人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

井上道義 ✕ 辻彩奈 ✕ 石丸由佳 ✕ 東京都交響楽団でサン=サーンス「ヴァイオリン協奏曲第3番」「交響曲第3番」他を聴く ~ 都響定期Cシリーズ公演 / 映画館求めて「越境移動」

2021年05月19日 07時21分54秒 | 日記

19日(水)。昨日の日経朝刊・文化欄に「映画館求めて『越境移動』~コロナ休業要請、効果に疑問」という見出しの記事が載っていました 超訳すると、

「演劇はOKなのに、映画館はNGー。緊急事態宣言の延長を受けた東京都の休業要請を巡り、文化芸術関係者に憤りが広がっている 休業要請の対象業種の線引きが曖昧なうえ、施設が開館している隣県に都民が『越境移動』する事例もあり、人の往来を抑える効果に疑問が残る 映画施設などの団体でつくる全国興行生活衛生同業組合連合会の佐々木伸一会長は、『これまで観客側からは一人のクラスターも出していない 緊急事態宣言下の都府県の近隣施設では大幅な動員の上昇が見られる むしろ”人流”の増加につながる可能性さえある』と反論する 文化庁の都倉俊一長官は『こういう理由だからこの業種は休業、という説明ぐらいはしてもらいたい』と苦言を呈する 都内の国立博物館や国立美術館は一旦、12日に開館すると公表したが、10日夜の都の強い要請を受けて休業継続に転じた。博物館や美術館が集まる台東区の上野公園では、閉館している目と鼻の先にある東京文化会館で公演が開かれる 『それでは現場は納得できない』と都倉長官。効果も理由も分からない対策では人は動かない。信頼を取り戻すための丁寧な説明が都には求められている

都の施策は矛盾だらけで合理性がない 都知事をはじめ都の幹部は、真面目に感染対策に取り組んでいる映画館や美術館等の実情を、自分の目で確かめたらどうかと思います

ということで、わが家に来てから今日で2321日目を迎え、総務省は17日、「NHK受信料を支払わない方法を教える党」が「古い政党から国民を守る党」(略称=古い党)に党名を変更する届け出があったと発表したが、同党は2020年12月に「NHKから国民を守る党」から「NHKから自国民を守る党」に、21年2月には「NHK受信料を支払わない方法を教える党」に党名を変更していた  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     どうせなら党名をコロコロ変える「日和見党」(略称=ひより党)にしてはどうか

 

         

 

昨日、夕食に「鮭のバターソテー」「イカ刺し」「生野菜とツナのサラダ」「豆腐とワカメの味噌汁」を作りました 鮭は弱火でじっくり焼いたので柔らかくて美味しかったです

 

     

 

         

 

昨日、東京芸術劇場コンサートホールで東京都交響楽団「第927回定期演奏会Cシリーズ」公演を聴きました プログラムは①サティ:バレエ音楽「パラード」、②サン=サーンス「ヴァイオリン協奏曲 第3番 ロ短調 作品61」、③同「交響曲 第3番 ハ短調 作品78」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=辻彩奈、③のオルガン独奏=石丸由佳、指揮=井上道義です

 

     

 

     

1曲目はサティ:バレエ音楽「パラード」です この曲はエリック・サティ(1866‐1925)がジャン・コクトーの台本をもとにロシア・バレエ団の主宰者ディアギレフのために1916年に作曲、翌17年5月にパリのシャトレ座でエルネスト・アンセルメの指揮で初演された1幕もののバレエ曲です

相場ひろさんのプログラムノートによると、台本は次のようなものとなっています

「ある日曜日のパリ、ミュージック・ホールの呼び込みをするパレードが街をにぎわせる 3人のマネージャーに付き添われて、中国人の奇術師、水兵服を着たアメリカ人の娘と軽業師たちが次々と登場し、演目のさわりを披露する 群衆はその光景に惹きつけられるが、客寄せを本番と取り違えて会場に入ろうとしない マネージャーたちが疲労困憊して倒れてしまうと、今度は芸人たちが呼び込みを始める

