19日(火)。新聞報道によると、米運輸当局がハンドルのない自動運転車の公道走行の認可について広く意見を集めるパブリックコメントを始めることが分かったとのこと ハンドルがない状態で自動運転することには 手放しで賛成は出来ませんね
昨日、夕食に「ビーフ・カレー」を作りました アメリカン・ビーフのブロック肉を使ったのでちょっと硬かったですが、美味しかったです
昨日、新国立劇場友の会「クラブ・ジ・アトレ」から「オペラ『フィレンツェの悲劇/ジャンニ・スキッキ』ゲネプロ見学会のご案内」が届きました これは友の会のポイントアップ特典の「抽選アイテム」に応募しておいたのが当選したものです
ツェムリンスキー『フィレンツェの悲劇』とプッチーニ『ジャンニ・スキッキ』のダブルビル公演のゲネプロ(ゲネラールプロ―ベ:本番の衣装を着けて舞台上で歌い演じる総舞台リハーサル)はオペラパレスで4月5日(金)午後2時から開始予定です
私は その2日後の7日(日)午後2時からのプルミエ公演(初日)を観るので、同じ公演を2度観ることになります
昨夕、すみだトリフォニーホールで新日本フィル「プレシャス・ストーン(NJP特典コンサート)」を聴きました これは新日本フィルの定期会員向けの無料招待コンサートです
プログラムは①グリエール「プレリュードとスケルツォ 作品32」、②同「インテルメッツォとタランテラ 作品9」、③ブラームス「クラリネット・ソナタ ヘ短調作品120‐1」、④同「クラリネット・ソナタ変ホ長調作品120-2」、⑤J.ダドウル「スノーブラインド」です
当初のプログラムから①②と③④の順番が入れ替わっています
①②のコントラバス独奏=藤井将矢、③のクラリネット独奏=中館壮志、④のクラリネット独奏=マルコス・ぺレス・ミランダ、⑤のパーカッション独奏=腰野真那、①~⑤のピアノ伴奏=上岡敏之です
自席は1階15列14番、センターブロック左から2つ目です 会場は9割以上埋っていると思われます。無料招待コンサートとはいえ良く入りました
1曲目はグリエール「プレリュードとスケルツォ 作品32」です この曲はグリエール(1875-1956)が1908年に作曲した作品です
福岡県出身の新日フィルのコントラバス奏者・藤井将矢氏が指揮者・上岡敏之氏とともに登場、さっそく演奏に入ります と言っても、上岡氏は指揮をするわけではなくピアノを弾きます
はっきり言って、彼のピアノ演奏はプロ並みというよりはプロです
この曲は初めて聴く作品ですが、同じ低音楽器のチェロと違って演奏が重い感じがします さらに曲自体が起伏の少ない作品なので集中力が削がれます
2曲目の「インテルメッツォとタランテラ 作品9」は歌うような旋律で始まり、速いパッセージに移る形式なので面白く聴くことができました
一昨日のブログに書いた通り、ヨハネス・ブラームス(1833-1897)がクラリネット曲を書いたのは、1891年3月にマイニンゲンを訪れた際に現地のオーケストラでクラリネットを吹いていたミュールフェルト(1856-1907)の演奏を聴いて深い感銘を受けたからです ブラームスはその年の夏に「クラリネット三重奏曲作品114」と「クラリネット五重奏曲作品115」を作曲し、その後、1894年夏に保養地バート・イシュルで、ミュールフェルトのために2曲の「クラリネット・ソナタ作品120」を書き上げました
言うまでもなく、ミュールフェルトはこの曲の初演を行いました
「クラリネット・ソナタ ヘ短調作品120‐1」は第1楽章「アレグロ・アパッショナート」、第2楽章「アンダンテ・ウン・ポコ・アダージョ」、第3楽章「アレグレット・グラツィオーソ」、第4楽章「ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります
茨城県出身の新日フィル副主席クラリネット&Esクラリネット奏者・中舘壮志氏が上岡氏とともに登場、さっそく演奏に入ります 中舘氏の演奏は、ブラームス晩年の寂寥感は感じられず、どちらかというと明るい壮年期の音楽のように聴こえました
あれもブラームス、これもブラームスです
次の曲は「クラリネット・ソナタ変ホ長調作品120-2」です 第1楽章「アレグロ・アマービレ」、第2楽章「アレグロ・アパッショナート」、第3楽章「アンダンテ・コン・モート」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります
スペイン出身の新日フィル副主席クラリネット&バスクラリネット奏者、マルコス・ぺレス・ミランダ氏が上岡氏とともに登場、さっそく演奏に入ります 彼の演奏は押しの強い説得力のあるもので、音楽の流れが自然に感じました
あれもブラームス、これもブラームスです
プログラム後半は J.ダドウル「スノーブラインド」です ステージ中央にはシロフォン、マリンバ、木魚などの打楽器が並べられています
群馬県出身、2016年新日フィル入団の越野真那さんが上岡氏とともに登場、さっそく演奏に入ります 越野さんは両手にマレットを2本ずつ持って、シロフォンを中心に新幹線並みのスピードで演奏します
曲想としてはミニマル・ミュージックのようでもあり、そうでもないようでもありの不思議な曲です
次の楽章はピアノによるゆったりした音楽から始まり、マリンバが活躍します
そして3つ目の楽章では再びシロフォンを中心にボーイング社のジェット旅客機並みのスピードで演奏します
上岡氏は右手で指揮をする仕草を見せながらピアノを弾きます
まさに指揮者のピアノ演奏です
聴く前は「いったいどんな曲なんだろうか」と思っていましたが、コンサートの最後を飾るのに相応しいエキサイティングで楽しい演奏でした
会場のそこかしこからブラボーがかかり、カーテンコールが繰り返されました
上岡敏之氏は2016年9月から新日本フィルの第4代音楽監督を務めていますが、前述のとおりピアノの腕前はプロ並みというよりはプロです それは彼のドイツの歌劇場での地道な経験があるからだと思います
それにしても、作曲家に応じて弾き分ける手腕には舌を巻きます
この日のプログラミングは多分 上岡氏によるものだと思いますが、普段は縁の下の力持ち的な役割に徹しているコントラバス奏者や打楽器奏者を表舞台に登場させ、自らは引き立て役に徹しているところは流石と言うしかありません
さて、最後に書いておきたいことが一つあります
入口で配布された2つ折りのプログラムには 曲名、演奏者、各作品の演奏時間の目安、出演者のプロフィールが載っていますが、曲目解説は一切ありません ブラームスの2曲は有名なので まだ良いのですが、グリエールの2曲とJ.ダドウルの曲は ほぼ99パーセントの人が知らないだろうし一度も聴いたことがないのではないかと推測します
ダドウルの「スノーブラインド」に至っては三省堂の「クラシック音楽作品名辞典」にも載っていないし、ネットで検索してもヒットしません
そもそもJ.ダドウルってどこの国のどういう時代の作曲家なのでしょうか。まったく情報がありません
「無料招待コンサートなんだから、曲目解説を載せるサービスまでやる必要はない」という徹底的な合理主義と、「足を運んでくれた定期会員には最良の演奏で期待に応えたい
」という出演者の意識とのギャップを埋める方法を、私は思いつきません
これを機会に 定期会員が増えこそすれ 減ることはないことを願って止みません