人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

セルゲイ・パラジャーノフ監督「アシク・ケリブ」「スラム砦の伝説」を観る~サン=サーンス「序奏とロンド,カプリチォーソ」も流れる / 直木賞受賞の佐藤正午さんのインタビューを読んで

2017年08月05日 07時57分01秒 | 日記

5日(土).このブログでも何度か作品をご紹介してきた長崎県佐世保市在住の小説家で,今回「月の満ち欠け」で直木賞を受賞された佐藤正午さんのインタビュー記事が昨日の朝日朝刊「文化・文芸欄」に載っていました   それによると,いつも「ポケモンGO」をしながら,佐世保の街を歩いているそうです   小説家=佐藤正午さんらしいな,と思ったのは次の発言です

「小説家が小説家でいるのは,姿を見せず沈黙したまま世間から忘れられて,一人机に向かっている時です   自分に書く意欲があって,おまけに書かせてもらえる場所があるなら,つらいことは何もありません.怖いのは,自分の中に書く意欲がなくなることだけです」「賞に選ばれたのはありがたいことですが,小説家にとって頼りになるのは自分の中の書く意欲だけ   それは賞を取ろうが取るまいが,関係ありません.現にそうやって,売れない作家を30数年続けてきたんですから,これくらい言っても許してもらえるのではないでしょうか

スマホで「ポケモンGO」をやったりしていると,わざとぶつかって正義を振りかざす傍若無人のヤカラが増えているようです   佐藤さんには十分気を付けてピカチュウなど レア・アイテムをゲットしてほしいと思います

ということで,わが家に来てから今日で1039日目を迎え,中国IT大手騰訊のSNS「QQ」上で利用者と交流する人工知能(AI)キャラクター「ベビーQ」が,ユーザーの「共産党万歳」という書き込みに対し「こんなに腐敗して無能な政治のために万歳できるのか」と返答したり,習近平国家首席が掲げる政治スローガン「中国の夢」について,「あなたの『中国の夢』は何?」と尋ねられて「私の『中国の夢』は米国への移民」と答えた というエポックメイキングなニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

                 中国の人工知能の技術レヴェルは「ベビーQ」じゃなくて「ヘビー級」じゃね!?

 

                                           

 

昨日の夕食は久しぶりにカレーライスを作りました   あとは生野菜サラダです.この写真では気が付きにくいかも知れませんが,カレーライスはお皿,カレー,ライスでライオンの顔を形取っています   お皿は10数年前にミスタードーナツの景品でもらったものです

 

     

 

                                            

 

昨日,早稲田松竹で1924年グルジア(現・ジョージア)トビリシ生まれのアルメニア人セルゲイ・パラジャーノフ監督の映画「アシク・ケリブ」と「スラム砦の伝説」の2本立てを観ました

「アシク・ケリブ」は,貧しい吟遊詩人と富豪の娘の許されぬ恋を描いたパラジャーノフ監督の遺作(1988年・ソ連映画・74分)です

 

     

 

吟遊詩人アシク・ケリブは,領主の娘マグリ・メヘルと恋に落ちる   しかし,彼女の父親は貧しい若者との結婚を許さなかった.詩人は1000の夜と1000の昼の後に帰ると彼女に約束し旅に出る   多くの困難を乗り越えながら冒険を続ける彼の前に,ある日,白馬に乗った聖人が現れ,故郷で待つ恋人が他の男と結婚させられる危機が迫っていることを告げる   アシク・ケリブは聖人に導かれ故郷に帰る

このストーリーは,ロシアの詩人ミハイル・レールモントフのおとぎ話をもとに映画化した作品ですが,映画を観ていて思ったのは,監督はストーリーなどはどうでもいいのではないか,ということです   場面が次々と切り替わり,カラフルな映像が目に入ってきます   少なくともインターナショナルなスタイルに背を向けて,自国の民族に拘った映画作りが感じられます

全編を通じてシタールのようなマンドリンのような楽器による民族色豊かな音楽が鳴り続けていて,はっきり言って”音楽過多”に感じるのですが,映画の序盤でサン=サーンス「序奏とロンド,カプリチォーソ」の冒頭のメロディーが流れたのには驚きました   アルメニアと言えばハヤトゥリアンを思い浮かべるので,意外でした

 

                                           

 

「スラム砦の伝説」は,度重なる敵の侵入のため多大な戦死者を出していた頃の中世グルジアで,予言に基づいて生きたまま砦に埋められた青年の伝説を,1984年に映画化した作品(ソ連映画・83分)です

戦乱の頃の中世グルジアで,皇帝は民との平等を宣言し,祖国を護る砦の建設に立ち上がった   しかし,トビリシの南門のスラム砦だけは何度建造しても破壊されてしまう.スラム砦建設はグルジア民族の宿願となっていた.予言者に砦再建の方法を尋ねると,「青い眼の美しい若者の人柱を砦の壁に埋めろ」と答える.青年は壁に埋められトビリシの伝説となる

 

     

 

この映画は,「アシク・ケリブ」とは違って,ストーリーこそ大事で,パラジャーノフ監督の生まれ故郷のトビリシの伝説に拘って作り上げた作品です   この映画でも民族色溢れる色彩感が強烈です

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