20日(水)。報道によると、フランスのフィリップ首相は、16日に反政権運動「黄色いベスト」が暴徒化して大きな被害が出たことを受け、パリの観光名所シャンゼリゼ通りなどで過激派がデモで暴力行為をした場合、すぐにデモを解散させる措置を今週末から新たに取ると発表したとのこと たしかに「黄色いベスト」を着てデモをやり暴力行為をするのはベストの選択ではないし、来ている人はベスト・ドレッサーとは言えない
昨日、夕食に「トマトと豚肉の重ね蒸し」を作りました これは河野雅子先生のレシピですが、簡単で美味しいです
昨夕、初台の新国立劇場「オペラパレス」でマスネ「ウェルテル」を観ました キャストは、ウェルテル=サイミール・ピルグ、シャルロット=藤村実穂子、アルベール=黒田博、ソフィー=幸田浩子、大法官=伊藤貴之、シュミット=糸賀修平、ジョアン=駒田敏章。管弦楽=東京交響楽団、合唱=新国立劇場合唱団、児童合唱=多摩ファミリーシンガーズ、演出=二コラ・ジョエル、指揮=ポール・ダニエルです
若き詩人ウェルテルは、シャルロットに恋心を抱くが、彼女にはアルベールという婚約者がいることを知り絶望する 数カ月後、アルベールと結婚したシャルロットに、ウェルテルは再び愛を告白するが、シャルロットは彼に町を去るように言う
クリスマス・イヴの夜、ウェルテルからの手紙に心乱れるシャルロットの前にウェルテル本人が現われ、激しく求愛し彼女を抱きしめる
シャルロットは やっとの思いで抱擁を逃れ、永遠の別れを告げる。絶望したウェルテルは自らの命を絶つ
新国立オペラの「ウェルテル」を観るのは2016年4月に次いで今回が2度目ですが、演出は前回と同じ二コラ・ジョエルです
あらすじからも分かるように、このオペラは一人の女性を、結婚してからも諦めきれず、再び愛を告白する一途な若者の姿を描いています これを現代用語で「ストーカー」と言います
でも、そう言ってしまっては、あらゆるオペラが成り立たなくなってしまうので、もう言わないことにします
結論から言えば、今回の公演は主役級の歌手4人が世界レヴェルで、それに加えてポール・ダニエル指揮東京交響楽団が素晴らしい演奏を繰り広げました
まず、主役のウェルテルを歌ったサイミール・ピルグは、ブルネッティやパヴァロッティにも師事した経歴を持つアルバニア生まれのテノールですが、歌も演技も申し分なく、第3幕で 思い出の詩文を読み上げる「オシアンの歌~なぜ私を目覚めさせるのか?」をはじめ、自然で無理のない輝くテノールを聴かせてくれました
シャルロットを歌った藤村実穂子は、バイロイト音楽祭で9年連続出演した実力の持ち主で、決して声を張り上げることがないのに声が良く通り、「世界レヴェルのメゾソプラノ」を証明しました
アルベールを歌った黒田博は、新国立オペラでは日本人作曲家の作品を中心に歌って定評のあるバリトンですが、深みのある歌声で聴衆を魅了しました
シャルロットの妹ソフィーを歌った幸田浩子は、ウィーン・フォルクスオーパーで長年活躍するなど、主に明るく快活な役を中心に歌っていますが、このオペラでも明るい性格のソフィーがピッタリでした
今回の公演で特筆に値する働きをしたのは、イギリス出身のポール・ダニエルのダイナミックかつドラマティックな指揮と、彼のタクトにしっかりと応えた東京交響楽団の演奏です 第1幕冒頭の前奏曲といい、第3幕冒頭の前奏といい、これから起こる悲劇のドラマを暗示するかのような渾身の演奏を展開しました
劇中ではしっかりと歌手に寄り添い、局面に応じてオケ自らが流麗に歌っていました