人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

いま夢中になって聴いているのはメンデルスゾーンの室内楽!

2012年07月11日 06時56分41秒 | 日記

11日(水).9日の朝日夕刊の「for your Collection クラシック音楽」で紹介している8枚のCDの中に,庄子紗矢香のヴァイオリンによるショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番,第2番」のCD演奏評が出ていました それによると,

「極限の集中力と共感で曲に付随する政治的な文脈を突き抜け,絶望と希望,憎悪と愛がせめぎ合う人間の深淵へとまっすぐに.ドストエフスキーを読むような聴きごたえ」

と書かれています.このCDはかなり前に手に入れて聴いていたので,”極限の集中力と共感”という部分は分かるような気がします また,ショスタコーヴィチはスターリン独裁政権下で,社会主義リアリズムの旗印のもと,本当に書きたいことが制約されていたにもかかわらず,後世に残る音楽を作ったことも理解できます しかし,最後の”ドストエフスキーを読むような聴きごたえ”というのがよく理解できません.私がこの演奏を聴いた時にはそのような言葉は頭に浮かんで来ませんでした.ある演奏を聴いた感想を他人にも分かる言葉で表すことの難しさを痛感します 

 

          

 

   閑話休題  

 

昨日の朝、当ブログに時々コメントを寄せてくださっているNさんが当社に私を訪ねてみえました Nさんは現在フィラデルフィアにお住まいで、ご実家がちょっとした不動産経営を手がけており、その関係で1週間ほど帰国した今回の機会にお会いする約束をしていました.Nさんとお会いするのは初めてですが,過去にどこかでお会いしたことがあるような既視感を覚えます Nさんは予想よりもずっと若く、スマートな方でした 短い時間でしたが、9階の記者クラブ・ラウンジでコーヒーを飲みながら東京の不動産事情や音楽事情などについてお話しました アメリカのご自宅の近くにカーティス音楽院があり、今や中国の学生に占拠されようとしているとのことです 中国はどこにでも進出していきますね いずれ日本に引き上げてきたらオーケストラの定期会員になりたいが、どこがいいかと尋ねられたので、毎年テーマ性のあるプログラミングをしている東京交響楽団を推薦しておきました せっかくなので10階の記者会見場もご案内しましたが、帰りがけにアメリカ土産のワインとチョコレートをいただきました。Nさんありがとうございました。これからもよろしくお願いします

 

  も一度、閑話休題  

 

昨夕、仕事の関係でテナントCのM氏とHCビル地下のKで飲みました 当方はX部長(名前を衣替えしました)と私です。4時間近く飲んで話し合いましたが,交渉成立ならず,継続審議になりました あ~,きょうも朝から頭イテッ!

 

  3回目の閑話休題  

 

いま夢中になって毎日のように聴いているのはメンデルスゾーンの室内楽です まず,フォーレ四重奏団による「ピアノ四重奏曲第2番ヘ短調」と「第3番ロ短調」です.これは昨年12月8日の彼らのコンサートでアンコール曲として演奏された第2番の第4楽章”アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ”の疾走する演奏がきっかけです これは本当に素晴らしい曲の素晴らしい演奏です

 

          

 

そして,最近購入した「ピアノ三重奏曲第1番ニ短調」と「第2番ハ短調」です.これはヴァイオリン=イツァーク・パールマン,チェロ=ヨーヨー・マ,ピアノ=エマニュエル・アックスによる快演です

 

          

 

そして最後は,これも最近購入したメンデルスゾーンの室内楽全集です 弦楽四重奏曲をはじめ,弦楽五重奏曲,ピアノ六重奏曲,八重奏曲が収録されています.こう書いていて今気が付きましたが,メンデルスゾーンは短調の曲が特に優れているように思います どうしてもモーツアルトの短調を思い浮かべてしまいます 早熟の天才という点で2人は共通しています

 

          

          

メンデルスゾーンといえば「メンコン」すなわち「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」しか頭に浮かばない年月が長く続きましたが,今では室内楽に魅力を感じています

 

          

 

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アリス・紗良・オット,小菅優~11月のコンサート・チケットを買ったぞ!

2012年07月10日 06時48分52秒 | 日記

10日(火)。昨日は午前9時半からアフガニスタンのカルザイ大統領の記者会見が10階ホールで開かれるため8時半に出勤して警戒に当たりました ビル警備隊員とともに、大統領一行、大使館関係、警察関係車両の駐車の整理をしたり、10階会場の空調の稼働状況をチェックしたり、モニター画面でビル内の様子を監視したりしました 多くのSPの見守る中,一行は無事に記者会見を終えて9時10分ジャストに当館を出発しました。政情が不安定な国のVIPの記者会見はいつも気を使います

 

  閑話休題  

 

11月のコンサート・チケットを買いました 1枚は11月5日(月)東京オペラシティコンサートホールで開かれるアリス・紗良・オットのピアノ・リサイタルです.演奏曲目は①モーツアルト「デュポールのメヌエットによる変奏曲へ長調K.573」,シューベルト「ピアノ・ソナタ第17番ニ長調」,③ムソルグスキー「展覧会の絵」の3曲です

 

          

 

