人生の目的は音楽だ!toraのブログ

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ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第1番、第7番、第12番」を聴く ~ エルサレム弦楽四重奏団「ベートーヴェン・サイクルⅠ」:サントリーホール チェンバーミュージック・ガーデン

2021年06月07日 07時10分55秒 | 日記

7日(月)。わが家に来てから今日で2340日目を迎え、トランプ前米大統領は5日、ノースカロライナ州の共和党大会で、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記との史上初の米朝首脳会談について「金正恩氏は毛色の変わった人物であり、彼と話すには毛色の変わった人物でないといけない」とジョークを交えながら回顧した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     毛色だけじゃなくて 傲慢な性格は 二人ともよく似ている お互いに気が合うはずだ

 

         

 

昨夜、サントリーホール「ブルーローズ」で「サントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン」参加公演「エルサレム弦楽四重奏団『ベートーヴェン・サイクルⅠ』」を聴きました このシリーズは一つの弦楽四重奏団がベートーヴェンの弦楽四重奏曲(全16曲)を演奏するもので、今回はその第1回目です 演奏するエルサレム弦楽四重奏団は1993年に結成、96年にデビューしたイスラエル出身の弦楽四重奏団で、2021年で活動25周年を迎えます メンバーは第1ヴァイオリン=アレクサンダー・パブロフスキー、第2ヴァイオリン=セルゲイ・プレスラー、ヴィオラ=オリ・カム、チェロ=キリル・ズロト二コフです。この日のプログラムはベートーヴェン①弦楽四重奏曲 第1番 ヘ長調 作品18-1、②同 第7番 ヘ長調 作品59-1「ラズモフスキー 第1番」、③同 第12番 変ホ長調 作品127です

ベートーヴェンの弦楽四重奏曲は次の4つの創作期に分けることが出来ます

①第1期(初期):1798年夏〜1800年夏=作品18(第1~第6番)

②第2期(中期前半):1806年4月~11月=作品59(第7~第9番)

③第3期(中期後半):1809年夏〜10年秋=作品74,95(第10、11番)

④第4期(後期):1824年5月~26年11月=作品127,130~132(133)、135(第12〜16番)

今回のエルサレム弦楽四重奏団のプログラムは、初期、中期、後期のそれぞれ一番最初の作品をカップリングしたものになっています これは2日目以降の公演でも同様です

 

     

 

座席は通常配置ですが、センターブロックを中心にかなり埋まっています。全体で8割位の入りでしょうか 私がブルーローズで聴くのは、おそらく2年前のチェンバーミュージック・ガーデン以来です ステージ中央の4人の椅子の手前には集音マイクが2本立てられています 記録のためか、放送のためか、不明です

4人のメンバーが配置に着きます。左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラというオーソドックスな並びです ヴァイオリンの2人は通常の楽譜を、チェロとヴィオラの2人は電子ブックを見て演奏するようです 電子ブック(デジタル楽譜)はフットスイッチでページをめくります

1曲目は「弦楽四重奏曲 第1番 ヘ長調 作品18-1」です ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)は彼の後援者フランツ・ヨーゼフ・フォン・ロブコヴィッツ侯爵の依頼により1798年から1800年にかけて6曲から成る弦楽四重奏曲(作品18の1~6)を作曲、同侯爵に献呈しました なお、完成されたのは第3、第1、第2、第5、第6、第4番の順なので、第1番は実質的に2番目の曲となります 第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アダージョ・アフェットゥーソ・エド・アパッショナート」、第3楽章「スケルツォ:アレグロ・モルト」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

演奏は、2番目に作曲したのに、あえて「第1番」としたベートーヴェンの意欲を反映したかのような起伏の大きな演奏で、どちらかというと、美しく演奏するよりも、ベートーヴェンらしい強さを前面に出したような演奏でした それが際立っていたのは第3楽章のスケルツォでした また、シェイクスピアの「ロメオとジュリエット」の墓場のシーンを思い浮かべて作曲した第2楽章の演奏がドラマティックで印象的でした

2曲目は「弦楽四重奏曲 第7番 ヘ長調 作品59-1『ラズモフスキー 第1番』」です ベートーヴェンは1805年から06年にかけてウィーン駐ロシア大使アンドレイ・ラズモフスキー伯爵の依頼により3曲から成る弦楽四重奏曲(作品59ー1~3)を作曲しました この曲はその1曲目に当たります。第1楽章「アレグロ」、第2楽章「アレグレット・ヴィヴァーチェ・エ・センプレ・スケルツァンド」、第3楽章「アダージョ・モルト・エ・メスト」、第4楽章「テーマ・ルッセ:アレグロ」の4楽章から成ります

第1楽章冒頭の独奏チェロが素晴らしい 雄渾な演奏でこの曲のスケールの大きさをほんの数小節で明らかにします そして、何と言っても素晴らしいのは第3楽章のアダージョです ベートーヴェンの弦楽四重奏曲で一番魅力を感じるのは緩徐楽章と言っても過言ではありません しみじみと良い演奏でした そして第4楽章のフィナーレにおける一気呵成の畳みかけも見事でした

 

     

 

休憩後は「弦楽四重奏曲 第12番 変ホ長調 作品127」です この曲はロシア貴族ニコライ・ゴリツィン公爵の依頼により1823年から24年にかけて作曲、1825年3月6日、ウィーンでシュパンツィヒ四重奏団によって初演されました 第1楽章「マエストーソ~アレグロ」、第2楽章「アダージョ・マ・ノン・トロッポ・エ・モルト・カンタービレ」、第3楽章「スケルツァンド・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ」の4楽章から成ります

第1楽章から、4人は懐の深い演奏をします 第2楽章のアダージョはベートーヴェン得意の「変奏曲」ですが、音色の変化が素晴らしい この楽章の演奏がこの日の白眉と言っても良いほどでした 第4楽章のフィナーレは息の合ったアンサンブルが見事でした

アナウンスに従い、コロナ感染拡大防止措置に伴う分散退場により会場を後にしたのは9時20分を過ぎていました 今日は第2番、第8番、第13番を聴きに行きます

 

     


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