19日(日)。わが家に来てから今日で2716日目を迎え、米紙ニューヨーク・タイムズは、米起業家イーロン・マスク氏が率いる宇宙企業スペースXが16日、ツイッター買収を目指すマスク氏の振る舞いを批判した従業員を解雇したことがわかったと報じた というニュースを見て感想を述べモコタロです
マスク氏は ツイッターは自由な言論を保障すべきだと主張してた 矛盾する行動だ
昨日、東京芸術劇場コンサートホールでNHK交響楽団の池袋Cプログラム2日目公演を聴きました プログラムは①プーランク:バレエ音楽「牝鹿」、②同「オルガン協奏曲」、③ガーシュイン「パリのアメリカ人」です
演奏は②のオルガン独奏=オリヴィエ・ラトリー、指揮=ステファヌ・ドゥネーヴです
開演に先立ってCプロだけの室内楽演奏会がありました ヴァイオリン=横島礼理、ヴィオラ=山田雄司、チェロ=藤森良一の3人によりガーシュイン「3つの前奏曲」(弦楽三重奏版)が楽しく演奏されました
進行役を横島氏が務めましたが、どうして演奏家というのはトークが下手なんだろうと思いました
結局は演奏が良ければすべて良しとなるわけですが
さて本番です オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつものN響の並び。コンマスは白井圭です
指揮をとるステファヌ・ドゥネーヴは1971年フランス生まれ。パリ・オペラ座でジョルジュ・プレートルに師事するなど研鑽を積み、現在、セントルイス交響楽団音楽監督、ブリュッセル・フィル音楽監督を務めています
1曲目はプーランク:バレエ音楽「牝鹿」です この曲はフランシス・プーランク(1899ー1963)がロシア・バレエ団の主宰者ディアギレフの委嘱により1923年に作曲、翌24年1月6日にモンテ・カルロで初演されました
女性画家マリー・ローランサンが舞台美術と衣装を提供し、プーランクが音楽を付けることになったものです
バレエは16人の若い女の子たちが戯れるだけの筋のない内容です
ここで言う「牝鹿」は動物の雌の鹿ではなく、「かわいい女の子」という意味です
プーランクはバレエ曲から5曲を選んで組曲に仕立て上げました
第1曲「ロンド」、第2曲「アダージェット」、第3曲「ラグ・マズルカ」、第4曲「アンダンティーノ」、第5曲「終曲」です
ドゥネーヴの指揮で第1曲に入ります パリが好きなプーランクの洗練された楽しさが伝わってきます
第2楽章ではオーボエとトランペットの独奏が印象的です
第3曲以降も金管、木管が活躍しカラフルな音楽を展開しました
2曲目はプーランク「オルガン協奏曲」です この曲は1934年から1938年にかけて作曲、翌39年6月21日にパリで初演された「オルガン、弦楽とティンパニのための協奏曲」で、単一楽章の作品です
東京芸術劇場の誇るパイプオルガンは、バッハ等のバロック音楽の公演の際は「バロック面」を見せていますが、今回のような近・現代の作品を演奏する時は「モダン面」を見せます 管楽奏者が退場し、2階正面のパイプオルガンに、1962年生まれ、23歳の若さでパリ・ノートルダム大聖堂の首席オルガニストに就任し、1995年以降は母校パリ国立高等音楽院のオルガン教授を務めるオリヴィエ・ラトリーがスタンバイします
力強いオルガン独奏から曲が開始されます 冒頭の音楽の厳しさは、これまで私が抱いていた「明るく陽気な」プーランクのイメージを覆します
宗教曲の一歩手前で踏みとどまっている感じがします
その後は、弦楽器と絡み合い、また「ここぞ!」というタイミングでティンパニが打ち込まれたりしながら、緩急自在でカラフルな音色のオルガンが会場を震わせます
ラトリーのオルガンはまるで即興演奏のように聴こえ、音色の変化が鮮やかです
ドゥネーヴ ✕ N響は切れの良いドラマティックな演奏でソリストを支えました
鳴りやまない拍手にラトリーは、アンコールにリスト「愛の夢」を色彩感豊かに、変幻自在に演奏し再び満場の拍手を浴びました
最後の曲はガーシュイン「パリのアメリカ人」です この曲はジョージ・ガーシュイン(1898ー1937)がパリ滞在中の1928年に作曲、同年12月13日にニューヨークで初演されました
ドゥネーヴの指揮で、パリを闊歩するアメリカ人のそわそわウキウキ気分が演奏されます ガーシュインは金管だけでは大都会パリの雰囲気が出せないと、車のクラクションを登場させました
中盤では、白井コンマスの独奏によりパリジェンヌの優雅な姿が描写されます
その後、旅人のホームシックを表すかのように独奏トランペットがブルースを奏でます
この演奏が素晴らしい
チューバの女性の演奏も見事
そして、再び大都会の喧騒が金管、木管、打楽器 総動員で演奏され、ゴージャスなサウンドで圧倒的なフィナーレを迎えました
満場の拍手がドゥネーヴとN響の面々に押し寄せました ドゥネーヴは紅潮した顔でカーテンコールに応えました
ここだけの話、指揮者のドゥネーヴにはあまり期待していませんでした しかし、この日のタクト捌きを見て、なかなかやるじゃないか、と思いました
得意のフランスものということもあるかもしれませんが、N響から熱い指揮により熱い演奏を引き出していました
この日をもって池袋の東京芸術劇場でのC定期演奏会は終わりです 自席2階LBーA列10番というバルコニー席ともお別れです
指揮者の表情が見えたり、管楽器奏者が近かったりと、結構気に入っていた席でしたが、次シーズンからAプロ、CプロともNHKホールに戻るとのこと。とても残念です
N響の新シーズンへの更新手続きは7月10日です すでにマーラー、ブルックナー、ショスタコーヴィチといった大曲が揃ったAプロを選択することは決めています
それ以外に、協奏曲が中心のBプロ(サントリーホール)を追加するかどうか迷っているところです