24日(木).昨日の朝日朝刊「金融・経済」面のコラム「経済気象台」は「10年周期大変動説」というテーマでした ペン・ネーム「山猫」さんによるコラムを超訳すると
「10年周期で経済の大変動が訪れるらしい 振り返ると,1987年のブラックマンデーに始まり,97年のアジア通貨危機(国内大手金融機関の相次ぐ破綻),2007年のサブプライムローン問題と翌08年のリーマン・ショック,と 確かに10年ごとに大変動が起きている 現在,欧州各国の政治経済情勢は不安要素が増し,アメリカではトランプ政権が有効な経済政策を打てるとは考えられない 日本だって,わからない.日本銀行と連動したアベノミクスの中身が空っぽだからだ.日銀がETF(上場投資信託)を通じて上場株を『爆買い』し,日本国債の発行総額の4割近くまで買い付けている.これが『通貨の番人』である中央銀行のやることか 一方,日本経済の実態は,低賃金・長時間労働という犠牲の上に成り立っている.本質を見極め,地に足を着けた政策を打たないと,わが国は来るべき大変動の餌食になってしまう」
10年周期大変動説で私が一番恐れているのは,まさに10年区切りの2017年にアメリカでトランプ政権が誕生したことです 政治にしても経済にしても,「何を言うか分からない」「翌日には反対のことを平気で言う」といった,まさに「一瞬先は闇」のトランプ大統領ほどのリスク要因は他にないでしょう.とくに大陸間弾道ミサイルの相次ぐ発射実験によって,ハリネズミのように自国を(というより金正恩ファミリーを)守ろうとする北朝鮮の動向を見る時,大きな危うさを感じます
ということで,わが家に来てから今日で1058日目を迎え,中国産マツタケが 中国国内の需要が伸びていることに加え 天候不順で生育が遅れていることから高値になっているというニュースを見て感想を述べるモコタロです
一般庶民にとっては 安くなるのをマツダケ ってか あ~ チャイナ チャイナ
昨日,夕食に千葉県勝浦市在住の大学時代の友人S君が送ってくれたアジを塩焼きにしました あとは「生野菜とツナのサラダ」「マグロの山掛け」「冷奴」です.「アジ~」は大振りで美味しかったです.持つべきものは友だちです
昨日,晴海の第一生命ホールで「雄大と行く昼の音楽さんぽ」シリーズ第11回「上原彩子ピアノ・リサイタル 壮麗の先へ!ピアノ演奏の極み」公演を聴きました プログラムは①ラフマニノフ「前奏曲”鐘”」,②同「ピアノ・ソナタ第1番ニ短調」です
この「昼の音楽さんぽ」シリーズの良いところは演奏する曲目をわかり易く解説してくれるところです 自席は1階11列11番,左ブロック右から2つ目です.会場は9割以上入っているでしょうか
朱色の鮮やかな衣装に身を包まれた上原彩子さんが登場,1曲目のラフマニノフ「前奏曲嬰ハ短調作品3-2『鐘』」を演奏します 第12回チャイコフスキー国際コンクール ピアノ部門で女性として,また日本人として初めて第1位を獲得した上原彩子さんから,
「ロシアではどんな小さな街にも教会があり,必ず大小様々な鐘があります ラフマニノフは子供の頃から身近に鐘の音を聴いていたと思います」「ラフマニノフはピアニストとしては歴史上5本の指に入る偉大なピアニストだと思います」
という話があり,音楽ライターの山野氏からは
「ラフマニノフは幼い頃から教会の鐘の音が大好きで,この曲をはじめ,いくつかの作品にその音色が生かされています」
という話がありました.この曲では上原彩子さんらしいダイナミックな演奏が聴けました
2曲目はラフマニノフ「ピアノ・ソナタ第1番ニ短調」です 雄大氏から,
「この曲はコンサートで取り上げられる機会が少ないのですが,その理由は演奏に35分位かかる長い曲であること,そして音符が多いことだと思います 当初は45分もかかる曲だったのを大幅にカットしています.大規模な構想から彼は交響曲にすることも考えたましたが,特に第2楽章がピア二スティックなので断念しました」
という解説があり,さらに,
「この曲は,ゲーテの『ファウスト』に登場する主要人物3人になぞられて着想されたと言われています すなわち,第1楽章『アレグロ・モデラート』が悪魔と契約を結ぶ学者ファウスト,第2楽章『レント』が少女グレートヒェン,第3楽章『アレグロ・モルト』が悪魔メフィストフェレスという具合です しかし,曲が人物を描写しているわけではありません」
「音楽を聴くに当たっては,先入観や固定観念を植え付けないで素直に聴くのが一番だと思いますが,長大で難解なこの曲に関しては以上のような知識を鑑賞のヒントとして頭の隅において聴くと理解しやすいと思います」
と解説しました 上原さんからは,
「最初聴いたときは,難しい曲だと思ったのですが,何回も弾いてみて,身体の中にしっかり入ってきたら面白くなってきました」
と語っていました
第1楽章では上原さんの解説にあった「コラール風」の音楽が聴かれ,第2楽章では息の長いロマンティックなメロディーが心地よく響き,第3楽章では悪魔的なリズムの音楽がダイナミックに演奏されました 自席からは上原さんの指使いが良く見えるのですが,いかに音符が多い曲かが目で見て分かりました 第3楽章に至っては,腰を上げて立ち上がって打ち下ろす姿も見られました
上原さんの演奏を聴いていつも思うのは,3人のお子さんをしっかりと育てながら着実に練習を積んで,繊細かつダイナミックな演奏を聴かせてくれる「地に足を着けたピアニスト」だな,ということです
上原さんはアンコールにリスト「メフィストワルツ」を鮮やかに演奏し,満場の聴衆から大きな拍手を浴びました