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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

フラレ・ピーダセン監督「わたしの叔父さん」を観る 〜 まるでドキュメンタリーのように描いたデンマークの田舎の叔父と姪の物語:新文芸坐

2021年05月30日 07時05分14秒 | 日記

30日(日)。わが家に来てから今日で2332日目を迎え、米ヤフーは29日、国際オリンピック委員会(IOC)が東京五輪に参加する選手らに求める同意書を入手したが、「新型コロナウイルスや猛暑で死亡した場合も自己責任」という項目が加わっていることが分かり、IOCの無責任体質が世界中で大きな波紋を呼んでいる  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     これで「安心・安全」のオリンピックと言えるのか? 選手は参加したいと思うか?

 

         

 

今日は朝食のご紹介です 最近、近くにベーグル屋さんがオープンしたのですが、午前11時開店で商品がなくなり次第閉店という店で、開店前から行列ができる人気店です 昨日、20分前から並んでやっと買うことができました 十数種類のベーグルがありますが、「2種のチーズ」と「照り焼きチキン」を買いました

 

     

 

下の写真は「照り焼きチキン」ですが、とても美味しく、ボリュームがあるので1個で満腹になりました デザートは今までイチゴでしたが、店頭から消えたので、ビタミン等が多く含まれるキウイにしました あとはUCCのドリップコーヒーです

 

     

 

         

 

昨日、新文芸坐でフラレ・ピーダセン監督による2019年製作デンマーク映画「わたしの叔父さん」(110分)を観ました

幼い頃に両親を亡くし、足の不自由な叔父(ぺーダ・ハンセン・テューセン)と2人で暮らす27歳の女性クリス(イェデ・スナゴー)は、稼業である酪農の仕事を手伝いながら日々を穏やかに淡々と過ごしていた そんな彼女には獣医になるという夢があった。ある時、教会で出会った青年マイク(トゥーエ・フリスク・ヒーダセン)からデートに誘われたクリスは、訪れる変化に戸惑いながらも胸のときめきを隠せないでいた 将来の夢と恋に悩むクリスに気付いた叔父は、姪の幸せを静かに後押しするが、クリスが留守中、叔父は倒れてしまう

 

     

 

【以下 ネタバレ注意】

まるでドキュメンタリーを観ているようです クリスは朝5時半の目覚まし時計に起こされて身支度をし、叔父を起こして着替えさせ、朝食を作って2人で食べ、牛の世話をして 作物を刈り取り、1週間に1度は車でスーパーに買い出しに出かけ、叔父はテレビのニュースを観ながら、クリスは本を読みながら夕食を取り、眠くなってベッドに着く・・・そんなデンマークの田舎の酪農家の叔父と姪のルーティーンが淡々と描かれています 2人はほとんど演技をしているように見えません それもそのはず。実は2人は本当の叔父と姪なのです 叔父のぺーダ・ハンセン・テューセンは酪農家で、映画の舞台となっているのは彼の牛舎・農場だそうです。また、クリスを演じたイェデ・スナゴーは俳優になる前は獣医だったそうです まさにこれ以上ない組み合わせです

物語の中盤で、なぜクリスは叔父と2人で暮らしているのかが明らかになります クリスが高校を卒業する時、父親が、事故で死んだ母親とクリスの兄弟の後追い自殺をしたため、クリスだけが残され、叔父が引き取ったのです だからこそ、クリスは叔父を残して自分だけ幸せになる訳にはいかないのです そんな彼女の苦悩を知った叔父は、彼女が獣医になりたいという夢を抱いていることを知って、彼女の誕生日に聴診器をプレゼントしたりして気持ちを後押しします

可笑しかったのは、クリスがマイクと初めてデートをした時のシーンです なぜか叔父もテーブルに着いて3人で食事をしています また、映画を観に行った時もクリスの隣には叔父がポップコーンを食べながら映画を観ています マイクの迷惑そうな顔と叔父のどこ吹く風といった表情が対照的です

マイクが「いつまでも叔父さんと2人暮らしをしているわけにはいかないよ」とクリスに言いますが、クリスはその時マイクが酒気帯びだったので「一人にしておいて」と彼を拒否します。クリスだってマイクの言いたいことは判っているのですが、命の恩人を1人残して家を出る決断は そう簡単には出来ないのです

映画は、食事中にテレビが故障して映らなくなってしまい、2人が顔を見合わせるシーンで突然終わります これからは食事中にテレビを観る代わりに、2人が対話によってそれぞれの今後の生き方を決めていくことになる、という監督の意図が表れているように思いました

この映画にはテーマミュージックやBGMは一切ありません ただただ静かに物語が進行します。無音の中、エンドロールが流れているとき、「ああ、いい映画を観たな」と思いました

この作品は2019年の第32回東京国際映画祭コンペティション部門で最高賞に当たる東京グランプリを受賞しています

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