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人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

矢崎彦太郎+フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団でシベリウスを聴く

2015年09月20日 08時00分37秒 | 日記

20日(日).わが家に来てから345日目を迎え,安保関連法案が成立した紙面をかじるモコタロです

 

          

          安倍さんの顔 歪んでるし・・・ ン? 紙面が歪んでたの?!

 

  閑話休題  

 

昨夕,池袋の東京芸術劇場でフィルハーモニックアンサンブル管弦楽団の第59回公演を聴きました 今年はシベリウス・イヤー(生誕150周年)ということで,オール・シベリウス・プログラムです.演奏するのは①交響曲第7番ハ長調,②ヴァイオリン協奏曲ニ短調,③交響曲第1番ホ短調で,②のヴァイオリン独奏は山根一仁,指揮は矢崎彦太郎です フィルハーモニックアンサンブル管弦楽団は1976年に立教大学交響楽団OBにより結成.1979年に初の主宰演奏会を開催するにあたり広く門戸をひろげ,以降,一般の社会人オーケストラとして自主運営活動を続けています

 

          

 

自席は2階J列11番,センター左ブロック左から2つ目です.ステージ後方の東京芸術劇場自慢のパイプオルガンは,モダーン面を見せています 会場はほぼ満席.アマチュア・オケなので演奏者の家族・友人・知人が多いことが想像できます.オケのメンバーが入場します.コンマスは今年までN響第2ヴァイオリン首席を務めてきた長峰高志氏です オケは左から第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,その後ろにコントラバスという態勢をとります

1曲目の交響曲第7番はシベリウス最後の交響曲です.大きな特徴は単一楽章による22分程度の短い曲だということです 後で演奏する第1番が約40分かかることから比べると,作曲年代が遅くなるほど短く簡潔になるようです シベリウスは交響曲第8番も作曲したらしいのですが,どうも気に入らなかったようで楽譜を燃やしてしまったようです その後,生涯最後の28年間はまったく作曲活動を止めてしまいました.「国民的作曲家」として手厚い年金生活を保障されて,新しい曲に挑戦する飢餓感がなくなってしまったのでしょうか?簡潔ながらシベリウスの魅力が詰まった第7番シンフォニーを聴いていて残念に思いました

最後の音が鳴り終って,指揮者のタクトが下りてから大きな拍手が起こりました これが普通なのだと思います.しかし,見た限りでは「シベリウスの第7交響曲を1度でも聴いたことがある聴衆が極めて少なく,曲が終わったのかどうか分からず,周りの様子を覗って,他の人が拍手を始めたので,やっと安心して拍手をした聴衆が多かった」ように思えました.どっちにしても,結果的には良いことです

2曲目のヴァイオリン協奏曲の演奏開始前に,若干オケの編成変えがあったのですが,コンマスを含めて楽員がスタンバイしている時に,遅れた何人かのヴァイオリン奏者が走ってきて配置に着いたのはみっともないと思いました それも一人や二人ではありませんでした.プロはこういうことは滅多にありません.入場料を取っているのだからしっかりしてほしいと思います

ヴァイオリン協奏曲の演奏のため,ソリストの山根一仁が登場します.2階席から見下ろした彼は,「ベルサイユのバラ」のオスカルのようなイケメンです 隣席の中年女性はオペラグラスを手に”私のオスカル”だけを注視しています

この曲の大きな特徴は全体の半分を第1楽章が占めていることです ヴァイオリン協奏曲の王様,ベートーヴェンのそれを意識したのでしょうか.オスカル山根の演奏を聴いていて思ったのは「弱音の美しさ」と「切れ味の鋭さ」です アサヒ・スーパー・ドライじゃないけれど『コクがあるのに切れがある』のです この曲は超絶技巧を要する難曲なので,よけいモタモタしている暇のない,鋭い切れ味が求められる曲なのです.私はこの曲の全ての楽章が好きですが,特に好きなのは第3楽章冒頭のティンパ二と低弦によるリズムです ここを聴くと,シベリウスは良いなあ,とつくづく思います

会場一杯の拍手とブラボーに,オスカル山根はバッハの「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」から「サラバンド」をニュアンス豊かに演奏しました 熱くなった聴衆の心を落ち着ける見事なクールダウンの選曲です

 

          

 

休憩後に自席に戻ると,隣席の”オスカル・命”の中年女性が居ません どうやらオペラグラスでオスカル山根を堪能したら,あとはどうでも良くなってお帰り遊ばしたようです 要するにミーハーなわけね.いいんですよ,あなたは誰にも迷惑をかけていない.気を付けて帰ってね

さて交響曲第1番です.第1番と番号が振られていますが,シベリウスが実際に最初に作曲したのは「クレルヴォ交響曲」です.しかし,この曲は作曲者本人の意向で演奏禁止になりました 

4つの楽章から成りますが,第1楽章冒頭のクラリネットのソロは感動的です シベリウスの生まれ故郷フィンランドには行ったことがありませんが,北欧の”冷たい空気感”を感じさせます.その言葉はこの曲全体を通して感じます 

管楽器も弦楽器も頑張っています.私がとくに印象に残ったのは,オケの中央で構えて演奏する女性のティンパ二奏者です プログラムに掲載されたメンバー表によると,平井麻由香という人のようです.この曲に限らずシベリウスの交響曲は,ティンパ二がそこかしこで重要な役割を果たします.彼女は重責を全うしていました

演奏後,指揮者・矢崎彦太郎がマイクを持って登場しました 珍しいことです.

