11日(水)。昨日は読売日響の「2025年度シーズン」の席替え解禁日だったのでWEBサイトからアクセスして「名曲シリーズ」の変更手続きに挑戦しました が、整骨院での時間がかかり過ぎて受付開始の10時までに家に戻れなかったので全然つながらず、午後にアクセスした時には当方の希望する席が残っていなかったので諦めました このため、「定期演奏会」「名曲シリーズ」とも現在の席を継続することにし、電話で連絡しました
ということで、わが家に来てから今日で3620日目を迎え、ノルウェーの首都オスロで10日に開催された日本原水禁被害者団体協議会へのノーベル平和賞受賞式に、核兵器保有5大国のうち、ロシアと中国は欠席し、米国と英国とフランスは代表らが出席した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
まさか近いうち核兵器を使う予定があるので 後ろめたい気持ちから欠席したのか
昨日は娘が外食で 私がオペラだったので、夕食作りはお休みしました
昨夜、新国立劇場「オペラパレス」でモーツアルト「魔笛」初日公演を観ました キャストはザラストロ=マテウス・フランサ、タミーノ=パヴォル・ブレスリック、パミーナ=九嶋香奈枝、夜の女王=安井陽子、パパゲーノ=駒田敏章、パパゲーナ=種谷典子、モノスタトス=升島唯博、弁者・僧侶1・武士2=清水宏樹、僧侶2・武士1=秋谷直之、侍女1=今野沙知恵、侍女2=宮澤彩子、侍女3=石井藍、童子1=前川依子、童子2=野田千恵子、童子3=花房英里子。管弦楽=東京フィル、合唱=新国立劇場合唱団、指揮=トマーシュ・ネトピル、演出=ウィリアム・ケントリッジです
「魔笛 K.620」はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791)が1791年に作曲、同年アウフ・デア・ヴィーデン劇場で初演されたジングシュピール(歌芝居)です
王子タミーノが大蛇に襲われ、夜の女王に仕える3人の侍女に助けられる 夜の女王の娘パミーナが悪者ザラストロに捕らえられていると聞いたタミーノは、彼女の救出を決意する 身を守るためタミーノは魔笛を、お供の鳥刺しパパゲーノは魔法の鈴を与えられ、ザラストロの神殿へ向かう タミーノはザラストロが徳の高い高僧だと知り、パミーナと結ばれるために修行をすることになる 試練を乗り越えた2人は、祝福されながら結ばれる 夜の女王は雷鳴とともに地獄に落ち、ザラストロを讃える声が響き渡る
私が新国立オペラで「魔笛」を観るのは2006年、2009年、2013年、2016年、2018年、2022年に次いで今回が7回目、ウィリアム・ケントリッジの演出では3回目です
ウィリアム・ケントリッジの演出・舞台作りは「動く紙芝居」というか「リアルな舞台と映像による光と影とのコラボ」というか、とにかく視覚に訴える幻想的で楽しい舞台です 中でも一番効果的だったのは、夜の女王のシーンです 夜の女王が超絶技巧アリアを歌うシーンは2度ありますが、登場から歌のシーン、そして退場のシーンまで宇宙的な広がりの映像が展開し、いかにも夜の女王が”夜の世界”の支配者であることを表していました
歌手陣は総じて好調でそれぞれが実力を発揮しました
一番印象に残ったのはザラストロ役のマテウス・フランサです ブラジル出身のバスで、ブラジリア大学で音楽を学びました 23/24シーズンまでベルン歌劇場と契約し活躍しました。深みのある低音が魅力で、存在感がありました
タミーノ役のパヴォル・ブレスリックはベルリン州立歌劇場の専属歌手として活躍後、フリーとなってヨーロッパの歌劇場で活躍しています 力強いリリカルなテノールが印象的でした
パミーナ役の九嶋香奈枝は東京藝大卒。新国立劇場オペラ研修所第4期修了のソプラノです 新国立劇場では様々な役柄で出演を重ねています リリカルな歌唱でよく声が通り、小柄ながら存在感を示しました
夜の女王役の安井陽子は桐朋学園大学・同大学院修了、ウィーン国立音楽大学研究課程声楽科修了のソプラノです 新国立劇場の「夜の女王」と言えば安井陽子と言われるほど抜群の安定感で超高音のコロラトゥーラを歌い上げ、満場の拍手とブラボーを浴びました
パパゲーノ役の駒田敏章は愛知教育大学を経て東京藝大声楽科卒・同大学院修了のバリトンです 声が良く通り、演技力も十分でした
パパゲーナ役の種谷典子は国立音楽大学・同大学院を首席で修了、新国立劇場オペラ研修所第16期修了のソプラノです この人は研修所時代から聴いてきましたが、いつかは主要オペラで主役級を歌うと確信していました 今回はパパゲーナに成り切ってコケティッシュに歌い演じましたが、次はパミーナでしょう
モノスタトス役の升島唯博はエリザベト音楽大学卒、リューベック音楽大学で研鑽を積んだテノールです 役柄にぴったりの歌唱力の持ち主で、抜群の身体能力を発揮して機敏な動きでモノスタトスを演じていました 出演者の中では演技賞ものです
ここには挙げませんが、他の歌手陣も充実しており「魔笛」の楽しさを届けてくれました
特筆すべきは素晴らしいコーラスを聴かせてくれた新国立劇場合唱団と、歌手に寄り添いつつモーツアルトの楽しさを表現した東京フィルの演奏です プログラム冊子の出演者名簿によるとコンマスは坪井夏美となっていました 彼女は東京フィルのアシスタント・コンマスですが、今回はコンマスを任せられたようです
ところで第2幕でのタミーノの「沈黙の試練」シーンで、パミーナが話しかけても沈黙を守るためにタミーノが魔法の笛で吹いていたのはモーツアルト「フルート四重奏曲第1番 ニ長調 K.285」の第2楽章「アダージョ」です 悲しみを湛えたこの曲は、愉悦感に満ちた第3楽章「ロンド」へ間断なく続きますが、「静から動へ」の、あるいは「暗から明へ」の急転換が鮮やかです
また、ピアノによるアドリブ的な演奏が聴こえてくるシーンがいくつかあり、「演出家はここで遊んでいるな」と思ってニヤリとしました
少なくとも1階席は満席でしたが、初日公演は大成功だったのではないかと思います カーテンコールの終了は21時40分を過ぎていました
新国立劇場の隣の東京オペラシティの広場には、恒例のクリスマス・ツリーが飾られていました
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