7日(日).わが家に来てから241日目を迎え,眉毛の手入れをするモコタロです
眉毛の手入れじゃなくて 目がかゆいんだってばさ
閑話休題
昨日午後3時から東京オペラシティコンサートホールでバッハ・コレギウム・ジャパンの第113回定期演奏会を,午後6時からサントリーホールで東京交響楽団の第631回定期演奏会を聴きました.今日はバッハ・コレギウム・ジャパンのコンサートの模様を書きます
プログラムは,①バッハ「キリストは,死の縛めにつきたもう」BWV625,②同「深き苦悩の淵から,私はあなたを呼びます」BWV686,③同「天にまします我らの父よ」,ヨハン・ヴァルターのコラール①「キリストは,死の縛めにつきたもう」,②「深き苦悩の淵から,私はあなたを呼びます」,③「天にまします我らの父よ」,そして,バッハのカンタータ①「深き苦悩の淵から,私はあなたを呼びます」BWV38,②「キリスト我らが主ヨルダン川に来たりたもう」BWV7,③私たちから取り去ってください,主よ,まことの神よ」BWV101です
この公演は「ルタ―500プロジェクト」と題され,2017年のマルティン・ルターの生誕500周年を記念して挙行されるシリーズの第1弾です ルターと言えば「宗教改革」ですが,元来カトリックの修道士であるばかりでなく音楽家でもあったのです
ルターが新しい礼拝を定めた時,聴衆が黙ってミサに参加するだけでなく,声を合わせて歌うことによって,神に語りかける手段を与えようと考えました.そのために生みだされたのが「コラール」と呼ばれる讃美歌なのです
バッハはルターの宗教改革から約200年後の1724年に,コラールに基づいて「コラールカンタータ」と呼ばれる特殊なカンタータを40曲作曲しました.このシリーズでは,その40曲の中から選定された曲が数回に分けて演奏されます
この日の演奏順は,ルターとほぼ同時期に活躍したヴァルターのコラール「キリストは死の縄に縛められ」が合唱で歌われ,次にバッハの「キリストは死の縄に~BWV625」がオルガン独奏で演奏され,というように交互に演奏されます.演奏は,ソプラノ=藤崎美苗,アルト=青木洋也,テノール=ダン・コークウェル,バス=加未徹,鈴木雅明指揮バッハ・コレギウム・ジャパンです
同じ題名でも,バッハの作曲による曲がパイプオルガンで鳴ると迫力が違います.やっぱりバッハは偉大だなと思います.ヴァルターとバッハの曲が交互に演奏し終ると,今度は本格的なバッハのカンタータの演奏に入ります
最初はカンタータ第101番「私たちから取り去ってください,主よ,まことの神よ」です.ソプラノの藤崎美苗,アルトの青木洋也,テノールのダン・コークウェルたちに付ける伴奏では,新人のフラウト・トラヴェルソ鶴田洋子,オーボエの三宮正満,同じくオーボエの新人・荒井豪,トロンボーンのシャルル・トゥート他2人の演奏が光っていました 演奏前に鈴木雅明氏がマイクで説明していたように,”世代交代”のため何人かメンバーが入れ替わっており,新人の姿が目立ちました
休憩後に演奏されたカンタータ第7番「キリスト我らが主ヨルダン川に来たりたもう」では若松夏美,高田あずみのヴァイオリン独奏が素晴らしく,最後に演奏されたカンタータ第38番「深き苦悩の淵から,私はあなたを呼びます」では再度,トロンボーンの3人,オーボエの2人の活躍が目立ちました
それにしても学校の世界史の授業で習った「宗教改革」の推進者であるマルティン・ルターが「コラール」の創始者であったとは,今回初めて知りました.「一芸に秀でる者は・・・・」と言われますが,歴史に名前が残る人は何をやっても残るのでしょうね