24日(日).昨日の日経朝刊に「新国立劇場の次期監督に飯守氏ら」という小さな記事が載りました記事によると,「新国立劇場運営財団は22日,2014年8月末で任期が満了する尾高忠明オペラ芸術監督の後任に指揮者の飯守泰次郎氏(71)を充てる人事を発表した.任期は14年9月1日から4年間」ということです
現在の尾高芸術監督は昨年の3.11の大震災の影響で海外からの歌手陣が軒並みキャンセルとなった時,代替歌手の手配等で苦労されました キャストを大幅に入れ替えて,日をあらためて挙行された「ばらの騎士」は感動的でした 長い間イギリスを本拠に活躍していた尾高らしく今年10月にはブリテンの「ピーターグライムス」を上演します
後任の飯守泰次郎氏は長年東京シティフィルと関西フィルの常任指揮者を務めてきた人で,とりわけワーグナーの音楽には定評があります.どちらも今後の活躍を期待したいと思います
閑話休題
昨日,飯田橋のギンレイホールでマーティン・スコセッシ監督の映画「ヒューゴの不思議な発明」を観ました 物語は,
「1930年代のパリ.駅の時計台に隠れて住む孤児ヒューゴは,亡き父が残してくれた壊れた機械人形を宝物のように大切にし,修理しようとしています ある日,イザベルという少女と知り合いますが,彼女は機械人形を動かすのに必要なハート型の鍵を持っています その鍵を使ってついには機械人形の秘密のメッセージを探し当てます」
この映画で使われているクラシック音楽はフランスの作曲家エリック・サティの「グノシエンヌ」か「ジムノぺティー」のどれかではないかと思います
この作品は2011年アメリカ映画で,第84回アカデミー賞の撮影賞,美術賞などを受賞しましたが,作品賞,監督賞,主演男優賞など主要な部門は,あの「アーティスト」にさらわれました この2つの映画はいずれも映画創世記を想い起こさせるノスタルジックな作品という点で共通していますが,なぜモノクロ映画が勝ったのでしょうか
「ヒューゴ」の方はフルカラー2D,3Dでの公開ですが,「アーティスト」の方はモノクロでの公開です.私見では,アカデミー賞の審査員たちは,今どき流行のハイテクを駆使した映画製作に嫌気がさして,あえてモノクロ映画に軍配を上げたのではないかと思いますが,どうでしょうか 当初,「アーティスト」はカラーで撮ったものを公開に当たり急きょモノクロに変えた,と何かで読みましたが,もし,カラーのままで公開していたら「作品賞」「監督賞」を獲得することが出来たかどうか,それは非常に疑問です