人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

プラシド・ドミンゴ主演,ヴェルディ「ナブッコ」を観る~「M ETライブビューイング アンコール2017」

2017年08月11日 07時50分33秒 | 日記

11日(金).わが家に来てから今日で1045日目を迎え,米ワシントン・ポストが9日,トランプ大統領周辺とロシアとの不透明な関係をめぐる疑惑「ロシアゲート」で,米連邦捜査局(FBI)が7月にマナフォート元選対会長の自宅を家宅捜査していたと報じた というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

               北朝鮮からもFBIからも矢が飛んでくる状況にトランプ氏はどうするつもりだろ?

 

                                          

 

昨日,夕食に「豚しゃぶ」「生野菜とサーモンのサラダ」「トマトとミックスビーンズのスープ」を作りました   夏は豚肉がいいですね

 

     

 

                                           

 

昨日,東銀座の東劇でMETライブビューイング,ヴェルディの歌劇『ナブッコ』」を観ました   現在 東劇ではこれまで上映してきた「METライブビューイング」の上映演目の中から傑作オペラを選んで上映中ですが,これはその一つです   今年1月7日に米ニューヨークのメトロポリタン歌劇場で上演された公演のライブ録画映像です   キャストは,ナブッコ=プラシド・ドミンゴ,アビガイッレ=リュドミラ・モナスティルスカ,フェネ―ナ=ジェイミー・バートン,イズマエーレ=ラッセル・トーマス,ザッカ―リア=ディミトリ・ベロセルスキー.管弦楽・合唱=メトロポリタン歌劇場管弦楽団・同合唱団,指揮=ジェイムズ・レヴァイン,演出=エライジャ・モシンスキーです

 

     

 

「ナブッコ」はヴェルディの3作目のオペラ(全4幕)で,公私ともにどん底にあったヴェルディが起死回生を果たした記念すべき作品です   物語は『旧約聖書』に登場する『バビロン虜囚』と呼ばれるエピソードに基づいています

舞台は紀元前6世紀のイェルサレム.暴君ナブッコに率いられたバビロニア軍が迫っている.ヘブライ人たちはナブッコの娘フェネ―ナを人質にしていたが,フェネ―ナはイェルサレム王の甥イズマエーレと恋に落ちていた  ナブッコのもう一人の娘アビガイッレもイズマエーレを愛していたが,彼に拒否され,復讐に燃える   ナブッコが攻め入り,ヘブライ人が敬うソロモンの神殿を焼き払う(以上第1幕)

アビガイッレは,自分がナブッコと正妻の間の娘ではなく,正妻と奴隷の一人との間に生まれた子供だという事実が記された文書を読み,衝撃を受ける   一方,ナブッコはフェネ―ナが敵のユダヤ教に改宗したことを知って激怒し,自分こそ神だと宣言するが,神の怒りを買い稲妻に打たれて失神する   そして,ナブッコへの怒りに燃えるアビガイッレに王冠を奪われる(以上第2幕)

アビガイッレは錯乱したナブッコを巧みに言いくるめ,フェネ―ナを含むヘブライ人たちの死刑宣告書に署名させる   バビロニアに連行されたヘブライ人たちは故郷を懐かしむが,祭司長ザッカーリアはバビロニアの崩壊は近いと皆を励ます(以上第3幕)

アビガイッレに幽閉されたナブッコは,フェネ―ナの処刑を知らせる葬送行進曲の調べに我に返り,ユダヤの神に許しを乞う   部下たちが駆けつけ,ナブッコとフェネ―ナを救出する.ナブッコがバビロニアの神ベルの偶像を破壊するよう命じる   アビガイッレは毒を仰ぎ,ザッカーリアは信仰に目覚めたナブッコを讃える(以上第4幕)

 

     

 

私がこのライブ映像を観るのは今年2月に新宿ピカデリーで観て以来これが2度目ですが,何度観ても歌手陣といい,合唱団といい,オーケストラといい,演出といい,全てが超一流です

主役のナブッコを歌ったプラシド・ドミンゴは,かつてルチアーノ・パバロッティ,ホセ・カレーラスとともに「三大テノール」の一人として世界のオペラ界に君臨していましたが,70歳代半ばになった今では,テノール歌手からバリトン歌手に転向して活躍しています   この公演の時すでに75歳でしたが,とてもそうとは思えないしっかりとした美声を披露していました   「わが音楽人生,テノールがダメならバリトンがあるさ」という生き方を体現しています

他の歌手陣もそれぞれが文句の付けようのない素晴らしさですが,今回 改めて聴いて思ったのは,アビガイッレを歌ったウクライナ生まれのリュドミラ・モナスティルスカの抜群の存在感です   ヴェルディ「アイーダ」のタイトルロールでMETデビューを果たしたそうですが,良く分かります   声に力のあるドラマティック・ソプラノですが,彼女が素晴らしいのは演技力も抜群なところです

このオペラは合唱が大活躍します   とくに第3幕でヘブライ人たちが故郷を偲んで歌う「行け,我が想いよ,黄金の翼に乗って」は,イタリアの第2の国家にもなぞらえている愛唱歌ですが,素晴らしい合唱でした

その第3幕でのことです   合唱団が「行け,我が想いよ,黄金の翼に乗って」を歌い終わると,聴衆の拍手とブラボーが止みません   ここでカメラは指揮をしているジェイムズ・レヴァインの顔の表情を映し出します.満場の拍手を受けて喜色満面の顔でオケに向かって何度か頷き両手を胸に当てます.そして,「これはやらざるを得ないか」といった表情を見せてタクトをとります.次の瞬間「行け,我が想いよ,黄金の翼に乗って」のメロディーが流れ,再度合唱団によってこの名曲が歌われました   2016年まで40年以上もMETの音楽監督を務めてきたレヴァイン(現在は名誉音楽監督)は聴衆を心を良く知っています   もちろん聴衆はこのアンコールに大喜びです

この公演は演出・舞台作りの面でも素晴らしいものがありました   オーソドックスながら重厚感のある舞台でした

なお,この公演を観るに当たり,リッカルド・ムーティ指揮によるCDで予習しておきました

 

     

 

METライブビューイング「ナブッコ」は本日と,9月18,19,26日にも上映されます

 

     

 

2017-18シーズンのプログラムが発表されています  大好きなベッリーニ「ノルマ」から始まります.楽しみです

 

     

     

コメント
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