人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

レナード・スラットキン ✕ 金川真弓 ✕ 東京都交響楽団でウォルトン「ヴァイオリン協奏曲」、ラフマニノフ「交響曲第2番 ホ短調 作品27」、マクティー「弦楽のためのアダージョ」を聴く

2025年01月15日 00時04分36秒 | 日記

15日(水)。わが家に来てから今日で3655日目を迎え、米マクドナルドが創設した奨学金制度がヒスパニック(中南米系)の学生を不当に優遇しているとして、米国の保守活動グループに提訴されたことが13日わかった  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

     

     トランプ政権になると アファーマティブアクションの見直しの動きが活発化しそう

         

昨夜、サントリーホールで東京都交響楽団「第1014回定期演奏会Bシリーズ」を聴きました プログラムは①S.マクティー「弦楽のためのアダージョ」、②ウォルトン「ヴァイオリン協奏曲」、③ラフマニノフ「交響曲第2番 ホ短調 作品27」です 演奏は②のヴァイオリン独奏=金川真弓、指揮=レナード・スラットキンです

オケは16型で、左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの都響の並び    コンマスは山本友重、隣は水谷晃というダブルトップ態勢を敷きます

1曲目はS.マクティー「弦楽のためのアダージョ」です    この曲はシンディ・マクティーが2001年9月11日のアメリカ同時多発テロをきっかけに、自身のアルガン曲「アニュス・デイ」を改編し、2002年に交響曲第1番の「第2楽章」として作曲した作品です

スラットキンが上がブルー系のジャケット、下がダークグレー系のスラックスといった極めてカジュアルな出で立ちで登場、指揮台に上がります

スラットキンの指揮で演奏に入りますが、曲を説明されるまでもなく、緊張感に満ちた悲痛な音楽が続きます やがて傷を癒すかのような穏やかな音楽に変わりますが、再び悲しみに満ちた音楽に変遷し曲を閉じます

大きな拍手の中 カーテンコールが繰り返され、作曲者のマクティーが会場から舞台上に呼ばれ、マクティーがスラットキンの頬にキスをします。微笑ましい夫婦愛と言うべきでしょう

2曲目はウォルトン「ヴァイオリン協奏曲」です この曲はウィリアム・ウォルトン(1902-1983)が名ヴァイオリニスト、ヤッシャ・ハイフェッツの委嘱により1938年から翌39年にかけて作曲、1939年12月7日にクリーヴランドで初演されましたが、その後改訂され、1944年1月17日にリヴァプールで改訂初演されました 第1楽章「アンダンテ・トランクイロ」、第2楽章「プレスト・カプリチオーソ・アラ・ナポリターナ」、第3楽章「ヴィヴァーチェ」の3楽章から成ります

ヴァイオリン独奏の金川真弓は2018年 ロン=ティボー国際コンクール第2位、2019年 チャイコフスキー国際コンクール第4位、2024年 ジュルジュ・エネスク国際コンクール優勝という経歴の持ち主です 2023年10月からブレーメン芸術大学で教鞭を執っています

管・打楽器が加わりフル・オーケストラ態勢を敷きます 金川が黒と銀のラメ入り衣装で登場 スラットキンの指揮で演奏に入ります

初めて聴く曲ですが、全体的に最後のロマン派とも言われるコルンゴルトを思い起こしました 極めて技巧的な作品ですが、金川は確かな技術の裏付けによって、時に流麗な、時に鋭角的な演奏を展開しました 特に第1楽章のカデンツァと第2楽章のタランテラのリズムが印象に残りました

最後の曲はラフマニノフ「交響曲第2番 ホ短調 作品27」です この曲はセルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)が1907年に作曲、1908年2月8日にサンクトペテルブルクで初演されました 第1楽章「ラルゴ ~ アレグロ・モデラート」、第2楽章「アレグロ・モルト」、第3楽章「アダージョ」、第4楽章「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります

スラットキンの指揮で第1楽章が開始され、低弦により全曲の循環動機が演奏されます やがてラフマニノフ特有の憂いに満ちたメロディーが奏でられ、ロマンティシズム溢れる演奏が展開します 中盤におけるイングリッシュホルンの抒情的な演奏が印象的です 終盤では弦楽器群のアグレッシブな演奏が繰り広げられますが、2人のコンマスがまるで競奏しているように見えてニヤリとしてしまいました 第2楽章はスケルツォですが、スラットキンは極めて速いテンポでサクサクと進めます。胸のすくような切れ味鋭い演奏です 第3楽章こそこの曲の白眉です サトーミチヨのクラリネットの抒情的な演奏が素晴らしい 伝統のある都響の弦楽セクションがロマンに満ちた流麗な演奏を繰り広げます 第4楽章は一転、愉悦感溢れる賑やかな音楽が繰り広げられます ここでも2人のコンマスのアグレッシブな競奏が見られました 咆哮する管楽器、炸裂する打楽器、渾身の弦楽器による情熱的な演奏により圧巻のフィナーレを飾りました

満場の拍手とブラボーが飛び交う中、カーテンコールが繰り返されました オーケストラの醍醐味を満喫した素晴らしいコンサートでした


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 広上淳一 ✕ 服部百音 ✕ N響に... | トップ |   
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事