「東京藝大で学んだ頃,フィンランド人を母として生まれた渡邉暁雄先生に学びましたが,先生は『ベートーヴェンの交響曲を演奏するには,彼の弦楽四重奏曲を全て聴いていなければならない どの弦楽四重奏曲でも良いからオーケストラ用に編曲してみなさい』と言われてチャレンジしたことがあります.その先生が『シベリウスは交響曲と交響曲の作曲の合間に,小さな良い曲をたくさん作曲している.そういう曲も演奏してほしい』と言われました.その中の一つに『白鳥の姫』という小さな組曲がありますが,第2曲目は『ハープ』という曲です 今日は,日本のハープ演奏の草分け的な存在である篠崎史子さんにゲスト出演していただいているので,この曲をアンコールに演奏したいと思います

として,篠崎さんを紹介し,さっそく『ハープ』の演奏に入りました.弦のピチカートと管楽器に乗せてハープが美しい音楽を奏でていきました 演奏後,指揮者,コンマス,篠崎さんに花束が贈られましたが,良いですね,こういうシーンは オーケストラからの感謝の気持ちが伝わってきます

 

  も一度,閑話休題  

 

この日に出演したオスカル山根が演奏するコンサート・チラシがあったのでご紹介しておきます.トッパンホールの「ニューイヤーコンサート」です

 

          

 

次回のフィルハーモニックアンサンブル管弦楽団のコンサートは「炎のコバケン」が振ります.熱い演奏になるでしょう

 

          

 

わたしも聴きに行きたいのですが,どういう訳か,ピンポイントでこの日に東京交響楽団のコンサートが入っているのです.私の場合よくあることですが,非常に残念です

 

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「立川談志まくらコレクション」を読む~天才落語家のフリー・トーク

2015年09月19日 11時17分39秒 | 日記

19日(土)。昨夕、浅草の「ボナ・フェスタ」というロシア料理店で美女3人と会食しました 地元のHさんのお薦めのお店です.都営浅草線で浅草まで出て徒歩で数分のところにお店はありました.私の隣にKさん,前にHさんとMさんが並びました.予約なしで行ったので,その場でドリンク2杯付の”当店お薦めコース”を選びました MさんとHさんはスパークリンク・ワインを,Kさんはサワー系の飲み物を,私は赤ワインを選び,早速乾杯しました が,いったい何に?

最初はアミューズグールです.上に貝柱の揚げ物が,下にコールスル―が入っていて,とても上品な味がしました

 

          

 

次に出されたパンは中にトマト風味の詰め物が入っていて,これも絶品です

 

          

 

次は生ハムとコーンポークの盛り合わせです.新鮮で美味しい

 

          

 

次はいよいよ待望のボルシチです.ボルシチはたぶん初めて食べますが,牛肉と玉ねぎが入ったトマトベースのスープです.これも絶品

 

          

 

そして,ロシア風キャベツロールのトロトロ煮.ボリュームたっぷりで,軟らかくて美味しい

 

          

 

デザートはアイスクリーム,グレープフルーツ,ブルーベリー(大きい!),キャラメルプリンの盛り合わせ

 

          

 

ロシアンティーにはタップリとストロベリージャムを入れていただきました

 

          

 

パンをお代わりしたり,他の3人の2杯目のドリンクをいただいたりしたのでお腹がいっぱいになりました 食後,Hさんが持参したアイパッドで写真を撮りまくりました 私の両隣に美女が入れ替わり立ち代わり座って写真を撮り,まさに”両手に華”の『独占・男の時間』を味わいました もうこんな”良い思い”は今後二度とないかもしれないな,などと思わずニヤケてしまいました 2時間くらいお店で楽しいひと時を過ごしましたが,その時の証拠写真はHさんのアイパッドの中に閉じ込められていて,私の手許にはありません 連休明けにメールで送ってもらわねば

お店を出た後,背中が痛くて整骨院に通っているKさんが先に帰り(超寂しい!),残る3人でタクシーで上野に出てカラオケを歌いました 最初は1時間半の予約で個室に入ったのですが,時間の経つのが速く,30分を2回延長して,結局11時半頃まで飲んで歌いまくりました Hさんの「六本木心中」はやっぱりうまいなあ圧倒されでしまいます.Mさんの「思い出枕」は思い入れたっぷりだったなあ 私はジュリーや高橋真理子の歌を歌ったけど,誰も聴いていなかったなあ 

Hさん,Mさん,Kさん,昨夜は楽しいひと時をご一緒させていただき,ありがとうございました また同じメンバーで飲み且つ食べに行きましょうね ということで,わが家に来てから344日目を迎え,オヤツをねだるモコタロです 

 

          

           ぼく 堅あげポテトなんて食べられないよ オヤツちょうだい!

 

  閑話休題  

 

コンサートのチラシの束にこういうの( ↓ )が入っていたので,お知らせします

 

          

 

この日,私は同じ東京文化会館でも小ホールの方で開かれるベートーヴェン「弦楽四重奏曲9曲演奏会」の方に行くので,残念ながら上の公演は聴けません

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

立川談志著・和田尚久構成「立川談志まくらコレクション」(竹書房文庫)を読み終わりました 当ブログの読者であれば、落語家の立川談志師匠が集めた「よく眠れる枕のコレクション」の話でないことは理解していますね 言うまでもなく、「まくら」とは本題に入る前に語られる、落語家によるフリートークのことを指します 「枕詞(まくらことば)」から派生した言葉なのでしょう。この本では昭和40年(1965年)から平成17年(2005年)までの40年間に立川談志師匠が演じた落語の「まくら」だけを集めたものです

 

          

 

「まくら」はそれぞれの時代を反映して時事ネタが組み込まれている話が多いのですが、意外だったのは談志師匠が衆議院議員選挙に当選した年が昭和46年(1971年)と、ずいぶん昔のことだったことです。もっと最近のことだと思っていました

平成4年の落語のまくらで,ある大阪の落語家とのやり取りを語っています その落語家が自分の落語は”ウケる”と言っているのに対し,談志師匠は「3日おいてもいい,1か月おいてもいい.同じことを二度繰り返してごらん.笑わなくなるよ」と言い,次のように諭しています

「つまりね,あなたの言う,ウケるからいいというのを条件にしておくとね,ウケてる時は良いよ,ウケないと困るでしょ?そんときにそうじゃなくて,理屈っぽいようだけども,落語というのは,こうこうこういうもんだから,こっちから攻めているんだ,ここを守っているんだ,というのがあるとね,これ,迷わずに済むでしょ?あんた,ウケなくても ウケないというのは,一つの演技の方法とか内容がこうなったからだと認識できるよね

師匠は,落語はただウケれば良いと言うものではないという,落語に対する心構えを語っている訳ですが,やはり,一本筋が通っていないと,相手(お客さん)によってブレが出てくるという事でしょう

