人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

アンドリュー・リットン ✕ 金川真弓 ✕ 東京都交響楽団でバーンスタイン「セレナード」、コープランド「交響曲第3番」他を聴く

2022年06月01日 07時08分10秒 | 日記

6月1日(水)。わが家に来てから今日で2698日目を迎え、ロイター通信によると、ウクライナのベネディクト検事総長は31日、訪問先のオランダ・ハーグで記者会見し、ロシア軍の戦争犯罪の容疑者600人以上を特定し、うち約80人の訴追手続きを始めたと明かした  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     戦争のどさくさに紛れてやりたい放題の事をやったロシア兵は罪を償うのが当然だ

 

         

 

昨日、夕食に「丸ごとピーマンの肉巻き」「生野菜とツナのサラダ」「もやしの味噌汁」を作りました 「丸ごと~」は初挑戦ですが、美味しく出来ました

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで「東京都交響楽団 第952回定期演奏会 Bシリーズ」を聴きました プログラムは①シンディ・マクティー「タイムピース」、②バーンスタイン「セレナード」、③コープランド「交響曲第3番」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=金川真弓、指揮=アンドリュー・リットンです

都響も今月から新年度です 席替えをして1階センターブロックの前の方に移りました。オケの人たちの顔が見えるのは良いのですが、通路側ではなく3つ入った席なので窮屈な感じがします まあ、そのうち慣れるでしょう

 

     

 

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろのコントラバスという いつもの都響の並び。コンミスは四方恭子です

指揮を執るアンドリュー・リットンは1959年 ニューヨーク生まれ。現在ニューヨーク・シティ・バレエ音楽監督、シンガポール響首席客演指揮者、ボーンマス響桂冠指揮者などを務めています

ここだけの話、私はリットンにはあまり良い印象がありません というのは、もうかなり前のことですが、彼が東京交響楽団を指揮してベートーヴェン「運命交響曲」を演奏するのを聴いたことがあります 終始速めのテンポで押し通し、力強さを見せましたが、実にあっけらかんとして何の感慨もありませんでした それ以来、リットンのコンサートは避けてきました。しかし、今回は定期演奏会なので避けようがありません 幸か不幸か今回は古典派ではなくオール・アメリカン・プログラムなので半分期待して臨みます

1曲目はマクティー「タイムピース」です この曲はシンディ・マクティー(1953~)がダラス交響楽団の100回目のシーズン記念委嘱作品として作曲、2000年2月17日にリットンの指揮で初演されました

リットンが登場して指揮台に上りますが、リットンも歳をとったな~と思いました それにかなり太ったな~と

曲は非常に分かりやすい曲想で、ちょっとバーンスタイン風だったり、ちょっとジャズっぽかったりで、金管大活躍のいかにもアメリカを感じさせる曲でした

2曲目はバーンスタイン「セレナード」です この曲はレナード・バーンスタイン(1918ー1990)がクーセヴィツキー財団からの委嘱により、プラトンの「饗宴」に基づいて1953年から54年にかけて作曲、1954年9月12日にヴェネツィア音楽祭で、アイザック・スターンの独奏により初演されました 楽器編成は独奏ヴァイオリン、弦楽合奏、打楽器、ハープです 第1楽章「ファイドロスとパウサニアス」(レント ~ アレグロ・マルカート)、第2楽章「アリストファネス」(アレグレット)、第3楽章「エリュクシマコス」(プレスト)、第4楽章「アガトン」(アダージョ)、第5楽章「ソクラテス、アルキビアデス」(モルト・テヌート ~ アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ)の5楽章から成ります

ヴァイオリン独奏の金川真弓はドイツ生まれ。4歳から日本でヴァイオリンを始め、ニューヨークを経て、12歳でロサンゼルスに移る。現在はベルリンを拠点に演奏活動を展開する 2018年ロン=ティボー=クレスパン国際コンクール第2位及び最優秀協奏曲賞を受賞、2019年チャイコフスキー国際コンクール第4位という実力者です

管楽器が退場した後のオケを眺めていたら、左サイドに自称「手酌系ハーピスト」高野麗音さんを発見 演奏が終わったら晩酌をやるんだろうな、などとあらぬことを考えてしまいました

第1楽章が金川真弓のヴァイオリン独奏で開始されます 凛とした美しさを感じさせます その後、弦楽合奏と合流しますが、そのハーモニーがまた美しい 第3楽章「プレスト」はかなり速いテンポで走り抜けます 第4楽章では一転、噛みしめるように歌います 聴きどころは第5楽章です。独奏ヴァイオリンと弦楽オケ・打楽器との丁々発止のやり取りで、酒宴の賑わいが展開します そして勢いそのままに華麗なフィナーレに突入します。金川真弓の鮮やかな演奏でした リットン ✕ 都響がピタリとつけました

この第5楽章を聴きながら、私は五嶋みどりの「タングルウッドの奇跡」を思い出していました   1986年、当時14歳だった五嶋みどりがアメリカのタングルウッドで行われた音楽祭でバーンスタインの「セレナード」を演奏した時、ハプニングが起こりました    彼女は子供用のヴァイオリンを弾いていたのですが、第5楽章の演奏中に弦が切れてしまい、コンマスのヴァイオリンと交換して弾き続けました しかし、また弦が切れてしまいました 再びコンマスが弾いていたヴァイオリンと交換し、とうとう最後まで弾き切ったのです 指揮をしていたバーンスタインは彼女を抱きしめて賞賛しました このハプニングは「タングルウッドの奇跡」としてアメリカの小学校の教科書に載りました 「五嶋みどり タングルウッドの奇跡」で検索すると動画が見られます。これを観て感動しない人はいないでしょう

さて話は戻ります 金川真弓は満場の拍手にJ.S.バッハ「無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第3番ハ長調BWV1005」より第4楽章「アレグロ・アッサイ」を、有無を言わさぬ速さで一気に弾き切り、聴衆を唖然とさせました 私はこれほど流麗にして鮮やかなバッハの無伴奏を聴いたことはありません 彼女は10月20日に東京文化会館小ホールでリサイタルを開きますが、この曲もプログラムに入っているようです この曲を全楽章聴きたければリサイタルにおいでください、というわけです ただではアンコールを弾かない”したたかさ”も感じました

 

     

 

プログラム後半はコープランド「交響曲第3番」です この曲はアーロン・コープランド(1900ー1990)が、クーセヴィツキー夫人ナタリーの追悼のために1944年から46年にかけて作曲、1946年10月18日にセルゲイ・クーセヴィツキー指揮ボストン交響楽団により初演されました 第1楽章「モルト・モデラート、素朴な表情をもって」、第2楽章「アレグロ・モルト」、第3楽章「アンダンティーノ・クアジ・アレグレット」、第4楽章「とても慎重に ~ 2倍の速さで、アレグロ・リソルート」の4楽章から成ります

リットンの指揮で演奏に入ります 金管楽器が前面に出る曲だな、と思って聴いていましたが、第4楽章の冒頭の音楽を聴いて、この曲は一度聴いたことがあるな、と思いました あらためて谷口昭弘氏のプログラム・ノートを見ると、「自作の『市民のためのファンファーレ』の引用から始まる」と書かれていました トランペット、トロンボーン、ホルンといった金管楽器が炸裂する祝祭感に満ちた音楽です リットンは思う存分鳴らさせていました 彼にはベートーヴェンよりもコープランドの方が向いているように思います

この曲でもハープの出番は少なくありませんでしたが、高野麗音さんも大活躍でした 終演後は さぞかし美味しいお酒が飲めたことでしょう

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする