17日(水).わが家に来てから251日目を迎え、何にでも興味を抱くモコタロです
こんなの食べて お腹がコショウしないかなぁ
閑話休題
昨夕,よみうり大手町ホールで「読響アンサンブル・シリーズ」公演を聴きました 今年度からこのシリーズの定期会員になりました
プログラムはモーツアルトの①歌劇『フィガロの結婚』序曲,②ヴァイオリン協奏曲第3番ト長調K.216,③交響曲第41番ハ長調K.551”ジュピター”です.②のヴァイオリン独奏はアレクサンダー・シコトヴェツキ―、指揮は神奈川フィルの常任指揮者・川瀬賢太郎です
このシリーズ,どういう訳か開演が午後7時半と遅いのです 忙しいサラリーマンに配慮しているのかも知れませんが,満席の会場を見渡す限りシニア世代が圧倒的に多いのは他のコンサートと変わりません
もっとも7時からは指揮者によるプレトークがあるので,その時間を計算に入れているのかも知れませんが,個人的にはそれを早めて午後7時からの演奏開始にしてほしいと思います
オケの面々が登場しスタンバイします.総勢40人位でしょうか.コンマスは小森谷巧,チェロにはソロ・チェロの毛利伯郎,ヴィオラにはソロ・ヴィオラの柳瀬省太が控えています オーボエ首席の蠣崎耕三に合わせてチューニングが行われ,指揮者を待ちます
今年31歳を迎える川瀬賢太郎が威勢よく登場し1曲目の歌劇「フィガロの結婚」序曲の演奏に入ります 川瀬は指揮棒なしで指示を出します.モーツアルトの歌劇の序曲には適切なテンポがありますが,川瀬はまさにその軽快なテンポでメリハリを付けて音楽を進めます
2曲目はヴァイオリン協奏曲第3番です.指揮者とともにソリストのアレクサンダー・シトコヴェツキーが登場します 名前からして仕事好き~な感じを受けますが,名ヴァイオリニスト,ユーディ・メニューインに見出されたロシアが誇るヴァイオリニストです
彼に対しては顰め面をしたバッハ弾きといったイメージがありましたが,舞台に現われた彼は愛想のよさそうな優しい顔をしていました
早速演奏に入りますが,厳粛なバッハのイメージから離れた軽快な演奏を展開します
オーボエの蠣崎耕三をはじめ管楽器群のソロが美しく奏でられ,シトコヴェツキーのソロを支えます
会場一杯の拍手に応え,日本語で「アリガトゴザイマス」と言って,バッハの「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」から「サラバンド」を静かに,鮮やかに演奏しました.やはりバッハです
前半の演奏が終わり立ち上がろうとした時,会場にアナウンスが流れました
「ただ今から開演でございます.お早めにお席に・・・・・・・」
休憩のため席を立とうとした聴衆は一瞬???と首をかしげましたが,すぐに
「ただ今から休憩時間となります」
と正しいアナウンスが入ったので会場に笑いの輪が広がりました
これで,アナウンスは生ではなく録音ボタンを押していることが分かりました
それにしても,よみうりホールは聴衆を飽きさせないように色々と工夫を凝らしてくれます.そのサービス精神は見上げたものです
休憩が終わり自席に着くと,なんとシトコヴェツキーがヴァイオリン・ケースを抱えて自席の斜め前の席に着いたのです.これには驚きました
3曲目はモーツアルトの最後の交響曲”ジュピター”です 川瀬はここでもメリハリの効いた起伏の激しい音楽作りをします.ティンパ二の強打が効果的で,演奏にアクセントを与えます
川瀬は右を向いたり左を見たり,時に指揮台の上で飛び上がったり,「ファイト一発!リポビタンC」「元気溌剌!オロナミンD」といった,ひと時もじっとしていない指揮ぶりです
勘違いしないでいただきたいのですが,私は彼の指揮を批判しているのではありません.身体全体を使って思うところをオケに伝えるのは良いことです
若いのに老成した指揮をするような指揮者よりもずっと好感が持てます
若い時には若いなりの指揮をすれば良いのです
読響の面々は川瀬の忙しい指揮によく付いて行っていました 第41番”ジュピター”の,とくに第4楽章のフーガは素晴らしい音楽ですが,会場が500席の小ホールであることもあり,迫力満点の演奏を楽しめました