平成5年の落語のまくらでは,自分の芸の分析をしています

「なんて言いますかな,わかりやすく言うと,『おれ好みの芸』なんだな,おれは(爆笑・拍手).こういう言い方すると一番わかるでしょ?『おれ好み』なんだ 観客とのバランスとか,ラリーとか,それから自分の置かれた状況に対するアドリブの対処とか,無茶苦茶ななり方とかね そりゃあそうだろうな.『おれ好み』の芸が,おれ好みで演った時には,そりゃいいよなあ,おれには(笑).そっちにとっては,どうだかわかんない

相当な自信家であることは疑いようがない師匠ですが,平成7年の落語のまくらでは,奥さんとの会話が語られています

「ここのところ,あんまり落語演ってないんですけどね.ただ,歩きながら,いつも演ってんだ(笑).それから,寝る前に女房に向かって演ったりなんかして(笑)」

『寝られないから,聴かせておくれ』って言うんだ,落語を(爆笑・拍手).おれはしょうがねえから,そこで,落語演るわけだ,こうやってな.すると寝入っちゃうね,グーッとね(笑)

『どの辺から寝たの?』って聞いたら『わかんないー』だって(笑).

「凄いぞぉ,うちの女房は.彼女の語録を紹介しようと思ってね」

『パパ,お金持ってんでしょ』

『持ってるよ』

『じゃ,何で,落語なんて演るの?』

『・・・・・』

『お金が欲しいの?』

『金なんぞ,欲しくない』

『だったら,演んなきゃいいじゃないの』

『・・・・だけど,落語やらないとなあ』

『ああそう,演んないとおさまんないの,じゃあ,小さな声で演ったら』(笑)

『つい演っちゃうんだ』

『それが駄目なのね』って言ってたよ.

「そうなんだね.つい演っちゃうってのがね.だんだん彼女の方が真理じゃねえかって,思うようになってね

天才・談志師匠も奥さんにはかなわないようですね

ずっと時代が近づいてきて,平成17年の落語のまくらでは,独特の”文化文明論”を展開しています

「わたしの健康状態は,医者さえいなければ元気という状況でして(笑) 医者に脅かされているんですね ・・・・・医者の話の戻るけどね.数値ってのに,皆,脅かされている部分があるんじゃないかな つまり,わたしは,形式的には文化人なんですよね.医者は,文明の側なんですよね.わたしの方には,あんまり,文明はないです.文明ってのは,人類の一番先端にいて,生活を楽にする行為です.より多く,より早く.それに対して,残されたものに,潤いを与えるものを文化と言う わたしは,そういうふうに勝手に定義しているわけです.つまり形式的には文化人であるおれが,文明に怯えているんですね この矛盾.内容的には,死んだってイイじゃねいかって言ってんだけどね.そのくせ脅えがある.死ぬまでのプロセスが嫌なのかね.実に困ったもんです

こういうことを落語のまくらで語れるのは談志師匠しかいないでしょう 今さらながら,一度でいいから師匠の落語を寄席で聞いてみたかったと思います

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カルミナSQ、エルディーティSQ、エクセルシオ、オペラの楽しみのチケットを買う

2015年09月18日 07時23分42秒 | 日記

18日(金)。昨夕、当ビルの警備・清掃業務を委託しているT社の幹部6人と当社の専務以下5人とで、四谷にあるT社のB別館で会食しました 夕刻,小雨が降っていたことから,タクシーに分譲(?)して四谷に向かう途中,憲法学者から「憲法違反」というお墨付きの安保関連法案反対の多くの集団に出逢いました 地下鉄の「国会議事堂前駅」や「永田町駅」の周辺には多くのデモ参加者と警察官が歩道にひしめいていました

最初にビールで乾杯し その後は各自が好きなお酒を呑みましたが,気の弱い私は,勧められるままに「一ノ蔵」などの日本酒 や赤ワイン をいただきました.料理も美味しく時間があっという間に過ぎていきましたが,最近,急進性アルツハイマー的症状が進んでいる私は,何の話で盛り上がっていたのか,とんと思い出せません 思い出せるのは,Nさんのご子息が私の息子と同じ大学(TUS)の大学院を出ているという話です.途中で話がかみ合わないなと思ったら,Nさんのご子息は生物工学部出身で私の息子は基礎工学部在学中でした

そのほかには,I 常務が実に場を盛り上げるのが上手な楽しい人ですが,私のブログも時々読まれているようで「発言に気を付けないと、ブログに書かれちゃうからなあ」と言われていました。2時間以上も楽しく呑んで騒いで,オミヤまでいただいて解散しました.その後はX部長と,T社のNさん,Sさん,Tさんを誘ってタクシーで都内某所(上野とも言います)に移動し,採点なしで10時半頃までカラオケを歌いました 今朝起きたら咽喉が痛くてたまりません 実を言うと火曜日は元職場〇〇協会OB会の「お疲れさん会」で飲み、水曜日は読響のコンサート、昨夕がこの懇親会、今夜は美女3人と「ロシア料理を食べて飲む会」が控えていて、胃の休まる日がありません 

T社のM副社長,I 常務,N執行役員,Sさん,Tさん,Oさん,楽しいひと時をありがとうございました.これからもよろしくお願いいたします ということで、わが家に来てから343日目を迎えたモコタロです 

 

          

          夕べご主人が持ち帰ったT社のオミヤだよ ぼくにも分けてね

 

  閑話休題  

 

最近,出勤前や就寝前に新聞を読みながら聴いているのは,松田華音デビュー・アルバムです ベートーヴェンの「ワルトシュタイン・ソナタ」,ショパンの「バラード第1番」などが収録されています

 

          

             今年4月7日のリサイタルでサインをもらったCD

 

最近,不思議に思ったのは,聴く時によって印象が変わることです 一昨日の朝などは,ワルトシュタインを聴いていて「なんて荒っぽい演奏なんだろう!」と思いましたが,昨日の朝は「なんて素晴らしい演奏なんだろう」と思いました どうやら前日の夜の過ごし方に問題があるように思います 前日に”悪い酒”を呑むとどうも体調が悪く,脳や耳に悪影響が及び,演奏が荒っぽく聴こえるようなのです 反対に,昨日は,その前夜に読響の「良い演奏」を聴いたので,朝からスッキリした気分だったのです

 

          

 

