26日(火)。新聞報道によると、桜田義孝五輪相は25日の参院予算委員会で、地元・千葉県で24日にあった集会で東日本大震災について「国道や東北自動車道が健全に動いていた」などと発言したことが事実誤認だったとして謝罪、撤回したとのこと。この人、本当に日本に住んでいるのか? 新聞を読んだことがあるのか? 選挙で選ばれたのか? 第一 やる気あんのか
昨日、夕食に「ひき肉と野菜のドライカレー」を作りました もはやわが家の(というより私の)定番料理です 何回食べても飽きない味です
昨夕、サントリーホールで東京交響楽団の第668回定期演奏会を聴きました プログラムは①モーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219”トルコ風”」、②ショスタコーヴィチ「交響曲第4番ハ短調作品43」です ①のヴァイオリン独奏はヴェロニカ・エーベルレ、指揮は1982年ポーランド生まれ、米 インディアナポリス交響楽団音楽監督を務めるクシシュトフ・ウルバンスキです
1曲目はモーツアルト「ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調K.219”トルコ風”」です ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)はザルツブルク時代にヴァイオリン協奏曲を5つ作曲していますが、1773年に書かれた「第1番」を除く4曲は1775年(作曲者19歳)に作曲しました 「第5番」は自筆譜に同年12月20日の日付が書かれています。この曲が”トルコ風”という愛称で呼ばれるのは、第3楽章の第3エピソードが当時流行のトルコ風の音楽を模倣しているからです。第1楽章「アレグロ・アペルト」、第2楽章「アダージョ」、第3楽章「ロンド:テンポ・ディ・メヌエット」の3楽章から成ります
曲がモーツアルトの協奏曲ということで、オケは総勢26人の小規模編成です 弦は左サイドにヴァイオリン・セクションを集めるいつもの東響の並びです。コンマスはグレヴ・二キティンです
南ドイツ出身のヴェロニカ・エーベルレが白と黒を基調とするエレガントな衣装で登場、ウルバンスキのタクトで第1楽章に入りますが、彼の足下には指揮台がありません ソリストと同じ目線で曲に臨むということでしょうか 演奏を聴いていて感心するのは、エーベルレのヴァイオリンがどこまでも美しい音色で響いているということです カデンツァはモーツアルト自身の作は現存しません。安田和信氏の「プログラム・ノート」によると、彼女が弾くのはアメリカのピアニストで音楽学者のロバート・レヴィンの作(1992年出版)とのことです 私は初めて聴きましたが、技巧的な曲です。第2楽章は弱音によるカンタービレがクリアで素晴らしい 彼女は弱音を慈しむように丁寧に紡いでいきます 第3楽章を含めて彼女の演奏は、彼女自身の立ち姿のようにエレガントでした
会場いっぱいの拍手にエーベルレは、プロコフィエフの「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調作品115」から第2楽章を優美に演奏し、再び満場の拍手を浴びました
プログラム後半はショスタコーヴィチ「交響曲第4番ハ短調作品43」です この曲はドミトリー・ショスタコーヴィチ(1906-1975)が1935年9月から1936年4月にかけて作曲した20代後期の作品です 36年12月11日、フリッツ・シュティードリ指揮レニングラード・フィルで初演が予定されていましたが、数回のリハーサルの後、作曲者自身により初演は撤回され、結局、以来26年間もの間 陽の目をみることがありませんでした。1961年12月30日にモスクワ音楽院大ホールでキリル・コンドラシン指揮モスクワ・フィルによりやっと初演されました この長い年月に及ぶ延期は純政治的な理由によるもので、当時激しく遂行されたソヴィエトの文化界・芸術界への形式主義批判の大キャンペーンの影響を受けたものであると言われています
第1楽章「アレグロ・ポコ・モデラート~プレスト」、第2楽章「モデラート・コン・モート」、第3楽章「ラルゴ~アレグロ」の3楽章から成ります
オケは管・弦・打楽器とも規模が拡大しフル・オーケストラ態勢となります。管楽器は4管編成です
ウルバンスキのタクトで第1楽章に入ります 冒頭からグロテスクな突拍子もない音楽が展開します。いかにもショスタコーヴィチらしい出だしです そして軍隊行進曲風の音楽が勇ましく展開したかと思うと瞑想的な音楽が続きます ファゴット首席の福井蔵氏のソロが素晴らしい オーボエ首席の荒木奏美さんのソロが冴えています 時にマーラー風の音楽も聴こえてきます ウルバンスキの指揮は、まるでバレエを踊っているようです 第2楽章に入ると、かなりマーラー色が強くなってきます 第3楽章は何でもありです 葬送行進曲が福井氏のファゴットから荒木奏美さんのオーボエへ、そして甲藤さちさんのフルートへと受け継がれていきますが、3人のソロは聴きごたえがありました そうかと思うと、急にオペレッタのアリアみたいな音楽が登場、油断しているとワルツやポルカ風の音楽が流れてきて、極めつけはモーツアルト「魔笛」のパパゲーノの笛のメロディーまで登場します 「パロディーの巨匠 ショスタコーヴィチ」の面目躍如といったところです 万華鏡のように目先の音楽がクルクル変わり、次の展開が読めないという意味では、マーラーとよく似ていますが、ショスタコーヴィチはマーラーだってここまではやらない、ということを平気でやってのけます
第3楽章のフィナーレは、マーラーの交響曲第9番のように静かに静かに曲を閉じます ウルバンスキのタクトが止まったまま、しばしの”しじま”を経て、タクトが降ろされると、会場のそこかしこからブラボーがかかり、満場の拍手がステージに押し寄せます
この日の東響は、管楽器も 弦楽器も 打楽器も 渾身の演奏で、ウルバンスキの切れ味鋭いタクトに応えていました
サントリーホールから地下鉄南北線「六本木1丁目駅」に行く途中のスペイン坂では 夜桜がお見送りしてくれました 春爛漫 酒は黄桜