28日(金)。わが家に来てから今日で2330日目を迎え、北朝鮮の朝鮮中央通信は27日、平壌で25〜26日、労働団体「朝鮮職業総同盟」の第8回大会が開催されたが、金正恩朝鮮労働党総書記が大会参加者らに宛てた25日付の書簡で、反社会主義行為に対する「集中掃討戦」を展開し、職場での思想教育を徹底するよう指示した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
「集中掃討戦」とは「相互監視の強化」のこと つまり国民は全員スパイということ
昨日、夕食に「ビーフカレー」と「生野菜とアボカドのサラダ」を作りました ビーフは例によって牛バラ肉ですが、美味しいです
昨日、岩波ホールで旧ユーゴスラビア(現・北マケドニア)出身の女性監督テオナ・ストゥルガル・ミテフスカによる2019年製作 北マケドニア・ベルギー・スロベニア・クロアチア・フランス合作映画「ペトル―ニャに祝福を」(100分)を観ました
北マケドニアの小さな町、シュティブに暮らす32歳のペトル―ニャ(ゾリツァ・ヌシェヴァ)は、美人でもなく恋人もおらず、大学を出たのに仕事はウェイトレスのアルバイトしかない ある日、主義を曲げて臨んだ裁縫関係の会社の面接でも、セクハラを受けた上に不採用になってしまう
その帰り道、ペトル―ニャは地元の伝統儀式に遭遇する。それは、司祭が川に投げ入れた十字架を男たちが追いかけ、手に入れた者には幸せが訪れるというものだった
ペトル―ニャは思わず川に飛び込み十字架を手にするが、女人禁制の宗教儀式に参加したことで男たちから猛反発を受けてしまう
彼女は警察に連行され、十字架を返すように説得されるが頑固として拒否する
テレビ局の女性リポーターは絶好のスクープとばかりに彼女と彼女の家族にインタビューを仕掛ける
ペトル―ニャが十字架を取ったのは、「幸せになる権利は私にもあるはず」と思い、ただ「仕事が得られる幸運」が欲しかっただけです ペトル―ニャは家では母親から何かと干渉され、母親の束縛から逃れたいと思っています
それには定職に就いて独立するのが一番ですが、大学で歴史を学んだだけでは就職には何の役にも立たないのです
テレビ局の女性リポーターは、この小さな事件をきっかけに「女人禁制」の名のもとに、この国で宗教上も女性が差別されてきた実態を暴こうと奮闘します
このリポーターこそテオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督の分身と言えます
もう一人、彼女の味方がいます。警察署での取り調べの際、供述をタイプ打ちする男性警察官が、何かと彼女に気づかいしてくれます
彼はペトル―ニャは何も悪いことをしていないと信じています
そういうこともあってでしょうか、ペトル―ニャは最後に十字架を司祭に返します。多分、彼女は「幸運」は十字架という「物」を持っているから訪れるものではない、と気付いたのだと思います
ただ、この小さな事件によってペトル―ニャが仕事に就く幸運に恵まれたわけではありません まだまだ彼女の戦いは続くのです
しかし、これは北マケドニアに生きる女性に限った話ではありません
この映画は世界中の女性に向けたテオナ・ストゥルガル・ミテフスカ監督からのエールです