あとの2枚は小菅優のピアノ,シェレンベルガ―指揮カメラ―タ・ザルツブルクによるオール・モーツアルト・プログラムです 11月2日(金)が①歌劇「イドメネオ」序曲,②ピアノ協奏曲第21番ハ長調K.467,③ピアノ協奏曲第23番イ長調K.488,④交響曲第41番ハ長調K.551の4曲,3日(土)が歌劇「ドン・ジョバンニ」序曲,②ピアノ協奏曲第20番ニ短調K.466,③ピアノ協奏曲第25番ハ長調K.503,④交響曲第38番ニ長調K.504”プラハ”の4曲です

このコンビによるモーツアルトの演奏会は11月10日と11日にもあるのですが,東京交響楽団の定期演奏会と新国立オペラ「トスカ」の予定が入っているので,残念ながら諦めました 小菅優はベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏会を開いているので,ベートーヴェンに傾注していると思っていましたが,モールアルトの後期のピアノ・コンチェルトを演奏するというので,どこまでモーツアルトの核心に迫る演奏が出来るのか,この耳で確かめたいと思います

 

          

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生と死を考える~ギンレイホールで映画「永遠の僕たち」「ヒア アフター」を観る

2012年07月09日 06時55分28秒 | 日記

9日(月).今日は新聞休刊日.年に数回しかない新聞配達の人たちの休日です われわれサラリーマンは完全週休2日制に慣れていますが,新聞販売店で働く人たちは”新聞奨学生”を含めて1か月に1回程度しか休めないのです それを考えれば,新聞がない淋しさは我慢しなければなりません.新聞配達の皆さん,毎日,早朝からニュースを届けていただきありがとうございます

 

  閑話休題  

 

昨日は小雨の中,飯田橋のギンレイホールに出かけましたギンレイホールは2本立ての映画館で,7月7日から20日までは「永遠の僕たち」と「ヒア アフター」を上映中です 年会費10,500円で2週間に一度2本立て映画が観られるので,ロードショー公開数カ月後の上映ですが,年間52本の映画が観られます 1本当たりたったの202円 とくに土・日は朝から映画好きが押し掛けて7~8割方座席が埋まります

1本目の「永遠の僕たち」は2011年アメリカ映画で,監督はガス・ヴァン・サント.原題は「RESTLESS」です

両親を交通事故で亡くした少年イーノック(ヘンリー・ホッパー)は自分も臨死体験をしており,自分にだけ見える幽霊ヒロシ(加瀬亮)が唯一の友人となっています 見ず知らずの葬式に参列することが趣味のイーノックは,ある日,葬式で少女アナベル(ミア・ワシコウスカ)と出会います.彼女は余命3か月のがん患者でした 残された短い時間の中で2人の交流が続きます

少女アナベルを演じたミア・ワシコウスカという女優は,笑顔やしぐさが菅野美穂にそっくりです 

残念ながら,この映画でクラシック音楽は使われていませんでした

2本目の「ヒア アフター」は2010年アメリカ映画で,原題もそのまま.監督はクリント・イーストウッドです

津波に襲われ脳死体験をしたフランス人ジャーナリストのマリー(セシル・ドゥ・フランス)は,ニュース・アンカーを休み,自らの脳死体験を生かした「ヒア アフター」を出版します 一方,霊能者として活躍していたアメリカ人ジョージ(マット・デイモン)は,霊能者としての活躍に疲れ,肉体労働に汗を流しています もう一方の,交通事故で双子の兄を亡くしたイギリスの少年マーカスは,里子に出されながらも,兄の声を聴きたくて多くの霊能者に会いに行きます そんな中で,マリーとジョージが出会い,ジョージとマーカスが出会い,真実を求めて生き,それぞれが喜びを見出していきます

冒頭の津波のシーンは迫力がありました あらためてこの映画のホームページを見てみると,日本でのロードショー公開は2011年2月19日となっていました.3.11のほぼ直前に公開されていたとは知りませんでした たぶん,3月11日以降に公開予定となっていたら,日本での上映は長期間にわたり延期されていたことでしょう ちなみに「ヒア アフター」とは”来世”のことです.

この映画で使われていたクラシック音楽は何曲かあったようですが,はっきりと分かったのは2曲.1曲は料理教室で生徒のジョージがトマトを刻んでいた時に流れていたプッチーニの歌劇「トゥーランドット」のアリア”誰も寝てはならぬ”です もう1曲は,やはりジョージが出てくるシーンだったと思いますが,何度かラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番」の第2楽章”アダージョ・ソステヌート”が流れました それにしても,マリー役のセシル・ドゥ・フランスは往年の名ソプラノ歌手キリ・テ・カナワによく似ています

この日上映された2本の映画は「生と死」というテーマで統一されていました ギンレイホールは,ただの2本立てではなく,何らかの共通テーマによって上映作品を選んでいるようです.この映画館の館長のこだわりなのでしょう

映画が終わって外に出ると,朝の雨はすっかり上がって青空が見えていて,むしろ暑いくらいでした

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R.シュトラウス「英雄の生涯」を聴く~ダニエル・ハーディング指揮新日本フィル

2012年07月08日 07時44分46秒 | 日記

8日(日)。昨日の朝日夕刊に「ミャンマー 音楽も解放 国立交響楽団 今月復活公演」という記事が載りました 記事によると,

「軍事政権の権力争いから,対外活動の休止に追い込まれていたミャンマー国立交響楽団が今月,復活公演を計画している 指導するのは,日本人指揮者の福村芳一さん(66).民主化の風が吹く中,”名実ともに国を代表するオーケストラに育てたい”と意気込む 交響楽団の設立は2001年9月.軍政の実力者,キンニュン第1書記が発案・主導し,演奏会などを開いてきた だが3年後にキンニュン氏が失脚し,自宅軟禁されて以来,公的活動はできなくなった しかし,今年1月,政治犯の多数釈放に合わせ,キンニュン氏の軟禁も解除された 幻のオーケスオラ復活に向け,福村さんに白羽の矢が立った.彼は80年代後半からはアジアやラテンアメリカに活動を広げ,上海やハノイ,ハバナなどで交響楽団の再建や育成指導にあたってきた.公演当日はベートーヴェン”プロメテウスの創造物”など6曲を演奏する

