人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

カラヤンとバーンスタイン 〜 NHKクラシック音楽館から / ジャン=ポール・べルモンド主演「リオの男」を観る 〜 スピルバーグ監督「インディー・ジョーンズ」に影響を与えた冒険活劇

2021年05月17日 07時21分40秒 | 日記

17日(月)。普段はテレビを観ないのですが、昨夜NHKーEテレ「クラシック音楽館」でカラヤンとバーンスタインを取り上げていたので、思わず2時間みっちり観てしまいました 観ていて気が付いたことをランダムに書き出してみたいと思います

最初に演奏されたのはヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリン・フィルによるチャイコフスキー「交響曲第6番”悲愴”」で、1973年12月、フィルハーモニーでのライブ録画です

ロマンスグレイのカッコいい紳士といったいで立ちのカラヤンは、終始 目を閉じて指揮をします しかも動かすのは腕を中心とする上半身だけで、下半身は固定されているかのように動きません 演奏中の表情はナルシストという言葉がピッタリです 当時、カラヤンが目を閉じて指揮をする理由について、アンチ・カラヤン派は「彼は楽譜が読めないんだよ」という辛辣な批判を浴びせていました しかし、ベルリン・フィルはカラヤンのオケなので、リハーサルでみっちり仕込んであるから、本番ではリハーサル通りに再現すれば良いというのが実情のようです 音楽を聴いていると、あくまでも美しく響かせることに主眼を置いているように感じます 弦楽器の弓が揃っていて、見た目も美しさを求めているかのようです オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという並びです。コンマスは誰か分かりません。見渡す限り、オケに女性奏者は一人もいません ヴィオラに日本人初のベルリン・フィル奏者、土屋邦雄氏が確認できました 全体的に一糸乱れぬ整然とした演奏で、様式美さえ感じました

次に演奏されたのは、レナード・バーンスタイン指揮ウィーン・フィルによるマーラー「交響曲第5番」で、1972年4月~5月、ウィーン楽友協会でのライブ録画です

ロマンスグレイのカッコいいヤンキー紳士といったいで立ちのバーンスタインは、楽譜を見て指揮をします これは意外でした。マーラーはバーンスタインの十八番なので、てっきり暗譜で指揮すると思っていました オケはベルリン・フィルと同様の配置です。コンマスはゲルハルト・へッツェルです。彼は優秀なヴァイオリン奏者でしたが、ザルツブルク近郊の山岳事故で死去しました その臨席にいるのはへッツェルの跡を継いだ若き日のライナー・キュッヒルです ウィーン・フィルも女性奏者が一人もいません 今では考えられませんが、1970年代前半のオーケストラはこれが普通だったということです バーンスタインはカラヤンと違って、タクトと アイコンタクトを使って指揮をし、激しく動き回ります 第4楽章のアダージェットでは極めてゆったりしたテンポで歌わせたかと思うと、第4楽章フィナーレではオケを煽り立て高速演奏を求めます その結果、終演後は指揮者もオケの楽員も汗だくになります 全体的にダイナミックで熱量の高い演奏でした

つくづく、その会場にいた聴衆が羨ましいと思いました 私はカラヤン ✕ ベルリン・フィルは東京(普門館!)で聴いたことがありますが、バーンスタインはありません 一度でいいからライブで聴いてみたかったと思います

ということで、わが家に来てから今日で 2319日目を迎え、気象庁は15日、九州北部と四国、中国が梅雨入りしたとみられると発表したが、統計を取り始めた1951年以降、四国は最も早く、九州北部と中国は2番目に早い梅雨入りとなった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     偏西風が平年より北側に寄っているのが原因らしい  そんなこととはツユ知らず・・

 

         

 

昨日、新宿武蔵野館でフィリップ・ド・ブロカ監督による1964年製作フランス・イタリア合作映画「リオの男」(116分)を観ました

フランス空軍パイロットのアドリアン(ジャン=ポール・べルモンド)は1週間の休暇をもらい、恋人アニエス(フランソワーズ・ドルレアック)に会うためパリへやってくる しかし、博物館に展示されていたアマゾン古代文明の土像の盗難事件に伴い、土像の発見者の娘であるアニエスが誘拐されてしまう 犯人がアニエスをブラジル行きの飛行機に乗せようとしているのを目撃したアドリアンは、とっさにその飛行機に乗り込む 盗まれた土像は全部で3体あり、すべて揃えれば財宝の隠し場所が分かると言い伝えられていた アドリアンは土像の秘密を暴いてアニエスを無事救出するべく奮闘する

 

     

 

昨年秋の「ジャン=ポール・ベルモンド傑作選」の際に「次に観たいベルモンド出演作」を募る「ベルモンド映画総選挙」を実施した結果、断トツの第1位を獲得したのが本作「リオの男」だそうですが、よく分かります 主人公のアドリアンがブラジルを舞台に、古代文明の秘宝を巡り、陸に、海に、空に大活躍する冒険活劇です 秘宝を巡る大冒険ということで既視感があると思ったら、スティーブン・スピルバーグ監督の「インディー・ジョーンズ」シリーズでした スピルバーグは本作を「劇場で9回観た」と絶賛しているそうで、明らかにこの作品の影響を受けています

恋人アニエスを演じたフランソワーズ・ドルレアックは、ジャック・ドゥミ監督による1967年製作映画「ロシュフォールの恋人たち」のソランジェ役で、実妹のカトリーヌ・ドヌーヴとともに姉妹役で出演していましたが、ドヌーヴそっくりです わがままいっぱいで常にアドリアンを振り回すマドモアゼルを魅力的に演じています 現地の人たちと踊るテンポの速いダンスは見ものです

本作をはじめベルモンド映画が素晴らしいのは、現代の冒険アクション映画のように迫力あるシーンをCGで誤魔化すことがなく(そもそもCGがなかった)、本人が体当たり演技をしているところです 一歩間違えれば大怪我を負うか命の危険を伴うシーンに果敢に挑戦しているところです

ところで、今回の上映作品の字幕を松浦美奈さんが新たに手掛けていますが、5月14日付の朝日夕刊に掲載の石飛編集委員の記事によると、松浦さんは「(翻訳していて気付いたのは)教科書のような正統なフランス語だったんです 今のフランス語はスラング(俗語)だらけになっています 言葉ってこんなに変化するんだと感じました」と語っています 私は大学時代に第2外国語としてフランス語を習っただけですが、それでもジャン=ポール・ベルモンドの話し方を聴いていると、明瞭なフランス語を感じます

ということで、今日は「エースの中のエース」を観に行きます

 

     

コメント (2)
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