ところでこのCDに集録されている音楽は,どれもが素晴らしい演奏なのですが,いつ聴いても鳥肌が立つのはシューマンが作曲しリストがピアノ演奏用に編曲した「献呈」です この選曲には松田華音の思い入れがあるようで,CDジャケットの解説の中で,「故郷の高松の人々,モスクワの人たちに,これまでずっと自分を支えてくれたことに対する『ありがとう』の気持ちを込めて選んだ」と語っています 4分18秒の演奏の中に込められた彼女の想いが力強くもしみじみと伝わってきます

最後に収録されているパッヘルベルの「カノン」は,彼女自身の名前”華音”に引っかけて選んだものでしょう.こんなところに彼女のセンスの良さを感じます

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

チケットを4枚買いました いずれも第一生命ホール主催のコンサートで、先行予約受付を利用してネットで手配しました 1枚目は12月5日(土)午後2時から開かれる「カルミナ弦楽四重奏団」のコンサートです 12月5日のモーツアルトの命日に因んで、オール・モーツアルト・プログラムです

 

          

 

2枚目は来年2月20日(土)午後2時から開かれる「エルディーティ弦楽四重奏団」のコンサートです プログラムは①メンデルスゾーン「弦楽四重奏曲第2番イ短調」,②ベートーヴェン「同・第15番イ短調」です

 

          

 

3枚目は3月13日(日)午後2時から開かれる「クァルテット・エクセルシオ~アラウンド・モーツアルトⅠ」コンサートです プログラムは①サンマルティーニ「弦楽のためのシンフォニア・ト長調」,②モーツアルト「弦楽四重奏曲第6番変ロ長調」,③サリエリ「同・第14番ト長調」,④モーツアルト「同・第14番ト長調」,⑤同「弦楽五重奏曲第3番ハ長調」です ⑤はヴィオラに読響主席の柳瀬省太が加わります.チラシによると,第1ヴァイオリンの西野ゆかの名前があるので,いよいよ”職場復帰”となるのでしょうか

 

          

 

4枚目は3月27日(日)午後2時から開かれる「オペラの楽しみ~コジ・ファン・トゥッテ」です モーツアルトのオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」をピアノ伴奏によって歌う試みです.出演は林美智子,澤畑恵美,鵜木絵里,望月哲也,黒田博,池田直樹でピアノは川原忠之です

 

          

 

私が同じ会場だけのコンサートを選ぶのは珍しいことです。最近の第一生命ホールの企画はヒットです

 

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下野竜也+上村文乃+読響でハイドン「時計」「チェロ協奏曲第1番」を聴く

2015年09月17日 07時04分56秒 | 日記

17日(木).わが家に来てから342日目を迎え,安保法案の行方よりも藁のボールの行方の方が気にかかるモコタロです 

 

          

 

夜が明けて,今朝の朝日朝刊の見出しによれば,安保法案はまだ決着していないようです ↓

 

          

 

  閑話休題  

 

昨夕,よみうり大手町ホールで「読響アンサンブル・シリーズ」第7回公演を聴きました オール・ハイドン・プログラムで①王立音楽家協会のための行進曲,②チェロ協奏曲第1番ハ長調,③交響曲第101番ニ長調”時計”です.②のチェロ独奏は上村文乃,指揮は下野竜也です

 

          

 

このシリーズは7時半の開演に先立って7時から「プレ・トーク」があります 読売新聞の女性編集委員Sさんが出演者にインタビューするのですが,今回の相手は指揮者・下野竜也です 名前は「しもの・たつや」と読みます.ついでに栃木県の地元紙「下野新聞」は「しもつけ・しんぶん」と読みます.「小さな親切・大きなお世話」でしたか?インタビューの内容は指揮者の人物紹介,演奏曲目の紹介が中心です 下野は日本の指揮者としては珍しく音楽大学ではなく鹿児島大学の出身です.社会が好きで学校の社会の先生になりたかったそうです.途中で,小さい頃からやっていた音楽の道に進むことを決心したとのこと 1曲目のハイドン作曲「王立音楽家協会のための行進曲」が滅多に聞かない曲名であることから,それについて訊かれ,「私のコンサートはあまり演奏されない曲目を上演するので,お客さんが少ないことで有名ですが(笑),今日は満席ということでありがとうございます」と自虐的に自己PRをしていました やり取りの中で面白いと思ったのは,3曲目に演奏する交響曲第101番”時計”は1794年に完成しましたが,モーツアルトの最後の交響曲第41番”ジュピター”よりも後に作曲されたという事実です モーツアルトは,妻コンスタンツェとその母親に毒を盛られ,1791年12月5日に死去しています つまり,交響曲作曲家の系譜はハイドンーモーツアルトーベートーヴェンと言われていますが,そう単純なのもではなく,3人はほぼ同時代に活躍していたので,ハイドンがモーツアルトの後期の交響曲の影響を受けて後期の交響曲を作曲したと言える,ということです

ステージ上は,なぜかティンパ二奏者だけが左奥にスタンバイしていますが,他の楽員は出てきません おかしいな?!と思っていると,ティンパ二奏者が行進曲風のリズムを叩き始め,それに合わせて舞台の左右からオケのメンバー30数名が入場してきました 左から第1ヴァイオリン,ヴィオラ,チェロ,第2ヴァイオリン,その後ろにコントラバスという対向配置をとります コンマス・小森谷巧のリードにより「王立音楽家協会のための行進曲」が元気溌剌に演奏されます.しかし,指揮者が登場しません すると,舞台左袖から両手で読売新聞の社旗を掲げた下野竜也が曲に合わせて行進して入場してきました 下野は社旗を掲げたまま舞台を下り客席の通路を一巡してまた舞台に上がりました.下野一流のサービス精神です 客席はヤンヤの喝さいです.先日も新日本フィルの演奏会でヴァイオリン奏者と一緒にライン・ダンスを踊っていました

オケが縮小して15人ほどのこじんまりした態勢になります.ハイドンの時代にはそれが普通の編成だったのでしょう チェロの演奏台が中央に運ばれ,ソリストを待ちます.拍手の中,上村文乃がスカイ・ブルーの鮮やかなドレスで登場,スタンバイします 下野が背が低いので上村がかなり大柄に見えます.ところで,チェロ協奏曲第1番ハ長調の大きな特徴は,作曲から200年経った1961年に楽譜が発見されたことです 3つの楽章から成りますが,ハイドンらしく明るく歌心に満ちた曲想です.上村は明るい音色を響かせて雄弁にハイドンを歌い上げます 現在スイスのバーゼル音楽院に留学中の彼女の演奏姿を見ていて,若さって素晴らしいなと思いました.上村はアンコールに応え,バッハの無伴奏組曲第3番から「ジーグ」を快活に演奏しました

