものです
なぜメンデルスゾーンか?と言えば,このところ弦楽八重奏曲を立て続けに聴く機会があったものの,恥ずかしながら,あの有名な八重奏曲のCDを1枚も持っていなかったのです メンデルスゾーンを見直すきっかけになったのは,昨年12月に浜離宮朝日ホールで聴いたフォーレ四重奏団の公演でアンコールに演奏したピアノ四重奏曲第1番のフィナーレでした
疾走するような快演にすっかり魅了され,彼らの演奏によるメンデルスゾーンのピアノ四重奏曲第1番と第2番を収録したCDを買い求め,繰り返し聴きました
8枚のメンデルスゾーン,じっくり聴きたいと思います
も一度,閑話休題
今日はモーツアルトが「交響曲第39番変ホ長調K.543」を完成した日です モーツアルトの最後の3つの交響曲、第39番変ホ長調、第40番ト短調、第41番ハ長調は1788年の夏、ほぼ1か月半の間に立て続けに作曲されたと言われていますが、この39番は同年6月26日に、モーツアルト研究家のR.ランドンによればわずか4、5日で完成したとのことです
私はこの曲の第3楽章「メヌエット」が大好きで、すべての交響曲の楽章の中で最も好きな曲と言っても過言ではありません
JR川崎駅からミューザ川崎に至る遊歩道を歩くと、天井からこの「メヌエット」のメロディーが聴こえてきたものですが、ミューザ川崎は現在、昨年の3.11大地震の被害を受け大幅に改装中です 今も流れているのかどうか、しばらく川崎に行っていないのでわかりません
この曲の推薦CDはカール・べーム指揮ウィーン・フィルによる演奏です。私にとってモーツアルトの交響曲の理想のテンポは,彼らによる演奏です