2016年1月1日(金)。皆さま、明けましておめでとうございます 本年も 今日で461日目を迎えたモコタロともどもよろしくお願いいたします
ぼくは決まっているけど バックが散らかってね?
閑話休題
お正月早々、去年のことで恐縮ですが、昨日 12月31日、2015年最後のコンサートを聴きました 上野の東京文化会館小ホールで開かれた「ベートーヴェン弦楽四重奏曲【9曲】演奏会」です。今回10回目を迎えたこのコンサートは、毎年3つのクァルテットが3曲ずつ演奏していますが、今回は第7番~第9番をストリングス・クァルテットARCOが、第12番、第13番、大フーガをクァルテット・エクセルシオが、第14番~第16番を古典四重奏団がそれぞれ演奏します
14時開演で21時30分終演予定となっていますが、私は例年、最初の2つの団体だけを聴いて帰宅しています 1年の最後の日は家族そろって年越しそばを食べるのが習慣になっているからです
最初に演奏するストリングス・クァルテットARCOはN響コンマスの伊藤亮太郎(Vn)、都響首席の双紙正哉(Vn)、読響ソロ首席の柳瀬省太(Va)、都響主席の古川展生(Vc)から成るユニットです
弦楽四重奏曲第7番から第9番までの3曲(作品59)は、ロシアの貴族で 長い間ウィーン駐在大使を務めたラズモフスキーの依頼で作曲されたことから、”ラズモフスキー弦楽四重奏曲”と呼ばれています 中期の弦楽四重奏曲の代表作です
第7番の冒頭の勇壮な音楽を聴くと、それまでの弦楽四重奏曲とは次元が違う音楽であることを感じます 交響曲で言えば第2番から第3番”英雄”に移るときに感じる感覚と同じです
4人はテンポ良く演奏を進めます。第8番は3曲の中で唯一の短調の曲ですが、4人はベートーヴェンの心情の吐露を歌い上げます
第9番は全体的にベートーヴェンの強い意志を感じさせる曲です。私は3曲の中ではこの曲が一番好きです。常設の弦楽四重奏団でなく、臨時に集まって練習を重ね演奏する彼らの努力は並大抵ではないでしょう。なかなかの力演でした
2番手のクァルテット・エクセルシオは、第1ヴァイオリンの西野ゆかが休養中につき小林朋子が代演、第2ヴァイオリン=山田百子、ヴィオラ=吉田有紀子、チェロ=大友肇というメンバーです
後期の弦楽四重奏曲は第12番から始まります。エクセルシオのメンバーが登場します。女性陣は微妙に異なる紫系統の衣装での登場です 第12番の冒頭の和音が鳴った時、「これから充実した後期の作品を始めるぞ
」というエクセルシオの覚悟の宣言のように聴こえました。根性が入っていました
私はこの曲が結構好きなので十分楽しみました
次は第13番です。ペテルブルグの音楽愛好貴族ガリツィン公爵に献呈されました。この曲は変わっていて、6楽章から成ります 当初は第6楽章に巨大なフーガを置いた形で完成、初演されましたが、この大フーガだけが”難解である”として不評を買ったため、ベートーヴェンは出版社アルタリアの意向や周囲の意見を取り入れて、大フーガに代わる第6楽章「アレグロ」を新たに作曲します。これこそベートーヴェン最後の作品(楽章)となったのです
実は、私はこの作品(楽章)が大好きで、今回も予習に何度も繰り返し聴きました
深刻な「大フーガ」よりも軽快な「アレグロ」の方が好きです。ベートーヴェンの最後の曲がこの明るく軽やかな曲で良かったと思います
今回のコンサートでは、新しい第6楽章「アレグロ」を加えた形で演奏され、後で「大フーガ」だけが単独で演奏されました 第13番は次々と曲想が変化する曲ですが、とくに第5楽章「カヴァティーナ」は美しく、祈るような音楽で 思わず聴き入ってしまいます
エクセルシオは西野ゆかの代演・小林朋子が積極的にリード、他の3人との間合いもぴったりでした。まさに常設の弦楽四重奏団の鏡のような演奏で、見事なアンサンブルでした
続く「大フーガ」は、再び「これからベートーヴェンの最高傑作を演奏するぞ」というエクセルシオの覚悟の宣言のような気迫に満ちた演奏が展開しました
。
今回、2つの弦楽四重奏団の演奏を聴いたわけですが、演奏曲目は異なるものの どうしても比べてしまいます 何と言ってもエクセルシオの演奏は素晴らしい。第1ヴァイオリン奏者が代演でも演奏の質は保たれています
今回、彼らのベートーヴェンを聴いてエクセルシオの素晴らしさを再認識しました。1年を締めくくるのに相応しいコンサートを聴くことができて本当に幸せでした
最後の、閑話休題
「忘備録」として2015年12月31日現在のtoraブログのアクセス状況を記録に残しておきます。
①トータル閲覧ページ数 203万3715 ページ
②トータル閲覧者数 54万3720 IP
③goo ブログにおける直近1週間の平均順位 234万9352ブログ中1440位
④「読者になる」登録数 712人