コンサートで6曲を演奏するということは,まず間違いなく交響曲や協奏曲は演奏しないということです管弦楽曲などの名曲の中から1曲10分~15分位の曲を6曲選ぶのでしょう 福村さんには頑張っていただきたいと思います.考えられるのは演奏者と楽器が揃っていないのではないか,ということですミャンマーといえばアウンサンスーチーさんの国.”経済大国ニッポン”としては,不要な楽器があれば提供するなど支援がほしいところです.日本だって戦後しばらくは諸外国から様々な支援を受けてきたのですから

 

  閑話休題  

 

昨日、すみだトリフォニーホールで新日本フィルの第497回定期演奏会を聴きました プログラムは①シューベルト「交響曲第7番」、②R.シュトラウス「英雄の生涯」の2曲。指揮はダニエル・ハーディング、コンサートマスターは崔文珠です

舞台を見るとチェロとコントラバスが向かって左側に,第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンが左右に分かれて配置されています.これはハーディングがいつも取る「対向配置」です 第2ヴァイオリンが前面に出てきたため,いつもは奥の方でスタンバイしている篠原英和さんが,客席側の目立つ位置でにこやかにほほ笑んでいます.コンサートマスターの崔さんはいつものように椅子の位置を高く設定して中腰に近い形でスタンバイします

1曲目のシューベルト「交響曲第7番ロ短調”未完成”」は,第1楽章「アレグロ・モデラート」と第2楽章「アンダンテ・コン・モート」が約1か月半で作曲され,第3楽章の総譜の2ページ目の途中で絶筆になっています 私は,この曲を聴くたびに,第4楽章まで完成しなくてよかったと思います.天国的な世界です

ハーディングが登場し,タクトで低弦に指示を出します.海の底からメロディーが浮き上がってくるような感じです.クラリネットの重松希巳江さんとオーボエの古部賢一さんが冴えています

休憩後,最初にファゴットの河村幹子さんが一人だけ舞台に登場しあて音を出し始めました しばらくしてから,他のメンバーが登場しました.あの時河村さんが吹いていたメロディーは確か・・・・・思い出せません.アイ・ハブ・ファゴットン

R.シュトラウス「交響詩:英雄の生涯」は,この作曲家の”誇大妄想”と”自虐的なパロディー”に彩られた自画自賛の大曲です

全体の構成は,第1部「英雄」で英雄のテーマが登場,第2部「英雄の敵」で,作曲家に対する批評家の悪口が描かれ,第3部「英雄の伴侶」で,実の妻パウリーネのテーマがヴァイオリン独奏で現われ,第4部「英雄の戦場」で戦争の音楽が展開,第5部「英雄の業績」では交響詩”死と変容”,”ドン・キホーテ”,”ドン・ファン”,”ツァラトゥストラはかく語りき”などのテーマが登場,第6部「英雄の引退と成就」では一人の英雄の人生が平穏のうちに終わります.これら6部は連続した構成になっています R.シュトラウスにかかっては,音楽に出来ないものなど一つもないに違いありません

この交響詩は”誇大妄想”的な曲想に相応しく大管弦楽で演奏されますが,ハーディングのタクトのもと,新日本フィルのメンバーは最大限の力を出して大作曲家の一大叙事詩を描いていました この曲は全体を通してヴァイオリンの独奏が活躍しますが,コンサートマスターの崔さんは見事にハーディングの期待に応え,美しいメロディーを奏でていました ハーディングは何度も舞台に呼び戻され,崔さんと握手,拍手とブラボーに応えていました

 

           

 

ところで,R.シュトラウスの「英雄の生涯」といえば,カラヤン指揮ベルリン・フィルのLPレコードの新譜が出た時,「レコード芸術」誌に”これはカラヤン自身の英雄の生涯ではないか”という批評が出たのを覚えています グラモフォンのレコード・ジャケットを飾ったカラヤンは,黒のレザー・ジャケットに身を包まれ,まるでカー・レーサーのように颯爽としていて”英雄”そのものでした

 

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新日本フィル室内楽シリーズ「音楽家たちの饗宴2012-2013」定期会員継続

2012年07月07日 06時57分58秒 | 日記

7日(土).昨日の朝日朝刊・国際面に「投資の神様,地方紙買い ウォーレン・バフェット氏 米63紙 底値狙う? 地域貢献?」という記事が載りました

ウォーレン・バフェット氏(81歳)といえば,投資の世界では知らない人はいない有名な投資家です 割安と判断した優良企業の株式を買い,長期保有する方式を徹底的に貫いています

そのバフェット氏が最高経営責任者を務める投資会社バークシャー・ハサウェイが,昨年末にネブラスカ州の地方紙を買収し,今年5月にはバージニア州やノースカロライナ州など南東部4州で発行されている日刊や週刊の計63紙の買収を決めたというのです アメリカの新聞社が部数減と広告収入減に悩まされている中で,なぜバフェット氏が新聞を買収しようとしているのか,なかなか理解が出来ません

