人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「エンジョイ!ウィークエンド・スペシャル・ナイト」を聴く~サントリーホール「ブルーローズ」

2015年06月20日 08時44分35秒 | 日記

20日(土).わが家に来てから254日目を迎え,思索にふけるモコタロです 

 

          

         

  閑話休題  

 

昨夕,サントリーホール”ブルーローズ”で「サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデン」の「スペシャル・ナイト」公演を聴きました 開演は午後8時.かなり遅いスタートです 同じ会場で前の公演が終了するのが午後3時半なので,会場整備の時間を考慮しても午後7時の開演は余裕だと思うのですが,どうでしょうか?「そんなこと分かったうえでチケットを買ったはずだろう」と言われればその通りですが,ちょっと遅すぎるような気がします

と思って食事をしてから,1時間前の7時に着くとホワイエがかなり賑わっています 大ホールの公演がないのにこんなに多くの人が・・・・と思ってチケットをよく見ると「ワン・ドリンク付」と書かれていました 入口でパンフレットと一緒に「ドリンク券」を配っていました.私はこの公演のチケットを「早割」で取ったので1,500円.ワン・ドリンク付ということは400円を引いて1,100円で1時間半のコンサートが聴けるということです これなら午後8時の開演も文句は言えないな,と思い直しました

早速ホット・コーヒーを注文しているとロビーの方からアナウンスが流れてきました.「これからロビー・コンサートを始めます」と言っているようです 掲示を見ると「ロビー演奏」のプログラムが表示されていました.レスパス弦楽四重奏団の若い4人が大ホール中央の5番扉の前にスタンバイして,早速演奏に入りました 演奏曲目を簡単に解説してから演奏するスタイルを取りました 2曲目のシベリウスは過日,フィンランドの指揮者リントゥ氏の記者会見の時に都響メンバーが演奏した曲です.短い曲ですが良い曲です 多くの人々がドリンク片手に耳を傾けていました.いいですね,こういう企画は

 

          

 

さて,本番のプログラムは①ラヴェル「弦楽四重奏曲ヘ長調」から第1楽章、第4楽章、②リスト「ラ・カンパネラ」、③モリコーネ「映画”海の上のピアニスト”から”愛を奏でて”」、④ニーノ・ロータ「映画”ロミオとジュリエット”」から、⑤ヘンリー・マンシー二「ムーン・リバー」(以上、ピアノ=若林顕)、⑥小松亮太「風の詩~THE 世界遺産」、⑦ピアソラ「ファイブ・タンゴ・センセーションズ」から「3.不安」「5.恐怖」、⑧同「オブリヴィオン」、⑨同「ブエノスアイレスの冬」、⑩同「リベルタンゴ」(以上、バンドネオン=小松亮太、弦楽四重奏=クアルテット・エクセルシオ)です

 

          

 

自席はC7列1番,センターブロック左通路側席です.会場はほぼ満席 クァルテット・エクセルシオのメンバーが登場します.現在,第1ヴァイオリンの西野ゆかが療養中のため花田和加子が代演します.この人,プロフィールによると英国オックスフォード大学音楽学部卒業と書かれていますが,オックスフォード大学に音楽学部があるのが意外です

最初の曲,ラヴェル「弦楽四重奏曲ヘ長調」から第1楽章と第4楽章が色彩感豊かに演奏されます 次いで,グランド・ピアノがステージ中央に運ばれて若林顕が登場,リスト「ラ・カンパネラ」を,そして映画音楽を3曲~モリコーネ「海の上のピアニスト」から「愛を奏でて」,二―ノ・ロータ「ロミオとジュリエット」からの音楽,ヘンリー・マンシー二「ムーン・リバー」をロマンティックに演奏しました

そして,バンドネオンの小松亮太が登場すると大きな拍手が起こりました この人,相当人気があります.出て来るなりマイクを片手に

「よく誤解されるのですが,バンドネオンは両サイドにボタンばっかり付いているアコーディオンだと思っている人が多くいます バンドネオンとアコーディオンはまったく違います バンドネオンはバンドネオンでしかないのです バンドネオンの特徴は①長いこと(と言って広げて見せる),②両サイドが正方形なこと(なるほど長方形ではない),③音色です ここにアコーディオンがないので聴き比べができませんが,まったく違います

と解説します.クァルテット・エクセルシオが加わり,小松亮太作曲による「風の詩~THE世界遺産」を演奏しました これはTBSの日曜夜に放映されている(らしい)テレビ番組のテーマ音楽だそうです

次にピアソラの「ファイブ・タンゴ・センセーションズ」から「不安」と「恐怖」をエクセルシオとともに演奏,会場一杯の拍手を受けます 再度マイクを握り

「大友さん,サントリー音楽賞の受賞おめでとうございます

と大友を立てますが,山田百子から「それ,違いますよ!」と耳打ちされ,

「齋藤秀雄メモリアル基金賞でした.最初の”サ”しか合ってませんでした

と訂正,

「昔はいろいろありまして,お金がなくて困ってました 大友さんが無償で出演してくれたりして助けてもらいました・・・・大友さんがいなかったら今の自分はなかったです.いや,ホントの話

とあらためて過去の秘話を披瀝しました.そして「オブリヴィオン」,「ブエノスアイレスの冬」を演奏 その後,

「いよいよ最後の曲になってしまいました.次はあまりにも有名なあの曲です

と言って「リベルタンゴ」をノリノリで演奏しました 大友のチェロが唸ります 花田,山田のヴァイオリン,吉田のヴィオラが刻みます コマツのバンドネオンが叫びます 見事な演奏でした.会場は興奮の坩堝です

カーテンコールが繰り返され,会場は拍手が鳴り止みません.最初バラバラだった拍手が,いつの間にかザッ,ザッ,ザッとリズミカルな「アンコール期待」の手拍子に変わりました   すると,小松が再度バンドネオンを持って登場,

「正直言ってもうやるのもがありません 今まで演奏したどの曲をもう一度やるか,という選択です オブリヴィオンで良いですか?」

とエクセルシオに同意を求めます.会場は大拍手です その線で一致をみた5人は「オブリヴィオン」をアンコール演奏し拍手喝さいを浴びました

実に楽しいコンサートでした この公演はクラシックから少し離れ,気軽に音楽を楽しめる好企画でした.来年も是非続けてほしいと思います

 

          

コメント (1)
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