 

          

 

15分間の休憩後は交響曲第101番”時計”です.オケが再び拡大します.『時計』という愛称は,第2楽章の規則的なリズムが,時計の振り子を思わせることから付けられたもので,ハイドンの存命中からそのニックネームで呼ばれていたようです 私の世代では,J.B.ハリスのラジオ講座「百万人の英語」のテーマ・ミュージックとして頭にインプットされています ついでに言えば,旺文社の「大学受験ラジオ講座」のテーマ・ミュージックはブラームスの「大学祝典序曲」でした.ああ,懐かしか~

私はこの曲を聴くに当たって,下野は第2楽章をどのように解釈して演奏するのかに重点を置いて聴くことにしました 第1楽章「アダージョープレスト」が終わり,その第2楽章「アンダンテ」に入りました.意外に思ったのは冒頭からスタッカート気味に速いテンポでグングン押していったことです 「百万人の英語」で聴いたテンポはもっとゆったりしていました.在来線と新幹線の違い,もっと大きく言えば,昭和と平成のスピード感の違いと言ったら良いのでしょうか しかし,この楽章を通して下野+読響の演奏を聴いていくと,冒頭の速めのテンポは高い計算の上に成り立っていることが分かってきます ハイドンはこの1つの楽章の中に様々な要素を仕掛けています.音楽の変化は百面相と言っても良いかも知れません.下野は自ら音楽することを楽しみながら,オケから千変万化する音楽を引き出していきます その流れに乗って,第3楽章も,第4楽章も生き生きとハイドンの魅力を引き出します

実に楽しい痛快な演奏でした.久しぶりにハイドンの素晴らしさを再認識しました 「良い演奏」というのは,その作品を作った作曲家の偉大さを再認識させるような演奏のことを言います その意味で,この日の下野竜也+読響のハイドンは「良い演奏」の典型でした

 

          

 

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スクロヴァチェフスキ+読売日響のブルックナー「交響曲第8番」のチケットを買う

2015年09月16日 07時15分19秒 | 日記

16日(水).昨日,元の職場〇〇協会のOB会の定時総会があり,幹事として出席しました.昨年の総会は,〇〇協会事務局主催の懇親会が中止になったことから紛糾し,協会事務局と老齢OB連中との間に挟まれたわれわれ幹事団は,言われのない誹謗中傷を浴び,ボランティアの幹事を辞めてやろうかと思いましたが,ほかに誰もやらないのが実態なので,これまで続けてきました.今回の総会では,「懇親会がなくなり,多大な労力をかけて10分程度で終わってしまう総会を開く意味がどれほどあるのか疑問である.年会費を徴収することや慶弔関係にかける手間暇が大変なので止めたい.年会費は徴収せず現在ある積立金から補助しながら会費制の懇親会を開いていく.積立金がなくなった時点で現幹事団は解散する」という提案をしました.予想した通り,昨年も出た「〇〇協会の幹部に出席を求めたのか」とか「いい加減な提案だ」とか,言いたい放題の意見が出されました.幹事をやったことのないノー天気なOB連中に怒り心頭に達したので,「問題は誰がやるのかということだ!」とどなりました.自分たちは幹事ではないので言いたい放題言っていれば良いので,”高みの見物,幹事のお手並み拝見”を決め込んでいる訳です.私が一番嫌いな人種はこういった「言いたいことは言うが,やるべきことはやらない」人たちです.結論的には収まるべきところに落ち着いた感じですが,これからも幹事を続けなければならないことには変わりはなので,マンションの管理組合の理事長という立場とともに,どうして自分ばかりが無報酬でこういう面倒なことばかりやらされるのか,と納得できない毎日が続きます.と言いう訳で,わが家に来てから341日目を迎え,リビングの片隅でたたずむモコタロです 

 

          

                 ぼくの現在の悩みは抜け毛問題です

 

  閑話休題  

 

新国立劇場から「2015/2016シーズン ポイントアップサービス」の選択アイテム『共通プログラム券』(5枚)が送られてきました 新国立オペラのプログラムは1部1,000円なので5,000円相当分です.これは助かります

 

       

 

嬉しいニュースは,「抽選アイテム」の「オペラ公演ゲネプロ見学会」に当選したという通知です ダメ元で来年3月31日(木)午後2時からのマスネ「ウェルテル」ゲネプロ見学会に応募していたのですが,それに当選したのです 前回もコルンゴルトのオペラ「死の都」のゲネプロ見学会に当選したので2回連続です

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

巨匠スクロヴァチェフスキが読売日響を指揮してブルックナーの「交響曲第8番」を演奏するというので、チケットを買いました 来年1月21日(木)午後7時から池袋の東京芸術劇場です 巨匠は今年91歳。これが最後の来日公演になるかも知れません。渾身のブルックナーを期待します

 

          

 

読響と言えば,常任指揮者カンブルランの契約が3期目(2016年4月~2019年3月)も継続することが決まったとのことです。御同慶の至りに存じます

 

          

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METライブビューイング2015/2016シーズンの概要明らかになる

2015年09月15日 07時00分12秒 | 日記

15日(火)。わが家に来てから340日目を迎え,妙にかしこまってポーズをとるモコタロです 

 

          

         たまにはこういうポーズを取らないと 食べてばかり と思われるもんね

 

  閑話休題  

 

昨日に続いて、比較的チケット代の安価なコンサートをご紹介します 最初は11月21日(土)午後3時から上野の東京藝大奏楽堂で開かれる「藝大フィルハーモニア合唱定期演奏会」です。プログラムは①ミヒャエル・ハイドン「大司教ジギスムントのためのレクイエム」、②モーツアルト「レクイエム」です。オケは藝大フィルハーモニア、指揮は東京シティ・フィル常任指揮者・高関健です。ちなみにミヒャエル・ハイドンは”交響曲の父”フランツ・ヨーゼフ・ハイドンの5歳下の弟です 入場料は全自由席3,000円。よい子は早めに行って良い席を押さえましょうね