記事によると,ヒントは「地域密着」にあるといいます.彼が,買収した新聞社の発行人らに出した手紙には,「記事の量を保ち続け,地域生活のすべての面,特にローカルスポーツを十分に報道することが,あなたたちの仕事だ 読者と収益の双方を得るための,紙とデジタルの最適な融合をひねり出すための,最良の考えが欲しい.間違いなく,時代は新聞にとってかつてより厳しい.全米的な発行部数は,劇的に下がり続ける時もあるだろう しかし,米国の新聞が経営破たんしたのは①町に競合紙が2つ以上あった,②読者にとって大事な情報の主要な発信元としての立場を失った,③広く共有されている町のアイデンティティーがない・・・・いずれかの場合だけだ」と書かれています

この手紙の中には「町」という言葉が2回でてきます.一つは「地域密着」を意識していると言えると思います ただし,記事が指摘しているように,今回の63紙の1紙あたりの「市場価値」は2億円に満たないので,市場が地方紙を過小評価していると見たバフェット氏が割安と判断したのではないか,という説も説得力があります どちらにしても,部数減,広告収入減は日本の新聞界でも共通の課題です.バフェット氏が日本の新聞に興味を持って地方紙を買うとしたら,どんな新聞がどんな理由で選ばれるのか,非常に興味があります (実際には,日本の日刊新聞社の株式は公開されていません).

 

  閑話休題  

 

新日本フィルの室内楽シリーズ「音楽家たちの饗宴2012~2013」(前期4回分)の定期会員を継続しました 日程とプログラムは下の通りですが,時間はいずれも午後7時15分からです 毎回午後7時から,新日本フィル第2ヴァイオリン奏者・篠原英和氏による楽しいプレトークがあります これだけだけでも聴く価値がある

第1回 10月24日(水) ①ハイドン「弦楽四重奏曲第62番”皇帝”」,②ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第13番」

第2回 12月4日(火) ①ショスタコーヴィチ「弦楽四重奏曲第8番」,②チャイコフスキー「弦楽六重奏曲”フィレンツェの思い出”」

第3回 1月29日(火) ①ハイドン「フルート三重奏曲第1番~第4番」,②シューベルト「弦楽四重奏曲第13番”ロザムンデ”」

第4回 3月7日(木) ①ドボルジャーク「三重奏曲」,②ベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」

個人的に最も楽しみにしているのは第4回のベートーヴェン「七重奏曲変ホ長調」です.前のシリーズではクラリネットを重松希巳江,ヴァイオリンを山田容子が演奏して,最高に良かったのですが,次回はクラリネットを澤村康恵,ヴァイオリンを竹中勇人が演奏します.違った味が楽しめそうです

座席は,前のシリーズでは8列1番だったのですが,もう少し前の通路側席に変更しました

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初めてのクラシック・コンサートのチケット発掘!~大掃除の成果

2012年07月06日 07時03分00秒 | 日記

6日(金)。昨夕,仕事の打ち合わせでE部長,S元監査役,N監査役と地下の焼き鳥Oで飲みました本当は上野でコンサートを聴く予定があったのですが,E部長に”今日しかない”と押し切られ,気の弱い私はチケット代を犠牲にして涙を飲んでお酒を飲む決意をしました ところが,ふと翌日(今日)の予定を頭に浮かべると,健康診断の2次検査があることを思い出しました 今さら決意を撤回するわけにもいかないので,最初の1杯だけ生ビールを飲んで,あとはウーロン茶でしのぐことにしました

周りの連中はウーロン茶のお代わりをするたびに「健康診断は普段の生活を診てもらうのが正道だ 今さらジタバタしない方がいいい」,「10年後に健康であることを考えるより,今日の幸せを考えた方がいい」,「明日の朝,健保にキャンセルの電話をしておいてあげるから,遠慮なく飲んで」「っちゅうことで」と,金融先物取引の営業担当者のように,ありとあらゆる誘いの言葉をかけてきて,何とか自分たちの仲間に引き入れようと無駄な努力をしましたが,私は頑としてこれを受け付けず,10年後にもコンサートに通える健康を考えて,ひたすらウーロン茶を飲み続けました ぼくってエライ?

話の途中,N監査役が「ブログでE部長とかS元監査役とかイニシャルで書いているが,このビルに勤めている人なら誰でも,E部長が誰かが特定できてしまう アフター・ファイブは同じ人間が毎日のように飲み屋でつるんで飲んでいるように思われるのは心外だ 少なくとも人物が特定できないようにX,Y,Zとか別のイニシャルを使うべきではないか」と主張しました.これにはE部長もS元監査役も「そうだ,そうだ」と同調していました.それなら,というので「X部長,Y元監査役,Z監査役ってなるけど,いいの?」と言うと,「やっぱり特定できちゃうじゃん」ということになりました.「飲んだ日のことは書かないのが最善の道」というのが3人の共通の結論ですが,私の表現の自由を奪わないでください.悪いようにはしないから

