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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

SPレコードから聴こえる声は?~鈴木清順監督「ツィゴイネルワイゼン」を観る

2015年06月25日 07時01分15秒 | 日記

25日(木).わが家に来てから259日目を迎え、ディズニーのお菓子で白ウサちゃんを口説こうとしているモコタロです 

 

          

             ねえねえ そのお菓子をあげるから 仲良くしようよ

 

  閑話休題  

 

23日(火)に早稲田松竹で鈴木清順監督の浪漫三部作『夢二』『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』のうち『夢二』と『ツィゴイネルワイゼン』の2本を観ました 昨日『夢二』について書いたので,今日は1980年公開の『ツィゴイネルワイゼン』について書きます

士官学校教授の青地と元同僚で無頼の友人・中砂(なかさご)は,旅先で,弟の葬式帰りだという芸者・小稲に会う.その1年後,中砂が結婚したというので青地が訪ねると,妻は小稲とそっくりの園という女性であった.中砂と園の間に娘が生まれ,青地の名前の一字をとって豊子と名付けられるが,その翌年,園はスペイン風邪にかかって死ぬ 新しい乳母ができたというので青地が中砂家を訪ねると,死んだはずの園が赤ん坊を抱いているのに驚く しかし,それはかつて芸者だった小稲だった.中砂が病死した数年後,小稲が青地邸を訪ね,中砂が貸した蔵書を返してほしい言う.そして最後に「サラサーテのレコードを返してほしい」と しかし,青地には借りた覚えがない.実は青地の妻・周子が額縁の裏に隠していたのだ.なぜ小稲がそれら一連のことを知ったのかというと,中砂の霊が豊子と交信して豊子に教えたからだという

 

          

 

原作は内田百の「サラサーテの盤」等のようですが,残念ながらまだ読んでいません 映画の冒頭,蓄音機の上に載せられた1枚のSPレコードからサラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」のメロディーが流れてきます 演奏の途中,人の声が聴こえ,中砂が「いま何か言ったか?」と訊ねるが青地は「何も言わない」と答えます 実はそのレコードはサラサーテ自身が演奏した音が入っていて,演奏の途中でサラサーテが何かをしゃべっているのですが,何を言っているのか二人には聴き取れないのです

キャストでは,何と言っても”鈴木清順ファミリー”の俳優・原田芳雄が無頼の中砂を個性豊かに演じています 相手役の青地には映画監督の藤田敏八が渋い役割を担い,大谷直子がミステリアスな一人二役を演じています 珍しいところでは,若き日の樹木希林がチョイ役で出ています.もう1本の映画,沢田研二主演の「夢二」に出ていたら「ジュリ~」と言って悶えたでしょうか

鈴木清順の映画の大きな特徴は豊かな色彩感で彩られた幻想的な世界の表出です.とくに赤色の使い方が鮮やかです また,いきなりドッキリするような画面を突き付け観衆を驚かせます 144分の大作です.第31回ベルリン国際映画祭審査員特別賞をはじめ多くの賞を受賞しています

「浪漫三部作」の早稲田松竹での上映は明日までです.上映時間はホームページをご覧ください

コメント (2)
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