 

          

 

2枚目は来年1月17日(日)午後2時からサントリーホールで開かれる「日本赤十字社 献血チャリティコンサート~ニューイヤー・コンサート2016」です プログラムは①サン=サーンス「チェロ協奏曲第1番イ短調」、ブルッフ「ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調」、③ムソルグスキー「組曲”展覧会の絵”」です。①のチェロ独奏は横坂源、②のヴァイオリン独奏は木嶋真優、バックは大友直人指揮東京都交響楽団です 入場料はS席:6,000円、A席:4,000円、B席:3,000円、P席:2,000円です

 

          

 

  閑話休題  

 

METライブビューイング2015-16の概要が明らかになっています 今年10月末から来年6月上旬までの間に10演目が1週間ずつ上映されます

 

          

 

ラインアップは次の通りです(各演目の上映期間は土曜日から金曜日まで)

①ヴェルディ「イル・トロヴァトーレ」    10月31日~11月6日

②ヴェルディ「オテロ」             11月14日~11月20日

③ワーグナー「タンホイザー」        11月28日~12月4日

④ベルク「ルル」                1月16日~1月22日

⑤ビゼー「真珠とり」             2月6日~2月12日

⑥プッチーニ「トゥーランドット」       2月27日~3月4日

⑦プッチーニ「マノン・レスコー」      4月2日~4月8日

⑧プッチーニ「蝶々夫人」         5月7日~5月13日

⑨ドニゼッティ「ロベルト・デヴェリュー」  5月21日~5月27日

⑩R.シュトラウス「エレクトラ」      6月4日~6月10日

 

          

          

         

ライブでもライブビューイングでもまだ観たことがないのは④ルル,⑤真珠とり,⑨ロベルト・デヴェリューの3作品です ベルクの「ルル」はライブよりも映像で観た方が理解しやすいような気がします.いずれも今から楽しみです

東京都心における上映劇場は東銀座の東劇、新宿ピカデリー、TOHOシネマズ六本木ヒルズです チケット代は一般@3,600円、学生2,500円、3枚綴り券が9,300円(上映劇場で発売)です 3本以上観る人は絶対3枚綴り券がお薦めです.もちろん私は全部観に行きます

 

          

 

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バッハ・コレギウム・ジャパン2016-2017定期会員継続へ

2015年09月14日 07時01分59秒 | 日記

14日(月).昨日は父の13回忌と母の3回忌を兼ねて実家のある埼玉県S市の菩提寺・曹洞宗J寺に出かけました 今回は子供と孫とひ孫を中心にこじんまりと集まりました.娘が朝になって熱があるというので(夏風邪か?)一人自宅に残りましたが,それでも大人11人子供5人の参加になりました お墓の周りには彼岸花がチラホラと赤い花を咲かせていました.ちょっぴり秋を感じました と言う訳で,わが家に来てから339日目を迎え,今日もひたすらオヤツを食べることに専念するモコタロです

 

          

             だって 食べることだけが 生きがいなんだもんね

 

  閑話休題  

 

何か月か前に,「コスト・パフォーマンスの高い格安コンサートがあればこのブログでご紹介します」と宣言していましたが,自分の幸せだけ考えていて放ったらかしにしていました.反省しています 最近,よさげなコンサートのチラシをいくつか見かけたので,お詫びかたがたここにご紹介します

最初は9月18日(金),19日(土)の両日,すみだトりフォニーホールで開かれる新日本フィル「新クラシックへの扉」コンサートです プログラムは①シベリウス「ヴァイオリン協奏曲ニ短調」,②バーバー「弦楽のためのアダージョ」,③ブリテン「シンフォニア・ダ・レクイエム」で,①のヴァイオリン独奏は堀米ゆず子,指揮はデリック・イノウエです

チケット代は,金曜日が一般S席4,100円,A席1,500円で,土曜日が一般4,600円,A席2,000円です.地域密着オケなので,墨田区在住の人はさらに安くなります.いつか休暇を取って金曜日の公演に行ったら満席でした

 

          

 

次のお薦めは10月30日(金)午後9時から東京文化会館小ホールで開かれる「東京フィルハーモニア室内オーケストラ」第51回定期演奏会です プログラムは①シュターミッツ「オーケストラカルテット」,②バッハ「チェンバロ協奏曲第7番」,③同「シャコンヌ」,④モーツアルト「ピアノ協奏曲第12番」で,ピアノは上田晴子です.チケット代は全席指定4,000円です

 

          

 

最後は12月12日(火)午後7時から東京文化会館小ホールで開かれる「まちなか よりみちコンサート」です 若手の歌手によってクリスマスに因んだ歌が歌われます.入場料は全席自由500円です.早めに行って良い席を押さえましょう

 

          

 

  も一度,閑話休題  

 

バッハ・コレギウム・ジャパン(B.C.J)から2016年度会員継続の案内が届きました 年5回の公演プログラムは次の通りとなっています

①3月25日(金)午後6時半~   マタイ受難曲

②5月31日(火)午後7時~   ルター500プロジェクトⅡ

③9月23日(金)午後7時~   パンとフェーブス(世俗カンタータ)

④11月11日(金)午後7時~  ミサ曲ロ短調

⑤3月10日(金)午後7時~   ルター500プロジェクトⅢ

 

          

 

私はBCJの定期会員になって10年以上経ちますが,定期会費(S席)が年5回で48,000円(1回当たり9,600円)と決して安くないので,毎年,継続するかどうか悩んでいます ない知恵を振り絞って考えた結果,次年度も継続することに決めました 決め手は9月の世俗カンタータ「パンとフェーブス」です そもそもBCJのコンサートを初めて聴いたのがこの曲でした.まるでオペラのような楽しいカンタータにすっかりハマってしまいました 同じカンタータでも,最初にあの曲に出逢ったのがラッキーでした.この10年間,再度取り上げられるのはいつだろうか,と心待ちにしていた曲です

ただし,継続はしますが,席のランクを落としてB席(25,000円=1回当たり5,000円)にしようと思います ステージからは遠ざかりますが,同じ会場で同じ公演を聴くわけですから,そこは割り切って考えたいと思います