ところで,飲んでいる最中,E部長が席を外したかと思ったら,近くの飯野ビルの某店で飲んでいたS協会のH君とT君に「よそのビルで飲んでないで,自分のところのビルで飲め」と半分脅したらしく,2人が恐る恐るやってきました.そうかと思うと,またE部長が居なくなり,N医師を呼んできて,さらにW調剤薬局のW夫妻も呼び込んで,そこに店のO社長が加わって総勢10人の大所帯に膨れ上がりました こうなると収拾がつきません.あっちとこっちで違う話をしています E部長はわが社の総務部長ですが,皆さんご存知のように,実質的な営業部長でもあり,ビルの飲食店舗の営業部長でもあります しかしながら,どこのビルでも地下街の飲食店舗の活性化に腐心している中で,お店の従業員でもないE部長が孤軍奮闘して半ば強制的に客を引き入れようとしても,思ったようにお客が入らないのが悩みの種です PCビルのテナント従業員の皆さん,地下のKが撤退したあと,残った2店のOとRでたまには焼き鳥をつまみに生ビールを飲みましょう 現在,自費で飲めるキャンペーン実施中です・・・・・・いつもと同じじゃないか・・・・・・

結局,私はビールを1杯飲み,そのあとはウーロン茶を7杯飲んで,一人だけシラフで,並み居る酔っぱらい相手に10時過ぎまで話し込んでいたことになります あ~,やだやだ,こんな生活 通販生活・・・・・あ,違うか

 

  閑話休題  

 

どういう風の吹き回しか,娘が突然部屋中の大掃除を初めて3日目になります 今まで部屋そのものがごみ箱と化していたのに比べ,見る見る整理整頓されて,いらない物がいかに多かったか自覚したようです

そうした整理整頓のおかげで,私の”宝物”が発掘されました.一つは高校3年の時の身分証明書です.埼玉県立T高校普通科第41年度生とあります.昭和41年4月入学ということですね.当たり前ですが,写真が高校生です

 

                         

 

もう一つは切手帳です.「切手集」と亡き父の字で書かれていて,父親の名前の隣に私の名前が書き足されています.つづれ織りの切手帳で,片面に父親が集めたと思われる菊のマークが配された日本の切手や諸外国の切手が貼られており,裏面に私が集めた1964年の東京オリンピックの記念切手(国内と外国)が貼られています 切手の脇には「日本武道館」とか「国立競技場」とか、競技の舞台となった建物の名前が私の字で書かれています.書いたことはまったく覚えていません

 

                           

 

           

           

           

                  

         

さて,最後は私がクラシック音楽を聴き始めた頃のコンサートのチケットを張り付けた手帳です たしか京都で買ったはずの和紙の表紙の手帳です.裏表紙に1971年12月~1983年6月と書かれています.この時期は大学2年生から就職して9年目までの期間に相当します.この間110回コンサートに行っています.11年半で110回ですから1年に10回程度のペースですね

お金を払って生まれて初めて行ったクラシック・コンサートは1971年(昭和46年)12月22日,新宿厚生年金会館で開かれた「読売日響名曲シリーズ第69回」で,プログラムはベートーヴェンの「交響曲第9番”合唱付き”」でした 指揮は若杉弘,独唱は伊藤京子,長野羊奈子,五十嵐喜芳,栗林義信といったメンバー.座席は1階B-37とあります

このコンサートはよく覚えています.何せ初めてナマで聴くクラッシック・コンサートで,前から2列目の右端の席でした 第3楽章の後半部分で弦のピチカートがチェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンから第1ヴァイオリンへと段々遠ざかっていって,また近づいてくるのが印象に残っています.大学2年生の時でした

 

          

 

チケット帳によると,この間に聴いた主な海外オーケストラ&オペラは,スタインバーク指揮ピッツバーク交響楽団(72年4月),オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団(72年5月.初めて東京文化会館でコンサートを聴いた),ドレスデン国立歌劇場管弦楽団(73年10月,78年4月×2回,81年7月),カール・ベーム指揮ウィーン・フィル(75年3月),英国ロイヤルオペラ(79年10月),カラヤン指揮ベルリン・フィル(79年10月),ショルティ指揮ロンドン・フィル(80年11月),アルゲリッチ+小澤征爾指揮新日本フィル(81年4月6日),アルゲリッチ・ピアノ・リサイタル(81年4月10日),ドレスデン国立歌劇場オペラ(81年6月),ジャン・ピエール・ランパル(81年9月),小澤征爾指揮ボストン交響楽団(81年11月),ロリン・マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団(82年2月),ベルリン・フィル八重奏団(82年3月)などです

チケットの脇には,当日のプログラムや,一緒に行った人の名前が書かれていて,1回1回のコンサートを懐かしく思い出します

          

           

                 (京都で買った和紙の表紙の手帳)

 

1983年7月以降のコンサート・チケットもどこかに保管してあるはずですが,手帳に貼った記憶がないので,袋にでも入って見えないところに隠れているのだと思います あらためて考えてみると、1971年からコンサートを聴いているということは,40年以上もナマ演奏を聴いてきたということですね.

