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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデン「フィナーレ・コンサート」を聴く

2015年06月23日 07時58分08秒 | 日記

23日(火)。わが家に来てから257日目を迎え,新しいお菓子に感心を示すモコタロです 

 

          

             これがタバコだったらあやまるよ 吸いません!

 

  閑話休題  

 

21日(日)にサントリーホールに行ったのですが、ホール前のカラヤン広場に面したお店のテラスで本を読んでいると、”おこぼれ頂戴”狙いのスズメがやってきました 名前を訊いたら「ちゅんたろうだよ」と教えてくれました 「エサにありついたかい?」と訊くと「スズメの涙ほどだけどね」と答えました。なかなか出来たスズメでした

 

 

          

 

ということで,21日(日)午後1時半からサントリーホール”ブルーローズ”で「サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデン」のフィナーレ・コンサートを聴きました プログラムは①メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番イ短調」、②シュルホフ「フルート、ヴィオラとコントラバスのための小協奏曲」、③サントリーホール・オペラ・アカデミー選抜メンバーによる演奏,④サン=サーンス「七重奏曲変ホ長調」、⑤シェーンベルク「清められた夜」です

 

          

 

自席はC6列2番,センターブロック左から2つ目.会場はほぼ満席です 1曲目のメンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番イ短調」は、カルテット・アルパによる演奏です この四重奏団のメンバーは東京藝大の学生で,ヴァイオリン=小川響子、戸原直、ヴィオラ=古賀郁音、チェロ=伊東裕です

この作品は1827年,メンデルスゾーンが18歳の時の作品です.1827年と言えばベートーヴェンが弦楽四重奏曲第14番,第16番,第13番第6楽章「アレグロ」を作曲した翌年の病死した年です 同じドイツ・オーストリー圏に生きていたメンデルスゾーンはベートーヴェンの死をいち早く知ったはずです 短調のこの曲はベートーヴェンの後期の弦楽四重奏曲の影響がそこかしこに表われています.その中で,メンデルスゾーンらしい軽快な音楽は第3楽章「間奏曲」です 歌心に溢れた軽快な曲です.4人は大きな拍手に包まれました

2曲目のシュルホフ「フルート、ヴィオラとコントラバスのための小協奏曲」は、フルート=高木綾子、ヴィオラ=池田菊衛、コントラバス=吉田秀による演奏です エルヴィン・シュルホフは1894年生まれのチェコの作曲家です.この曲は1925年に作曲されました フルートとヴィオラとコントラバスの組み合わせは聞いたことがありません 全体的に民族音楽的な曲想ですが,フルートはピッコロに持ち替えて演奏するので,コントラバスとの音域は最大になります 難しい曲かと思って警戒して聴いていましたが,愉悦感に溢れた軽快な曲で,十分楽しめました

休憩後の最初はサントリーホール・オペラ・アカデミー選抜メンバーである2人の歌手の卵によってアリアが歌われました 最初は東京藝大出身のソプラノ・迫田美帆さんです.ヴェルディ「ストルネッロ」とプッチーニ「死とは?」を迫力ある声で歌いました 次に国立音大出身の新造太郎さんが,トスティ「もう君を愛していない」とマスカー二「セレナータ」をバリトンで歌いました いつの日か,オペラ劇場で観ることを期待したいと思います

次のサン=サーンス「七重奏曲変ホ長調」は、トランペット=高橋敦、コントラバス=吉田秀、ピアノ=若林顕、弦楽四重奏=クアルテット・エクセルシオ(ヴァイオリン=花田和加子、山田百子、ヴィオラ=吉田由紀子、チェロ=大友肇)によって演奏されます エクセルシオの女性陣はグリーン系のドレスで統一しています

この曲も編成が変わっています.何しろ弦楽五重奏にピアノとトランペットが加わるのですから この曲はエミール・ルモワーヌという数学者でアマチュア・トランペット奏者だった人が創設した室内楽団体の看板作品として依頼されたものです したがって,トランペットが大活躍する曲です

曲を聴いていると,サン=サーンスらしい曲想だなと思う個所が何か所かあります.何故か「動物の謝肉祭」を思い出しました 東京クヮルテットで長年第2ヴァオリンを弾いていた池田菊衛氏の髪は真っ白です 往年のヴァイオリニストも白髪か・・・・と感慨深いものがあります.演奏は7人の技のぶつかり合いと言ったら良いでしょうか

最後のシェーンベルク「清められた夜」はミロ・クアルテット、ヴィオラ=磯村和英、チェロ=堤剛による演奏です 東京クヮルテットの結成メンバーでヴィオラを弾く磯村氏も髪が真っ白です ミロ・クァルテットの間にチェロの堤とヴィオラの磯村が挟まるという態勢をとります

この作品は,ドイツの詩人デーメルの詩集「女と世界」に収められた同題の詩を基に書かれた「弦楽六重奏による単一楽章の交響詩」です

月明かりの夜,森の中を歩く恋人同士.女は,身ごもっている子は彼と出会う前にあった男との間に出来た子供であることを打ち明ける.男は,「その子を自分の子として産んでほしい」と語りかける.二人を月が照らす.

この曲は1896年の作品ですが,先人のブラームスやワーグナーの影響を垣間見ることが出来ます 曲の冒頭は静かなヴィオラの演奏から入りますが,なぜか音楽として聴こえてきません すこしモタモタした感じがします.だんだんテンポを上げてきて問題は解消しましたが,曲の冒頭というのは難しいですね 若い壮年期のミロ・クァルテットと熟年のベテラン奏者とのコンビネーションは,後半に行くほど冴えてきて,最後は静かに演奏を閉じました 私がシェーンベルクで唯一素晴らしいと思う作品「浄められた夜」は大きな拍手で称えられ,6月6日から続けられてきたチェンバーミュージック・ガーデンを締めくくりました

私は「サントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデン2015」を6月7日のミロ・クァルテットの「ベートーヴェン・サイクルⅠ」から聴き始め,6月21日の「フィナーレ・コンサート」まで合計11公演を聴き続けてきましたが,終わった今,長い旅の終わりを感じています また来年の『室内楽音楽祭』を楽しみにしたいと思っています

       

          

コメント (2)
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