 

      

 

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ジョナサン・ノット+藤村実穂子+東響でマーラー「第3交響曲」を聴く

2015年09月13日 08時02分18秒 | 日記

13日(日).昨日午前,当マンションの理事会がありました.管理費長期滞納者に対する訴訟の件,大規模修繕計画に基づく管理費値上げの件と重大な議題が目白押しなのに,出席者は10人中5人です いつも思うのですが,何なんでしょうかこの有り様は 1度も顔を見たことのない役員もいます.権利ばかり主張して義務を果たさないのはこういう人たちです 本人に何か起こっても助ける気持ちは起きませんね ということで,わが家に来てから338日目を迎え,おねーちゃんに毛づくろいしてもらって大量の毛が抜けたモコタロです 

 

          

             今は毛が抜ける時期なんだよ 毛づくろいはくすぐったいんだよね

 

          

                    こんなに毛が抜けたけど まだ片側だけなんだよね

 

  閑話休題  

 

昨夕,サントリーホールで東京交響楽団の第633回定期演奏会を聴きました プログラムはマーラー「交響曲第3番ニ短調」です.指揮は音楽監督ジョナサン・ノット,メゾ・ソプラノは藤村実穂子,児童合唱は東京少年少女合唱隊,女声合唱は東響コーラスです

 

          

 

開演前に,女声コーラス陣がP席に三々五々座って行きます.そしてオケのメンバーが指定の席に着きます ノットの指揮の時は,左奥にコントラバス,前に第1ヴァイオリン,右にチェロ,ヴィオラ,第2ヴァイオリンという対向配置をとります.しかし,児童合唱はいったいどこ? P席には80数名しかコーラスがいないので,そこにスタンバイすることができるはずです.しかし,いません

指揮台の前にはいつものように譜面台はありません.ノットは100分にも及ぶ第3番でも暗譜で指揮をします

マーラーの第3交響曲は1895年~96年に作曲されました.ということは今から125年前の曲ということになります 作曲当時,マーラーはこの曲を2部構成とし,各楽章に標題を付けていました 全曲のタイトルは「夏の朝の夢」で,第1部は「序奏:牧神(パン)の目覚める」で,第1楽章「夏が行進してくる(バッカスの行進)」です 第2部は第2楽章~第6楽章で,第2楽章は「野の花たちがわたしに語ること」,第3楽章は「森の動物たちがわたしに語ること」,第4楽章が「人間がわたしに語ること」,第5楽章が「天使がわたしに語ること」,第6楽章が「愛がわたしに語ること」となっています マーラーは,最終的にはこれらの標題を削除しましたが,プログラムの中でノットが語っているように,マーラーは「これまでの常識を超えた極めて大胆で斬新な自作を少しでもよく聴衆に理解してほしかった.初演の際,なによりもまず作品に耳を傾けてほしかった.そのための最も単純な方法として言葉を頼りにした」のでしょう.しかし,標題があると,聴衆がそれに囚われて自由に聴くことができなくなってしまう,として削除したのでしょう.しかし,実際にこの曲を聴く際には,この標題を頭に入れて聴くとここの曲に対する理解が深まるような気がします

第1楽章の冒頭は8本のホルンが「バッカスの行進」を力強く演奏します その後はトロンボーンが大活躍します.このトロンボーンがべら棒に上手いのです クラリネットやオーボエが総奏で吹く時はマーラーの指示に従って,楽器の先を持ち上げて吹き,音が会場に直接的に届くようにします

第1楽章だけで30分以上もかかります.モーツアルトの後期交響曲なら1曲がまるまる収まってしまいます 第1楽章が終わったところでチューニングが入ります.と同時に,遅刻者を各席に迎え入れます

第2楽章はオーボエとクラリネットが「野の花たちがわたしに語ること」をやさしく奏でます この楽章が終わると,ソリストの藤村実穂子が入場し指揮者の左にスタンバイします そして,第3楽章「森の動物たちがわたしに語ること」に入りますが,この楽章は極めてアイロニカルな曲想です.自虐的と言っても良いかもしれません.後半には舞台裏でポスト・ホルンが長大なソロを奏でますが,2階のパイプオルガンの右側の扉が開けられていて,扉の向こう側でモニターに映された指揮者を見ながらトランペット奏者がポスト・ホルン(郵便ラッパ)を演奏しているのです

続く第4楽章は「人間がわたしに語ること」です.ここでアルトが歌うのは,ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」の一節です.「おお人間よ!」と藤村の歌声を聴いたら,やっぱり凄いな,と思いました そんなに力んでいる訳でもないのに底から湧きあがってくるような深みのある歌声です バイロイト音楽祭でワーグナーを歌っていたというのも頷けます

第5楽章の「天使たちがわたしに語ること」に入ると,自席からは後方の,2階右サイドの方向から鐘の音とともに児童合唱が聴こえてきました そうか,2階にいたのか あえて女声合唱と離して,向かい合う配置にして立体感を持たせたわけです

そして,間を置くことなく第6楽章「愛がわたしに語ること」に移ります マーラーは「アダージョ(第6楽章)はすべてが平安と存在感のうちに解決される」と語ったと言われていますが,この楽章は天国的な静けさと美しさに満ちています

 

          

 

ノットはプログラムの中でマーラーの交響曲第3番について,

「この交響曲はリヒャルト・シュトラウスの『アルプス交響曲』に似ている.すなわちアンチ・キリスト教交響曲.両者とも神はいないというところから出発している」

と語っています.さらに,

「マーラーは,この交響曲の中で,自分自身がそれ(ニーチェの「永劫回帰思想」)を信じたかったと思う でも,信じ切ることは出来なかった.その確信の揺れが,そのまま取り入れられて,あらゆる可能性を含んだ素晴らしい交響曲が出来上がった

と語っています.つまりノットによれば,マーラーは,神を無条件に信じる立場になかったが,ニーチェのように「神は死んだ」という境地にまで達することは出来なかった.その間の中途半端な立場で心の揺れを感じながら矛盾した音楽を作曲していったということでしょうか