手帳に書いた記録によると、2004年1月から2011年12月まで合計1482回,2012年1月から同年7月1日まで92回コンサートに行っています.これに1971年12月から1983年6月までの110回を足して、1983年7月から2003年12月までの約20年間の記録を足せばトータルの回数が出るわけですが、手帳かチケットを探し出さなければなりません。そんな暇があったらコンサートに行っているしなあ・・・・・・

 

           

             (上が私の人生観を変えたアルゲリッチのピアノによる

             ラヴェルの「ピアノ協奏曲ト長調」のコンサート・チケット)

 

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希望を次につなげよう!~丸の内消防署「自衛消防訓練審査会」開かれる

2012年07月05日 06時59分07秒 | 日記

5日(木)。昨日、皇居外苑で丸の内消防署主催による「自衛消防訓練審査会」が開かれたので見学に行きました 前日の天気予報では曇りでしたが、朝から暑い青空になりました

一般の方には馴染みがないと思いますが,この審査会は毎年1回、丸の内地区にある各ビルの自衛消防隊の日ごろの消化訓練を審査するもので、今年は男子隊25チーム、女子隊9チーム、警備隊41チームの計75チームが参加しました 男子隊と女子隊,警備隊の2つのコースに分かれて、それぞれの隊の種類別に順位を競います

訓練の想定は「事業所の勤務時間中に地震が発生、その後火災が発生、消火器の初期消火にもかかわらず火勢が拡大し、屋内消火栓による消火活動(ホースを延長)を必要とする火災に拡大した」となっています 審査は初期対応要領(迅速性、確実性)、屋内消火栓操法と各操作のタイムに着眼して行われます。実際にホースから水を出して的を当てて倒します。放水に当たっては相当の圧力がかかるため、うっかりすると手元を離れ、暴れまくります

隊の構成は、指揮者、1番員、2番員の3人一組で、それぞれの行動が計330点満点で採点され、得点順に1位から3位まで入賞隊が決まります

われらがPCビル警備隊の出場順は41チーム中16番目です。午前の部の最後か午後の部の最初かといった微妙な順番なので、現地からの電話を受けて11時少し過ぎに会社を出て皇居外苑に向かいました 現地に着いた時には11番目が演技中だったので、「午前中に順番が回ってくるのでは」と思ったのですが、11時半頃「午前の部は15番まで、16番以降は午後12時25分から審査する」というアナウンスが入り,隊員たちも「せっかくテンションが上がってきたところなのに・・・・」とガッカリしていました 仕方がないのでわれわれ応援団は大手町方面に食事に行って、開始5分前に戻りました。

わが隊の出場者は指揮者:池ノ谷君、一番員:玉田君、2番員:輿石君の3名です。輿石君は今年4月入社のルーキーです

12時25分、午後の部トップバッターとしてわが隊の演技が始まりました 3人とも声も大きく演技もきびきびと順調にこなしています 放水もスムーズにいきました。個人的にはかなりいい線をいっているのではないかと思いました

参加隊が多いので,われわれは一旦会社に戻り,現地からの報告を待つことにしました 結果は41チーム中13位でした。昨年が34チーム中5位だったことからすれば、順位こそ後退しましたが、参加チームが増えたこと、午後の部のトップバッターということでプレッシャーがかかったこと,各チームとも練習を重ねてきて強豪チームが揃っていたこと,と様々な要因がある中での13位ですから、わがチームは良く頑張ってくれたと思います さらに言えば,同じT警備会社から出場した4つのチームの中でわがPCビル警備隊が最高位だったことを勘案すれば,相当優秀な成績を納めたと言っても過言ではないでしょう

私は、ここ1カ月強の間、10数回に及ぶ地下2階駐車場での訓練を見てきましたが、日を追って上達していく3人の姿を見ていて頼もしく感じました。昨日はその成果を十分に発揮してくれたと思います

池ノ谷君;指揮者として分かりやすい声で明確に命令を伝え,動作も俊敏でした.私は練習の時から本番まで終始安心して観ていました

玉田君;演技が終わって感想を聞いた時「ぼくは,ちょっと・・・・・」と逡巡していましたが,外から見ている限り,きびきびとした動作は気持ちの良いものがありました.放水も確実に成功させてくれました.もっと自信を持っていいと思います

輿石君;4月に入社早々,訓練審査会の出場メンバーに抜擢されて初出場となったわけですが,練習から観ていて,驚くべき運動神経と素早い理解力で,短期間によくあそこまで仕上げてくれました.来年に希望がつなげます

個々人のレベルでは、あの時もう少しこうしていたら、など反省点があるかもしれませんが、それは「一つでも上に」と高い目標を掲げる3人だからこそだと思います。それを来年の審査会に生かしてくれれば良いのです.モノは考えようです.いまトップを取ったらあとは守るしかない.でも,来年も目指すべき目標があればやる気も出るでしょう.希望を次につなげよう

あとで優勝順位一覧表が届けられましたが、ベストテンに入っている消防隊は、すべて30階建て以上のビルの自衛消防隊で、警備員数もそれだけ揃っているところばかりです その中で、11階建てのわがビルを警備する10名に満たない隊員の中から選ばれた消防隊が13位の位置にいるということは、ある意味すごいことだと思います

池ノ谷、玉田、輿石の各隊員にはもっと自信と誇りを持ってほしいと思います 昨夜は新橋の焼肉屋で打ち上げ(反省会)をやったと聞いていますが,しばらく身体を休めて、また,今回の結果を踏まえて”次”に備えてほしいと思います

最後に,練習から指導に当たってくれた桧垣隊員,ありがとう それから,日常的に彼らをバックアップしてくれた防災センターの鈴木隊長,小林副隊長はじめ警備隊員の皆さん,ありがとう そして,さらにそのバックアップをして下さった警備会社T社の伊藤取締役,中村部長,田中課長,ありがとうございました.これからもご指導をよろしくお願いいたします PCの応援団の皆さんお疲れ様でした

※当日の審査会の模様は近々,当社のホームページ(下記)で公開予定です.

