18日(月)。わが家に来てから今日で2655日目を迎え、米国防総省のスペシャリストによると、ロシアのウクライナ侵略でロシア軍がキーウの北方20~30キロで停止し前進を阻まれたのは、ロシア軍が使用したタイヤが中国製の格安のものだったことから引き起こされた可能性がある というニュースを見て感想を述べるモコタロです
その調子で格安の商品をロシア軍に輸出すれば ウクライナを助けることになるかも
16日(土)付の朝日夕刊に「1360万円の盗難ヴァイオリン 高すぎて売れず?」という見出しの記事が載っていました 超略すると次の通りです
「シャンゼリゼ管弦楽団のエンリコ・テデ氏が所有するヴァイオリン(10万ユーロ=約1360万円)が、昨年11月末に欧州ツアーを終えてパリに戻る列車内で盗難に遭った テデ氏は3月末になって、「のみの市」で知られるパリ市北部クリニャンクールの路上のゴミ箱の横に放置されているのを通りがかりの人が発見した という連絡を受けた
ヴァイオリン・ケースの中にイタリアの著名楽器製作者ジュリオ・デガーニ氏の名が刻まれた楽器と一緒にパスポートが入っており、持ち主が分かったという
仏紙パリジャンは、楽器の盗難が増えているとしたうえで、専門家の言葉を引きながら、貴重で高額な楽器を売却して現金化するのは、ほぼ不可能だと伝えた
」
ずいぶん気の抜けた泥棒がいたものですね たぶん、楽器を(フランスの)質屋に持って行ったのはよいけれど、「鑑定書」とか「身分証明書」とかを求められて焦ったのかもしれません
もしパスポートが入っていなかったら、無事に本人のもとに戻ったかどうか分かりません
しかし、危機管理の観点からは大事なものは分散して所有するのが鉄則です。ヴァイオリニストの皆さん、盗難防止のため楽器にペンキで大きく住所・氏名を書いておきましょう
16日(土)、新国立劇場「オペラパレス」でモーツアルト「魔笛」初日公演を観ました 出演はタミーノ=鈴木准、パミーナ=砂川涼子、ザラストロ=河野鉄平、夜の女王=安井陽子、パパゲーノ=近藤圭、パパゲーナ=三宅理恵、弁者・僧侶1・武士=町英和、僧侶2・武士1=秋谷直之、侍女1=増田のり子、侍女2=小泉詠子、侍女3=山下牧子、童子1=前川依子、童子2=野田千恵子、童子3=花房英里子、モノスタトス=升島唯博。合唱=新国立劇場合唱団、管弦楽=東京フィル、指揮=オレグ・カエターニ、演出=ウィリアム・ケントリッジです
私が新国立劇場で「魔笛」を観るのは2006年、2009年、2013年、2016年、2018年に次いで今回が6度目ですが、ケントリッジの演出では2度目です
「魔笛」はウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756ー1791)が死の年=1791年に作曲、同年9月30日にウィーンのアウフ・デア・ヴィーデン劇場で初演された 全2幕から成るジングシュピール(歌芝居)です
ある国の王子タミーノ(日本の狩衣を着ている)は大蛇に襲われ、夜の女王に仕える3人の侍女に助けられる 夜の女王の娘パミーナが悪者ザラストロ(ゾロアスター)に捕らえられていると聞いたタミーノは、パミーナを救い出すことを決意する
身を守るためタミーノは魔法の笛を、夜の女王に仕える鳥刺しパパゲーノは魔法の鈴を与えられ、一緒にザラストロの神殿へ向かう
タミーノはザラストロが徳の高い高僧だと知り、パミーナと結ばれるために修行することになる
試練を乗り越えた二人は、祝福のうちに結ばれる
夜の女王は3人の侍女、奴隷たちのリーダーでムーア人のモノスタトスとともに雷鳴轟く中 疑獄に落ちる
こうして善と光明の世界が勝利し、悪と闇の世界は滅び去る
タミーノを歌った鈴木准はこの役が当たり役で、何度も歌い演じているので極めて高い安定感があります 今回も第1幕のアリア「何と美しい絵姿」をはじめ甘美な歌声で魅了しました
パミーナを歌った砂川涼子は新国立劇場の多くのオペラで主要な役柄を歌い演じていますが、何を歌っても美しい声で卒なくこなします 最近では「愛の妙薬」のアディーナを歌いましたが、本公演でも情感豊かな表現でヒロインのパミーナを歌い演じました
ザラストロを歌った河野鉄平はやや明るめのバスですが、今回は最低音部の表現にやや難があったように思います
夜の女王を歌った安井陽子は、この役が代名詞になっているほどの当たり役です 今回も第2幕の「夜の女王のアリア『復讐の心は地獄のようにわが胸に燃え』」を超絶技巧のコロラトゥーラで見事に歌い上げました
パパゲーノを歌った近藤圭は歌唱力は申し分ありませんが、コメディータッチの演技がもう一歩欲しいところです
パパゲーナを歌った三宅理恵は歌唱力・演技力ともに申し分ありません。明るく楽しいパパゲーナにピッタリでした
今回の殊勲賞はモノスタトスを歌った升島唯博です。明るいテノールで、棒を使ったパントマイムはプロ級の演技力でした
弁者・僧侶1・武士を歌った町英和、僧侶2・武士1を歌った秋谷直之はともによく声が通っていました
今回は3人の侍女=増田のり子、小泉詠子、山下牧子もそれぞれ歌唱力が素晴らしく、第1幕のアンサンブルが美しかったです
いつもながら素晴らしいと思ったのは世界に誇る新国立劇場合唱団の力強いコーラスです
オレグ・カエターニ指揮東京フィルは歌手に寄り添いながら、暗黒の世界と光明の世界を音で表現していました
ウィリアム・ケントリッジの演出は、素描とアニメーションを用いた美しく神秘に満ちた舞台で、実際の舞台と映像の世界とのコラボにより、視覚と聴覚に同時に訴える独特の手法でストーリーを展開しました 第1幕の「夜の女王」の登場シーンは宇宙的な映像をバックに立体感溢れる演出で、思わず背筋が寒くなりました
楽しい演出なので子どもたちにも解りやすいと思います
シカネーダーが21世紀の現代に生きていたら、こういう演出をしたかもしれません
オペラ入門にピッタリの「魔笛」の魅力的な演出と言えます
今回は最初から代役なしのオール・ジャパニーズ・キャストによる公演でしたが、初日公演としては概ね成功裏に終わったのではないかと思います
魔笛の、夜の女王のアリアは本当に印象的な曲ですね。
クラッシック音楽にほとんど興味のない次男が、一度テレビ番組で聴いて以来、風呂でよく歌っています。声変わりしてますが変な裏声を出しています。
一度聴いただけで覚えているなんて凄い!
よほどインパクトがあったのでしょうね。
お風呂場は音響がいいから、声変わりしても気持ちよく歌っているのだと思います。温かい目と耳で見守ってあげてください