11日(水).9日の朝日夕刊の「for your Collection クラシック音楽」で紹介している8枚のCDの中に,庄子紗矢香のヴァイオリンによるショスタコーヴィチ「ヴァイオリン協奏曲第1番,第2番」のCD演奏評が出ていました それによると,
「極限の集中力と共感で曲に付随する政治的な文脈を突き抜け,絶望と希望,憎悪と愛がせめぎ合う人間の深淵へとまっすぐに.ドストエフスキーを読むような聴きごたえ」
と書かれています.このCDはかなり前に手に入れて聴いていたので,”極限の集中力と共感”という部分は分かるような気がします また,ショスタコーヴィチはスターリン独裁政権下で,社会主義リアリズムの旗印のもと,本当に書きたいことが制約されていたにもかかわらず,後世に残る音楽を作ったことも理解できます
しかし,最後の”ドストエフスキーを読むような聴きごたえ”というのがよく理解できません.私がこの演奏を聴いた時にはそのような言葉は頭に浮かんで来ませんでした.ある演奏を聴いた感想を他人にも分かる言葉で表すことの難しさを痛感します
閑話休題
昨日の朝、当ブログに時々コメントを寄せてくださっているNさんが当社に私を訪ねてみえました Nさんは現在フィラデルフィアにお住まいで、ご実家がちょっとした不動産経営を手がけており、その関係で1週間ほど帰国した今回の機会にお会いする約束をしていました.Nさんとお会いするのは初めてですが,過去にどこかでお会いしたことがあるような既視感を覚えます
Nさんは予想よりもずっと若く、スマートな方でした
短い時間でしたが、9階の記者クラブ・ラウンジでコーヒーを飲みながら東京の不動産事情や音楽事情などについてお話しました
アメリカのご自宅の近くにカーティス音楽院があり、今や中国の学生に占拠されようとしているとのことです
中国はどこにでも進出していきますね
いずれ日本に引き上げてきたらオーケストラの定期会員になりたいが、どこがいいかと尋ねられたので、毎年テーマ性のあるプログラミングをしている東京交響楽団を推薦しておきました
せっかくなので10階の記者会見場もご案内しましたが、帰りがけにアメリカ土産のワインとチョコレートをいただきました。Nさんありがとうございました。これからもよろしくお願いします
も一度、閑話休題
昨夕、仕事の関係でテナントCのM氏とHCビル地下のKで飲みました 当方はX部長(名前を衣替えしました)と私です。4時間近く飲んで話し合いましたが,交渉成立ならず,継続審議になりました
あ~,きょうも朝から頭イテッ!
3回目の閑話休題
いま夢中になって毎日のように聴いているのはメンデルスゾーンの室内楽です まず,フォーレ四重奏団による「ピアノ四重奏曲第2番ヘ短調」と「第3番ロ短調」です.これは昨年12月8日の彼らのコンサートでアンコール曲として演奏された第2番の第4楽章”アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ”の疾走する演奏がきっかけです
これは本当に素晴らしい曲の素晴らしい演奏です
そして,最近購入した「ピアノ三重奏曲第1番ニ短調」と「第2番ハ短調」です.これはヴァイオリン=イツァーク・パールマン,チェロ=ヨーヨー・マ,ピアノ=エマニュエル・アックスによる快演です
そして最後は,これも最近購入したメンデルスゾーンの室内楽全集です 弦楽四重奏曲をはじめ,弦楽五重奏曲,ピアノ六重奏曲,八重奏曲が収録されています.こう書いていて今気が付きましたが,メンデルスゾーンは短調の曲が特に優れているように思います
どうしてもモーツアルトの短調を思い浮かべてしまいます
早熟の天才という点で2人は共通しています
メンデルスゾーンといえば「メンコン」すなわち「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」しか頭に浮かばない年月が長く続きましたが,今では室内楽に魅力を感じています