http://www.presscenter.co.jp

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2036年の世界の人間の苦悩は?~平野啓一郎著「ドーン」を読む

2012年07月04日 06時55分14秒 | 日記

4日(水).昨日は午後4時に歯医者の定期検診を予約していたのですが,朝,健康保険証を家に置き忘れたことに気がついて取りに戻りました 4時の予約は覚えていて5分前に地下の0歯科に行ったのですが,何と診察券を忘れてしまいました 保険証があったので何とかなりましたが,お金を支払う段になって,財布を忘れたことに気が付きました 幸い1万円札をある所に偲ばせていたので,馬鹿を披露せずに済みました それにしても,3重に物を忘れたのはこれが初めてのこと.廊下にビー玉を落とすところがっていく現象,そう,廊下現象を自覚しました・・・・・・座布団取っちまえ・・・・・・・

 

  閑話休題  

 

昨夕は,コンサートの日程が入っていないことを把握しているE部長に「30分だけ」と懇願され,K君を巻き込んで地下のRで飲みました E部長は某テナントに理解不能な動向があるので,それをどう解釈すれば良いのか,私の見解を訊きたいということのようでした いつものように自己流の勝手な解釈を垂れると,E部長はいつものように納得していました.結局”30分”が30分間のことではなく,解散時間が”6時30分”のことになりました これもいつものことです

 

  も一つ,閑話休題  

 

平野啓一郎著「ドーン」(講談社文庫)を読み終わりました 著者の平野啓一郎は1975年,愛知県生まれ.京都大学法学部卒業.98年に大学在学中に文芸誌「新潮」に投稿した「日蝕」が巻頭に掲載され話題となり,99年,同作品によって第120回芥川賞を受賞しました 「ドーン」はその10年後の09年に発表された作品です

「人類初の火星探査に成功し,一躍ヒーローになった宇宙飛行士・佐野明日人(あすと)ですが,火星探索中の宇宙船の中で起こった事件が,地球帰還後にアメリカ大統領選挙を揺るがす大スキャンダルに発展します 一方,泥沼化する東アフリカでの戦争のために恐ろしい生物兵器が生みだされますが,その秘密が女性宇宙飛行士によって暴露されます.舞台となる2036年には,世界中に監視カメラがはりめぐされ,平凡な個々人の行動さえもグーグルのように検索されます.こうした世界で,人類はどのように生きていくのか.人類に希望はあるのか・・・・・・」

この本は文庫本ですが,640ページあります.普通の文庫本の2倍はあります 私はこの本を読むのに2週間かかりました 

 

          

 

ところで,平野啓一郎氏とはメールでやり取りしたことがあります.5年以上前のことですが,活字文化を一般読者にPRするための「パネル・ディスカッション」に平野氏をパネラーとして呼ぶことになり,出演交渉をしました メールでパネルの話のついでに「NHKの週刊ブックレビューに平野さんが出演したときの番組を見た.あの時はショパンとドラクロワを主人公にした”葬送”を書いたときの話をしていらしたが,著書を読むとパリの街のディテールが緻密に書かれていて驚いた」と書くと,平野氏から「あの時は,部屋中にパリの地図やら,略図やら,写真やらを張り付けて,それを観ながら小説を書いていた」と返信がありました.”葬送”を書くために平野啓一郎はパリ漬になっていたのだな.小説家は大変だな と思いました.今では懐かしい思い出です

 

          

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「1対1」の関係~指揮者・飯森範親が語るスティーブ・ジョブズの教え

2012年07月03日 06時47分32秒 | 日記

3日(火).昨日,会社帰りに神保町のチケットぴあに寄ってきました カウンターに「ぴあクラシック2012夏号」があったのでもらってきました.特集は「やっぱり”ベートーヴェン”が好き!」です 注目の公演の紹介やベートーヴェン・トリビアなどをフィーチャーしています ベートーヴェンの使っていた補聴器や,ボンにあるベートーヴェンの生家の写真も載っています.ここには1991年1月,海外出張の合い間に訪ねました.懐かしく思い出します

 

           

 

  閑話休題  

 

1日の朝日朝刊読書欄の「思い出す本 忘れられない本」コーナーに,指揮者の飯森範親が桑原晃弥著「スティーブ・ジョブズ全発言」(PHPビジネス新書)について書いています

スティーブ・ジョブズとは言うまでもなく,昨年秋に亡くなったiMac,iPodの開発者です.飯森はMacには縁がなかったが,この本に出会って共感するところが多かったと書いています

たとえば「すぐれた芸術家はまねる.偉大な芸術家は盗む」というジョブの言葉に対して,飯森も学生時代から盗むことができる音楽家になろうと思っていたとのこと 「ある程度才能があればまねはできる.でも,相手の懐に手を入れられるだけの思慮や洞察が備わっていないと盗めない.そういう本質を突いた言葉です」と述べています

iMacの開発過程で38個の理由を並べて「これは無理だ」と主張するエンジニアに対して,ジョブズは「いや,これを作るんだ」と譲らなかったといいます.その妥協のない信念が大ヒットを生んだわけです

飯森は現在,山形交響楽団の音楽監督を務めていますが,団員から「それは無理ですよ」と言われ続けたといいます 楽団員50人弱の地方の楽団が,大ホールで平日に1回だけ開いていた定期演奏会を小ホールで週末に2回開くようにしたことを一例として挙げています

飯森は語ります.

