17日(日)わが家に来てから476日目を迎え、おとなしく現下の情勢を見守るモコタロです
閑話休題
昨日、池袋の新文芸坐で「素晴らしき哉、人生!」と「王様と私」の2本立てを観ました 「素晴らし哉、人生!」は1946年、フランク・キャプラ監督による2時間10分のアメリカ映画です
ジョージ・ベイリイ(ジェームズ・スチュアート)は子供のころから世界一周旅行をする夢を抱いていた 彼の父は住宅金融公社を経営し、街の貧しい人々に低利で住宅を提供して尊敬を集めていた。その父が過労のため死去したため、成り行きで彼は父の跡を継ぐことになった 世界旅行の夢はお預けになったが、彼は幼馴染みのメリー(ドナ・リード)と結婚し4人の子供に恵まれた 町では銀行家のポッター(ライオネル・バリモア)がボス的な存在になっており、ジョージを目の敵にして事あるごとに邪魔をしていた 第2次世界大戦が起こり、ジョージの弟は殊勲をたてて大統領に表彰された。しかし、そんな嬉しいニュースばかりではなかった。ジョージの伯父で共同経営者が銀行に預ける8,000ドルを紛失してしまい、窮地に立たされる 実はこの大金は手違いでポッターの手に渡っていたのだが、彼はジョージを困らせるため事実を告げないでいた。絶望したジョージは橋の上から身投げしようとしたが、その寸前にクラレンスという老人が身を投げた ジョージは必死で彼を救い出した。話を聞くと、クラレンスは「2級天使」でまだ翼が無く、翼を得るためにジョージを救ったのだと言う ジョージが、自分は生まれてこなければ良かったとこぼすと、クラレンスはジョージが生まれていない幻の世界に連れて行った。そこは義理も人情もない殺伐とした世界で、ジョージは失望し、元の世界に戻してくれと頼んだ 再び現実の世界に戻ったジョージは、生きる喜びを感じながら、クリスマス・イヴを祝うわが家に戻った。そこに、ジョージの窮状を知った町中の人たちが寄付金を持って駆けつけてきた 妻のメリーが町中に助けを求めたのだった。ジョージは、あらためて人々の温かさを感じ、妻と子供たちを抱きしめた
この映画は、大手映画会社のもとでは自分の作りたい映画が出来ないとして、キャプラ、ワイラー、スティーヴンスの3人が協力して設立した「リバティ・プロ」の記念すべき第1回作品です
「欲張り者は相手にされず、貧しい人たちを助ける者は窮地に陥っても誰かが助けてくれる」という分かり易いコンセプトの映画です 今では薄れた”道徳観”を説いた「文科省特選」に相応しい作品です 何と言っても「2級天使」というのが可笑しい。アメリカの古き良き時代のクリスマス映画といったところでしょうか
2本目は1956年、ウォルター・ラング監督による2時間13分のアメリカ映画「王様と私」です
1862年、アンナ夫人(デボラ・カー)は息子ルイズ(レックス・トンプソン)を連れてシャム王(ユル・ブリンナー)の王子や王女らの教師としてイギリスからシャム(タイ)にやってきた アンナは王が宿舎を提供する約束を忘れていることを知り、直談判する ところが王は取り合おうとせず、王子や王女を紹介する。賢いアンナは王子や王女の教育の中で「家」という言葉を教え、王が忘れた宿舎の提供を思い出させようと画策する ある日、英国人が自分のことを野蛮人だと思っていることを知った王は、国情調査に来る英特使のもてなしをアンナに任せ、歓迎会は成功裏に終わった しかし、ビルマからの貢ぎ物である姫タプティム(リタ・モレノ)が恋人のラン・タと駆け落ちしたと知り、タプティムを捕らえて鞭打ちの刑にしようとするが、アンナの取りなしで免れる 愛想を尽かしたアンナは故国へ帰ろうとするが、王は心臓発作で倒れる 瀕死の王と王子、王女たちの懇願にアンナはシャムに残ることを決心する
当たり前のことですが、この作品はロジャース=ハマーステインによるミュージカル映画です 映画の中で歌が歌われます デボラ・カーはすごく上手だけれど、ユル・ブリンナーはあまり得意ではないような気がします。シャム王のセリフでは「エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ」が何とも可笑しい そして「王様と私」と言えば、ユル・ブリンナーとデボラ・カーが踊る「シャル・ウィー・ダンス」が忘れられません かなりのスピードでダイナミックに踊っているので、勢いでデボラ・カーが飛ばされてしまうのではないかと心配になるほどです
英国から来た一人の女性教師の力によって、次代の王が啓もうされ、奴隷制度を取るシャムの政治を変えていくことが暗示されて物語の幕が閉じます ミュージカル映画では「サウンド・オブ・ミュージック」がベスト作品だと思いますが、この「王様と私」はそれに次ぐ素晴らしい作品だと思います
も一度、閑話休題
映画の帰りに、巣鴨駅アトレ2階の高級スーパーS・Iでチーズの詰め合わせセットを2つ買ってきました 映画(特にイタリア映画)を観ていると、さかんにワインを飲むシーンが出てきて、「ワインを飲みたいなあ」と思うと同時に「つまみはチーズが一番だな」と思います。そんなわけで、思わず買ってきました
右側の袋入りのチーズは、色々な種類のチーズが少しずつ入っていて、いわばサンプルのようなものです。これを食べて、一番気に入ったチーズを買うのが賢い選択だと思います
最後の、閑話休題
この後、一旦家に帰って、午後6時からサントリーホールで行われる東京交響楽団のコンサートを聴くため あらためて出かけました 実は、映画を観ている時に”ちょっと熱っぽい。風邪を引いたかな?”という自覚症状があり、家に帰ってから体温計で熱を測ったら7度1分ありました それというのも、1月4日から16日まで13日間連続で毎日映画を観て(新文芸坐の「魅惑のシネマ クラシックス」全24本)、コンサートにも3回行ったことが身体に相当の負担をかけた原因だと思います そうは言うものの、今年に入ってから一度、コンサート会場を間違えてチケットをおジャンにしたこともあり、コンサートだけはチケットを無駄にしたくないので、意を決して出かけたのです
今日は新文芸坐で「追悼 原節子」全28作品上映企画の第1弾「東京物語」と「東京暮色」があるのですが、観たい気持ちを押さえて家で身体を休めることにします。16日の東響のコンサートの模様は明日のブログに書くことにします