8日(月)。わが家に来てから今日で3373日目を迎え、エクアドル警察が5日に首都キトのメキシコ大使館に突入しグラス元副大統領を拘束した問題を受け、中南米各国から対応を非難する声が相次いでいる というニュースを見て感想を述べるモコタロです
まさか外国の警察が大使館に突入するとは 覇権主義国家プーチン・ロシアみたい
昨日、東京文化会館大ホールで「東京・春・音楽祭2024」参加公演「ワーグナー『ニーベルングの指環』ガラ・コンサート」を聴きました 出演はソプラノ=エレーナ・パンクラトヴァ、テノール=ヴィンセント・ヴォルフシュタイナー、バリトン=マルクス・アイヒェ。ソプラノ=冨平安希子、中畑有美子、メゾ・ソプラノ=秋本悠希、金子美香、杉山由紀。管弦楽=NHK交響楽団、指揮=マレク・ヤノフスキ、音楽コーチ=トーマス・ラウスマンです
「ニーベルングの指環」はリヒャルト・ワーグナー(1813-1883)が1853年から1874年にかけて作曲した楽劇で、「序夜:ラインの黄金」「第1日:ワルキューレ」、「第2日:ジークフリート」、「第3日:神々の黄昏」の4部作から構成されています 物語は世界を支配する魔力を持つというライン川底にある黄金を、ニーベルング族の小人アルべリヒが手に入れるが、神々の長ヴォータンはこれを奪い、ワルハラ城を築いた巨人族に美の女神フライアの代償として与えたことから、指環を巡って地上の争いが始まるというものです 上演時間は4部作合計で約15時間(休憩を除く)という超大作です
自席は1階R5列4番、右サイドブロックの左から4番目です。会場はほぼ満席のようで、5階席まで埋まっています
オケは14型で左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスといういつものN響の並び。ステージ下手にはハープが6台スタンバイします。コンマスは前回の「トリスタンとイゾルデ」と同じ人ですが、ヤノフスキが連れてきたのでしょう
ソプラノ独唱のエレーナ・パンクラトヴァはロシアのエカテリンブルク生まれ。指揮とピアノを学んだ後、サンクトペテルブルク音楽院を卒業。イタリアとスペインの国際声楽コンクールで優勝。レナータ・スコットに師事。ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、ボローニャ歌劇場など世界のオペラハウスで歌っています
テノール独唱のヴィンセント・ヴォルフシュタイナーはミュンヘン生まれ。ニューイングランド音楽院で学ぶ。ウィーン国立歌劇場、ベルリン国立歌劇場などで活躍しています
バリトン独唱のマルクス・アイヒェはドイツ生まれ。シュトゥットガルトやカールスルーエの音楽大学で学ぶ。ウィーン国立歌劇場、バイエルン国立歌劇場と専属契約を結び活躍。バイロイト音楽祭に定期的に出演しています。先日の「トリスタンとイゾルデ」ではクルヴェナールを歌い力強い歌唱が絶賛されました
ヤノフスキの指揮で序夜「ラインの黄金」より第1場「城へと歩む橋は・・・」 からフィナーレまでの演奏に入ります この場ではヴォータン役のマルクス・アイヒェが良く通る歌唱で存在感を示しました
次いで第1日「ワルキューレ」より第1幕第3場「父は誓った 俺がひと振りの剣を見出すと・・・」から第1幕フィナーレまでの演奏に入ります
ジークムント役をヴィンセント・ヴォルフシュタイナーが、ジークリンデ役をエレーナ・パンクラトヴァが歌いましたが、二人とも凄いとしか言いようのない圧倒的な歌唱で官能の世界を歌い上げました
ヴォルフシュタイナーは2022年の東京春祭「ローエングリン」でタイトルロールを歌っていましたが、歌唱力は申し分ないものの、外見があまりにもローエングリンとかけ離れていたため(太り過ぎ)イメージが狂った覚えがあります というのもローエングリンといえば新国立オペラでタイトルロールを歌ったクラウス・フローリアン・フォークトがあまりにも役にピッタリのイケメンで歌唱も素晴らしかったので、そのイメージが頭にあったからです しかし、今回は圧倒的に素晴らしかった
一方、エレーナ・パンクラトヴァはオケを突き抜けて届く、美しく強靭な歌唱で聴衆を魅了しました
休憩後の最初は第2日「ジークフリート」より第2幕第2場「あいつが父親でないとは嬉しくてたまらない」と「森のささやき」、続いて第3場「親切な小鳥よ、教えてくれ・・・」から第2幕フィナーレまでです
ヴォルフシュタイナーはこの曲でも絶好調で、圧倒的な歌唱でオケを突き抜けました また、2階席(?)で歌う中畑有美子の「森の鳥」との対話も素晴らしく、「ニーベルング」の中でも珍しく心和むシーンが繰り広げられました
最後は第3日「神々の黄昏」より第3幕第3場「ブリュンヒルデの自己犠牲『わが前に硬い薪を積み上げよ・・・』とフィナーレです
ここでオケにワーグナー・チューバが加わりました この場はエレーナ・パンクラトヴァの独壇場です 彼女は自己犠牲の死を覚悟したブリュンヒルデをドラマティックに歌い上げました 独唱の後のオーケストラによるフィナーレは、N響の総力を挙げての重心の低いドイツ的とでも言うべき演奏で、壮大な物語を締めくくりました
ヤノフスキ指揮N響は終始集中力に満ちたアグレッシブな演奏で、ソリストを支え、自らワーグナーの世界を描き出しました
何しろ全曲を演奏すれば15時間もかかる楽劇を、たったの1時間半に抜粋・短縮して上演するのですから、物足りなさは否めません しかし、内容の濃さを考えれば充実した上演だったと思います
(指揮のマレク・ヤノフスキ)
(ソプラノのエレーナ・パンクラトヴァ)
(左からマルクス・アイヒェ、パンクラトヴァ、ヴォルフシュタイナー)
(1階席総立ちのスタンディングオベーション)
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