「僕は,音楽家はサービス業だと信じています 聴いてくださるお客様があってこそ演奏会は成立するからです.2千人のホールなら指揮者とお客様の関係は1対2千ではない.奏者も含め,お客様一人ひとりにどう音楽を届けるかという1対1の関係なんです ジョブズの発言にもこの”1対1”という意識を感じます.iPodで選曲するために”3回以上もボタンを押させるな”という厳しい要求をしたのも,製品の向こうにいるユーザー一人ひとりを大事にしていたからだと思うんです

飯森は東京交響楽団の正指揮者でもあるので,定期演奏会で何度か演奏を聴きました これからは違った目で彼を捉えて演奏に耳を傾けることになりそうです

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ブラームス「ドッペル・コンチェルト」&ベートーヴェン「第7交響曲」を聴く~響きの森コンサート

2012年07月02日 06時55分35秒 | 日記

2日(月).昨日,上野の東京文化会館で「響きの森第31回コンサート~ブラームス&ベートーヴェン」を聴きました プログラムは①ブラームス「悲劇的序曲」,②同「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲イ短調」,③ベートーヴェン「交響曲第7番イ長調」で,演奏は山下一史指揮東京都交響楽団,ヴァイオリン独奏は渡辺玲子,チェロ独奏は長谷川陽子です.渡辺玲子は6月9日に東京フィルとのチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴いて以来ほぼ3週間ぶりです

 

          

 

午後1時半開場ですが,文化会館には時間前から長蛇の列が・・・・・・自席は1階17列12番の通路側で,文化会館の中ではかなり良い席です.会場は5階席までほぼ満席の盛況です

コンサートマスターの山本友重のリードでチューニングが始まります 第2ヴァイオリンにはエンカナ(遠藤香奈子)さんが笑みを浮かべてスタンバイしています

山下一史のタクトが振り下ろされ第1曲目のブラームス「悲劇的序曲」が始まります この曲はブラームスが1880年の夏にオーストリアの保養地バート・イシュル滞在中に,「大学祝典序曲」とともに書き上げた曲です.短い曲ですがドラマチックな心を揺さぶる曲です.オーケストラは渾身の力を込めて演奏します

演奏後,第1ヴァイオリンが一旦舞台袖に下がり,2曲目のブラームス「ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲(ドッペル・コンチェルト)」の準備のためチェロ用の台が運ばれます

この曲は当時,不和状態にあったヴァイオリニストのヨアヒムとの和解を図ろうという意図がありましたヨアヒムとその妻アマーリエとの間に離婚問題が起こった時,ブラームスはアマーリエを励ます手紙を送ったことから,友情にひびが入ってしまったのです ブラームスは,彼と仲直りするきっかけを作るために,ヴァイオリンとチェロという珍しい組み合わせの協奏曲を作曲し,ヨアヒムにヴァイオリンを弾いてもらうようにしたのです

長谷川陽子がパープルの,渡邊玲子がグリーンを基調としたドレスで山下とともに登場,スタンバイします 渡辺は長谷川と並ぶのではなく,斜め後ろに立ちます.あまり目立とうとしない彼女の性格でしょうか.山下のタクトが振り下ろされ,総奏による第1主題が提示され,続いてチェロの独奏が入ってきたとき,「これはいける」と確信しました.コンチェルトの場合,最初に独奏がどのように入るかで,その演奏の善し悪しがある程度分かります.長谷川のチェロは集中力に溢れフル・オーケストラに対峙します       

第2楽章「アンダンテ」はなんと穏やかな曲なのでしょうか ヴァイオリンとチェロが親密な対話を交わしているようです.山下は第2楽章から第3楽章にかけて間を置かず連続して演奏します.軽快な舞曲のようなメロディーが心地よく響きます そして圧倒的なフィナーレを迎えます

指揮者もオーケストラもソリストの長谷川陽子と渡辺玲子を称えます.ブラームスらしい演奏に聴衆も大満足で拍手を惜しみません.

 

           

 

ところで,隣席の高齢男性が終始,身を乗り出して聴いているのです.しかもガムを噛みながら 身を乗り出しても,聴こえる音に違いはないと思うのですが,こういう人は一つ前の席に座ったとしても間違いなく身を乗り出すのでしょうね.悲しい性癖です こういう人は,他人に迷惑をかけていることに気が付いていないのです.座席の位置は人が普通に座っていれば舞台が見えるように出来ているのです.それを不自然に前かがみになったり,頭を左右に傾けたりすると,後ろの席の人が舞台が見えなくなるのです 音楽を聴く者にとって,これは常識です

休憩後のベートーヴェン「交響曲第7番イ長調」は,あの「のだめカンタービレ」で有名になった曲です.この日,コンサートに来た人の中にも,あの番組・映画を見てナマで聴く機会を待っていた人が少なからずいたのではないかと思います

私はベートーヴェンの交響曲の中では,この曲が最も好きな曲ですが,とくに第4楽章フィナーレの高揚感が何とも言えません.チェロ,コントラバスによるうねるような音楽が耳を離れません 都響を聴くといつも思うのは弦楽器の素晴らしさ,とくにヴァイオリン・セクションの美しさですが,この日はチェロ,コントラバスといった低弦の響きが印象に残りました

会場一杯の拍手 とブラボーの嵐に応えて,シューベルトの「ロザムンデ~間奏曲」を穏やかに演奏しました 山下は指揮台に上がらず,手で指揮をしました.プログラミングといい,演奏といい,素晴らしいコンサートでした

 

          

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