音楽は「コラール」「赤い幕の前奏曲」「中国人の奇術師」「アメリカ人の娘」「蒸気船のラグタイム」「軽業師たち」「終曲」「赤い幕の前奏曲の続き」と続きます

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつもの都響の並び。コンマスは矢部達哉です ヴィオラの首席には元・新日本フィル首席の篠崎友美さんが控えています チェロの首席に控えているのは ひょっとして葵トリオの伊東裕君か

舞台下手には、サイレン、タイプライター、ルーレット、ピストル、ブテイフォン(音程のあるボトル15本)、フラックソノール(大きなボウルの中の水をはじく)などの”あり得ない楽器”が勢ぞろいしています    指揮台と各弦楽セクションとの間には透明なアクリル板が立てられ、コロナ感染予防策が講じられています

井上道義の指揮で荘重なコラールが開始されますが、しばらくすると、けたたましくサイレンが鳴り響きます すると今度は、打楽器奏者がティンパニのような形の透明なボウルに張った水を両手で叩いて音を出します 周囲をビニールで囲ってあるので水は外に出ませんが、奏者は顔も衣装もびしょぬれです ここで「いよ~、水も滴るイイ男」とかけ声がかかるところですが、コロナ禍のため発声が禁じられているのが悔しいところです 「風邪でもひいたら大変だな」などと同情していると、今度は別の打楽器奏者が二丁拳銃を持ち出して、指揮者の井上に向けて発砲します 井上は巧みに弾を避けながら指揮をしますが、最後の一発が当たり倒れかかります こういう演出は井上ならではのギャグです 音のパッチワークみたいな面白い曲でした エキセントリックな曲にはエキセントリックな指揮者がピッタリです

2曲目はサン=サーンス「ヴァイオリン協奏曲 第3番 ロ短調 作品61」です この曲はカミーユ・サン=サーンス(1835‐1921)が1880年に作曲、同年10月15日にハンブルクでサラサーテのヴァイオリン独奏により初演されました 第1楽章「アレグロ・マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「アンダンティーノ・クァジ・アレグレット」、第3楽章「モルト・モデラート・エ・マエストーソ ~ アレグロ・ノン・トロッポ」の3楽章から成ります

ソリストの辻彩奈は1997年岐阜県生まれ。2016年モントリオール国際音楽コンクール第1位の実力者で、現在、東京音楽大学アーティストディプロマの特別特待奨学生です

井上の指揮で第1楽章に入りますが、冒頭、辻の力強い第1主題が奏でられます 一瞬のうちに聴衆を作品に惹きつける渾身の演奏は流石です オーボエとフルートの素晴らしい演奏が彼女を支えます 第2楽章はまるで舟歌のような穏やかで優しい曲ですが、辻は一音一音を丁寧に紡いでいきます 第3楽章では独奏ヴァイオリンとオケとの対話が素晴らしく、フィナーレでは楽しそうに演奏していました

満場の拍手に、辻はアンコールに権代敦彦「Postumーソロ・ヴァイオリンのための」より「Ⅱ」を超絶技巧を駆使して演奏、再び大きな拍手を浴びました

 

     

 

プログラム後半はサン=サーンス「交響曲 第3番 ハ短調 ”オルガン付き” 作品78」です この曲は1886年に作曲、同年ロンドンで初演されました 第1楽章前半部「アダージョ ~ アレグロ・マエストーソ」、第1楽章後半部「ポコ・アダージョ」、第2楽章前半部「アレグロ・モデラート」、第2楽章後半部「マエストーソ ~ アレグロ」という構成になっています

オルガン独奏の石丸由佳はシャルトル国際オルガンコンクールで優勝しています

芸劇のパイプオルガンはバッハでなくサン=サーンスということで、バロック面ではなくモダン面が顔を見せています

井上の指揮で第1楽章の演奏に入りますが、この曲はオルガンが入ってくるとゾクゾクします     この曲でもオーボエとフルートの演奏が冴えわたっています    第2楽章の後半に入るところでオルガンが輝かしい演奏を繰り広げますが、ここはこの曲のハイライトです     まるで勝利の音楽みたいに響きます   サン=サーンスはオルガニストでもあったので、どのように鳴らせば人々の心をつかむことが出来るのかがよく理解できていたのだと思います フィナーレはオケとオルガンの総力を挙げた渾身の演奏が展開されました この曲は何回聴いてもスカッとします

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