人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

プレトニョフ ✕ 東京フィルでシチェドリン「カルメン組曲」、チャイコフスキー「白鳥の湖」抜粋を聴く ~ 第970回サントリー定期シリーズ / 鳥は音を判別できる ~ 日経の記事から

2022年06月09日 07時17分46秒 | 日記

9日(木)。昨日の日経朝刊 文化欄に「ハトはモネの絵とピカソの絵を区別できる」という研究で1995年に「イグノーベル賞」を受賞した慶応大学名誉教授・渡辺茂氏が「ブンチョウは古典好み」というエッセイを書いていました   超略すると次の通りです

「鳥に音楽の好みはあるのかという研究にも取り組んだ 実験に用いたのはブンチョウ4羽。籠に3本の止まり木を置き、1本に止まるとバッハのピアノ曲、もう1本ではシェーンベルクのピアノ曲が流れ、真ん中の1本では音楽は流れない 2羽の行動に目立った特徴は見られなかったが、残り2羽のうちオス1羽はシェーンベルクの止まり木の10倍以上の時間をバッハの止まり木で過ごし、メス1羽もバッハの方が2倍以上長かった この傾向はピアノ曲を管弦楽曲に変えても同じ。他の作曲家でも試したが、現代音楽よりも古典が好まれた 現代音楽の多くに不協和音が含まれることが影響すると考えられる

シェーンベルクよりもバッハを好むブンチョウに親近感を覚えます 人間だって鳥だって不協和音よりも調和の取れた音楽の方が居心地が良いということでしょう ただ、同じ現代音楽でも鳥の声を研究したオリヴィエ・メシアンの音楽を流したらブンチョウはどういう反応をするでしょうか?  渡辺先生は実験したのでしょうか?  ちょっと気になります

ということで、わが家に来てから今日で2706日目を迎え、防衛省は8日、ロシア機とみられる軍用機4機が7日夜に日本海から北海道西方に飛来し、領空に向けて東に直進したと発表した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     放っておくと覇権主義国は「北海道はロシア固有の領土だ」なんて言いかねないぞ

 

         

 

昨日、仕事休みだった娘が朝食を作ってくれました 「ハムと紫蘇入り混ぜご飯」「ソーセージ・エッグ」「トマトスープ」です どれもが美味しかったです

 

     

 

夕食はいつも通り私が作りました 「ブリの照り焼き」「マグロの山掛け」「生野菜サラダ」「舞茸の味噌汁」です ブリは脂がのって美味しかったです

 

     

 

         

 

昨夕、サントリーホールで東京フィル「第970回サントリー定期シリーズ」公演を聴きました プログラムは①シチェドリン「カルメン組曲」、②チャイコフスキー「白鳥の湖」(プレトニョフによる特別編集版)です 

指揮は東京フィル特別客演指揮者ミハイル・プレトニョフです 1957年ロシア生まれ。1978年のチャイコフスキー国際コンクール・ピアノ部門で優勝 1990年にロシア史上初めて国家から独立したオーケストラとしてロシア・ナショナル管弦楽団を設立し、創設者・芸術監督として世界有数のオーケストラに育て上げました

 

     

 

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対抗配置 後方に打楽器奏者5人がスタンバイします。コンマスは依田真宣です

1曲目はシチェドリン「カルメン組曲」です この曲はロディオン・シチェドリン(1932ー)が、妻でバレリーナのマイヤ・プリセツカヤの依頼により、ビゼーの歌劇「カルメン」をもとに1967年に作曲、同年4月20日にモスクワのボリショイ劇場で初演された作品です 楽器構成は弦楽器と打楽器のみで、管楽器は入りません

組曲は第1曲「序奏」、第2曲「踊り」、第3曲「第1間奏曲」、第4曲「衛兵の交代」、第5曲「カルメンの登場とハバネラ」、第6曲「情景」、第7曲「第2間奏曲」、第8曲「ボレロ」、第9曲「闘牛士」、第10曲「闘牛士とカルメン」、第11曲「アダージョ」、第12曲「占い」、第13曲「終曲」の13曲から成ります

プレトニョフの指揮で演奏に入りますが、敢えて管楽器を除外したことにより、弦楽器の奏でるメロディーの美しさが際立ち、打楽器のリズムが突出します 第4曲「衛兵の交代」における弦楽器と打楽器による丁々発止のやり取りはユーモアさえ感じさせる軽快な演奏で、楽しく聴きました 第7曲「第2間奏曲」は本来フルートによって演奏されますが、須田祥子率いるヴィオラ・セクションによって美しく奏でられました 第8曲「ボレロ」は「カルメン」ではなく「アルルの女」の「ファランドール」です この音楽は人を興奮させる力がありますね 第9曲「闘牛士」はエスカミーリョの登場で、トレアドールの勇壮な音楽が展開します 第11曲「アダージョ」における弦楽合奏の何と繊細で美しいことか 第13曲「終曲」では打楽器群、とくにヴィブラフォンとマリンバのコラボが素晴らしかったです この曲では打楽器の5人が様々な楽器を駆使して演奏していて、各人が八面六臂の活躍でした

 

     

 

プログラム後半はチャイコフスキー「白鳥の湖」(プレトニョフによる特別編集版)です この曲はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840ー1893)が1875年から76年にかけて作曲、1877年3月4日にモスクワのボリショイ劇場で初演されたバレエ音楽です 今回の特別編集版は、従来の組曲と異なり、「白鳥の湖」の粗筋を追いながら音楽が展開していく形をとっており、6つの楽章に見立てています 全体としては①導入曲ー第1曲、②第1幕前半から「イントラーダ」「スラブ風舞曲」「ヴァリアシオン」、③第1幕後半から「情景」「シュジュ」「ポロネーズ」、④第2幕から「情景」「白鳥たちの踊り」、⑤第3幕から「ヴァリアシオン2」、⑥第4幕から「情景」「終曲」という流れで演奏されます

管楽器が加わり、フルオーケストラ編成となります さらに舞台上手奥にはハープがスタンバイします

プレトニョフの指揮で演奏に入りますが、有名な第2幕の「情景」はオーボエとハープのコラボが美しく、バレエの情景が目に浮かぶようでした 同じく第2幕でハープに導かれて独奏ヴァイオリンが奏でるオデットと王子の愛のアンダンテは、コンマスの依田氏の美しい演奏に加え、ハープの梶彩乃が目の覚めるような素晴らしいカデンツァを展開しました 100点満点です

全体の演奏を聴いて感じたのは、これまでと違う編集版による演奏だったので新鮮に感じた、通俗名曲と思っていた「白鳥の湖」が初めてドラマティックな曲であると感じた、チャイコフスキーは屈指のメロディーメーカーであることを再認識したことです

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