人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「さらば友よ」を観る~アラン・ドロン+チャールズ・ブロンソンの魅力

2016年01月12日 08時29分21秒 | 日記

12日(火)その2。よい子は「その1」から見てね モコタロはそっちに出てます

昨日、池袋の新文芸坐で「チャイナタウン」と「さらば友よ」の2本立てを観ました 「チャイナタウン」は1974年、ロマン・ポランスキー監督によるハードボイルド・ミステリー映画です

 

          

 

この映画は、早稲田松竹で観て当ブログ(27年4月29日)にも書いたので省略します ジャック・ニコルソンがしぶとい私立探偵を演じています

2本目は1968年、ジャン・エルマン監督による115分のフランス映画「さらば友よ」です

 

          

 

アルジェリア戦争から帰還した軍医バラン(アラン・ドロン)はマルセーユの港で広告会社に勤める女イザベル(オルガ・ジョルジュ・ピコ)から「モーツアルトさん」と声を掛けられ、会社から黙って持ち出した債権を会社の金庫に戻してほしいと頼まれる 不審に思いながらもバランは同じく戦場帰りのプロップ(チャールズ・ブロンソン)と組んで金庫に潜入することにした プロップは、債券の代わりに現金をいただこうと企んだが、中には現金はなく、二人は金庫に閉じこめられてしまう ここで、バランは明らかに罠にはめられたことに気が付くが、いったい誰が何の目的でバランに汚名を着せようとしたのか?イザベルの目的は何か?バランとプロップは無事脱出に成功して汚名を晴らすことができるのか

映画の冒頭から「モーツアルトさん」が出てくるので、どういう展開になるのか、と思ってしまいますが、この映画ではモーツアルトの音楽は1度も流れません エルマン監督がどういう意図で「モーツアルト」を持ち出したのかよく分わかりませんが、フランスでも人気があるのでしょう

この映画は素顔の二枚目のアラン・ドロンとニヒルな髭のチャールズ・ブロンソンの二人の男の魅力満載です

バランとプロップはお互いに”会ったこともない”としながらも、映画の最後の場面で、他の事件の容疑者として刑事に連行されるプロップのタバコに、バランが無言で火を点けてやるシーンは、二人が強い絆で結ばれていることを示していて痛快です 二人の最後のひと言がいいですね

ドロン「イエーイ」、ブロンソン「ウ~ン マンダム」ってか

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「クァルテット奧志賀」トライアル・コンサートを聴く~プロジェクトQ・第13章

2016年01月12日 08時21分21秒 | 日記

12日(火)その1。わが家に来てから471日目を迎え、シロウサちゃんに講釈をたれるモコタロです

 

          

           これが出てきたらおしまいだよ 「万事きゅうす」って言うんだ

 

  閑話休題  

 

昨日、上野学園石橋メモリアルホールで「プロジェクトQ・第13章」公演のうち「奧志賀クァルテット」と「クァルテット・ジョイア」の「トライアル・コンサート」を聴きました これは若いクァルテットが本番を前に最終的に行う、いわば”ゲネプロ”のようなものです 入場料は全自由席で100円以上の任意の額を、聴いた後で払う仕組みです 彼らの実際のコンサートは2月7日(日)午後13時からですが、私は当日、東京フィルのコンサートを聴く予定があって聴けないので、せめてトライアル・コンサートでも、と思って聴いたものです

 

          

 

なぜこの「トライアル・コンサート」を聴こうと思ったかというと、「クァルテット奧志賀」のメンバーに会田莉凡さんの名前があったからです 数年前から彼女のファンで、彼女の出演するコンサートは出来るだけ聴くようにしています

 

          

 

本番の公演ではないので、どれほどの聴衆が来るのだろうか、と興味津々でしたが、蓋を開けてみると150人位の人が来場したでしょうか。大した人気です 自由席なので、第2ヴァイオリンの会田莉凡さんが正面から見えるようにと、センターブロック前から3列目の右通路側席(C20番)を押さえました

最初にクァルテット奧志賀がモーツアルト「弦楽四重奏曲第19番”不協和音”K465」を演奏します メンバーは、ヴァイオリン=小川響子、会田莉凡、ヴィオラ=七澤達哉、チェロ=黒川実咲です このクァルテットは小沢国際室内楽アカデミー奧志賀で出会い、2014年に結成した弦楽四重奏団です

4人が登場して配置に着きますが、私の想定していたのと違います 私はヴァイオリンが左サイドに2人並ぶ配置を予想していたのですが、このクァルテットはヴァイオリンの2人が左右に分かれる対向配置をとり、会田莉凡さんは今回第2ヴァイオリンを弾くため向かって右サイドにスタンバイします。したがって、私の席からは彼女の背中を見ることになります

配布されたプログラムによると、このクァルテットは曲によって第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを交代する方針であるとのことで、今回は小川響子さんが第1を弾くことになったようです  私がこのクァルテットを聴くのは初めてなので、よく分かりませんが、会田莉凡さんが第1ヴァイオリンを弾くのはベートーヴェンやロマン派以降の音楽ではないか、と想像します

モーツアルトの「弦楽四重奏曲第19番ハ長調”不協和音”K465」は、彼が師と仰ぐハイドンに献呈した、いわゆる”ハイドン・セット”の最後の曲に当たります モーツアルトは、第1楽章冒頭に未だかつてない”不協和音”の序奏を置きました 今でこそ私たちは何の不自然さも感じないでこの曲を聴いていますが、当時の人は「モーツアルトは気が狂ったのではないか」と思ったに違いありません。モーツアルトにとって、常識は破られるためにありました

さて、その冒頭、不安な曲想が弦楽器から弦楽器へと受け継がれていき、急に雲間から太陽が顔を出すように明るい曲想が現れます この時のクァルテット奧志賀の演奏は緊張感に満ちたニュアンス溢れる素晴らしい演奏でした この演奏を聴いて、この演奏の成功を確信しました。この後も、4人の演奏はバランスが良く、アンサンブルの妙を堪能しました

 

          

 

続いて休憩なしで、クァルテット・ジョイアの演奏に入ります この弦楽四重奏団は東京藝大大学院のメンバーにより2015年に結成されました。第1ヴァイオリンの石田紗樹さんは藝大フィルハーモニアのコンサートで何度か聴いた記憶があります

このクァルテットは、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという態勢をとります。彼らが演奏する弦楽四重奏曲第22番K589はプロシア王セットの第2番に当たります 当時プロシア王だったフリードリヒ・ヴィルヘルム2世のために書かれました。チェロをたしなんだ王の関心を引くため、チェロが活躍するパートを多く登場させています。とくに第2楽章「ソット・ボーチェ」はチェロの優しい演奏により幕が開きます 私はプロシア王セットの中では第1番が好きですが、この曲も目立たないけれど良い曲です 第1ヴァイオリンの石田さんのリードによる演奏でしたが、このクァルテットもバランスが良くモーツアルトの愉悦感が良く表現されていました

コンサート終演後、聴衆は個々の判断で入場料金を決めて料金箱に入れなければなりません 私は、7日の本番が3グループ(3曲)出演で2,000円のチケット代を取ることから、トライアルで2曲だけだけれど内容が素晴らしかったので2,000円を箱に入れました

この企画は毎年実施しているようなので、来年も聴きに行こうと思います

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