第6楽章のアダージョに絞って考えてみると,私はブルックナーのアダージョとマーラーのアダージョの違いに興味を持ちます ブルックナーは「神のために」音楽を書きました.彼にとって神がすべてでした しかし,マーラーはどうだったか.彼は37歳の時に,結婚などのためにユダヤ教からローマ・カトリック教に改宗しています.そしてその年にウィーン宮廷歌劇場の第一楽長に就任しています.マーラーは自分の人生が良くなるのであれば,宗教を変えることなど何でもなかったのだと思います.その意味では,マーラーのアダージョはあくまでも神とは無縁の純粋な音楽なのだと思います

さて,第6楽章が静かに終わり,最後の音が消えると,まだノットのタクトが下りていないのに,フライングの拍手とブラボーが掛かりました どうして我慢が出来ないのでしょうか 第一に指揮者とオケに対して失礼千万な行為で,第二に余韻に浸りたい聴衆に対して無礼な行為です 最近のコンサートにおけるフライングの実態を振り返ってみると,共通した現象として,フライングをする犯人は1階席ではなく,2階席か3階席にいるということです 必ず上の方からブラボーや拍手が聞こえてきます.自己チューの行為は本当にやめてほしいと思います.はっきり言って,その行為はクラシック音楽界では犯罪です

カーテン・コールには2階にいた児童合唱団も1階のステージに降り,オケの面々,ソリストの藤村実穂子,女声合唱,合唱指揮者,ポスト・ホルン奏者とともに大きな拍手とブラボーを浴びていました 私はマーラーの交響曲が大好きで,中でも第3番が一番好きです.その意味では,フライング事件を除けば,今回のコンサートは最高でした

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シュトゥッツマン+新日本フィルでシューベルト「交響曲第4番」を聴く

2015年09月12日 07時35分59秒 | 日記

12日(土).今朝5時49分頃の地震にはビックリしました 大きな横揺れがあり,しばらく続きました 6時22分頃,勤務先のPCビルの防災センターから電話があり「千代田区は震度4と報道されているが,ビルの震度計は震度3で,それ程大きな揺れは感じなかった.建物の見回りの結果異常は無かった」という報告がありました.震度4以上の場合は必ず私の自宅に電話がかかってくることになっています.テレビの報道によると,震源地は東京湾で,何と調布で震度5とのことでした.余震がなければ良いのですが ということで,わが家に来てから337日目を迎え,ゲージの中でおとなしくしているモコタロです

 

          

               大きな地震は地震過剰って言うんだってさ

 

  閑話休題  

 

昨夕,サントリーホールで新日本フィルの第547回定期演奏会を聴きました プログラムは①武満徹「弦楽のためのレクイエム」,②シューベルト「交響曲第4番ハ短調”悲劇的”」,③ビゼー「アルルの女」第1組曲・第2組曲 指揮はコントラルト歌手として名高いナタリー・シュトゥッツマンです

 

          

 

この日は、「トリフォニー・シリーズ」から「サントリー・シリーズ」に移って初めてのコンサートです 今期はサントリー・シリーズの方がマーラーの曲が多いので鞍替えしたのです ホール・ロビーの会員コーナーで会員継続特典としてシベリウス「交響曲第4番イ短調」のCDをもらいました 昨年4月18日の第524回トりフォニー・シリーズのライブ録音で,指揮は次期音楽監督の上岡敏之です

 

          

          

 

トりフォニーの時は1階センターブロック左通路側席でしたが,サントリーでは2階右サイド2RB席にしました 1階後方席よりかなりステージが近く感じます 開演時間はほとんどの在京オケが7時なのに対し7時15分です.これはサラリーマンの仕事を勘案してのことだと思いますが,錦糸町のトりフォニー・ホールではなく,プレトークもないのだから7時開演でも良いように思います 個人的なことを言えば,サントリーホールまでは会社から徒歩25分と近いので余裕で間に合います

開演時間の7時15分に会場内を見渡してみたら,1階前方の左右,3階席を中心にかなり空席が目立ちます トりフォニーの時は毎回かなり埋まっていたように思います.トりフォニー・ホールの約1800席に対してサントリーホールは約2000席と広いことを勘案しても,やはり空席が多いと思います 定期会員は減っているのか??? トりフォニーの方はどうなのか??? 気になるところです

オケの弦楽奏者が入場します.おやっ?と思ったのは,いつもとオケの態勢が違ったからです 通常は第1ヴァイオリン,第2ヴァイオリン,チェロ,ヴィオラという編成ですが,この日はチェロとヴィオラが入れ替わっています.これは指揮者の指示によるものです

コンマスは西江王子(本名は西江辰郎ですが,第2ヴァイオリンの篠原さんが西江王子と呼んでいる).1曲目は武満徹の「弦楽のためのレクイエム」です ナタリー・シュトゥッツマンがタクトなしで登場します.相当大柄な女性です 私は30年近く前に彼女のリサイタルを聴いたことがありますが,その風貌に時の流れを感じます 2階席から見下ろす彼女は,まるでギリシャの哲学者のような風貌をしています.良い意味で女性を感じさせない指揮者です

この作品は武満の最初のオーケストラ作品ですが,作曲当時,結核に侵されていたことから「レクイエム」の名前を付けたことは否定できないでしょう.聴く限り,実に美しい曲です

管楽奏者が加わって,2曲目のシューベルト「交響曲第4番ハ短調」の演奏に入ります この曲には「悲劇的」という副題が付けられていますが,これはシューベルト自身が付けたものです シューベルトにとって初めての短調の曲,しかも尊敬するベートーヴェンの第5交響曲”運命”と同じ調性の曲です

第1楽章の冒頭,オケの総奏で極めて悲劇的な息の長いテーマが鳴り響きますが,この時のティンパ二の強打には驚きました 胸に突き刺さるような強烈な打撃です.ティンパ二はこの後も,時に強打され,悲劇的な曲想を表出しますが,シュトゥッツマンは意識してそうさせているようです この作品は19歳の時に作曲されましたが,若き日のシューベルトの意気込みが,演奏を通じて伝わってきます

 

          

 

休憩後はビゼー「アルルの女」第1組曲,第2組曲です 第1組曲はビゼーが,第2組曲は友人でパリ音楽院作曲家教授のギローが編みました.第1組曲は「序曲」「メヌエット」「アダージェット」「カリヨン」から,第2組曲は「パストラール」「間奏曲」「メヌエット」「ファランドール」から成ります

第1組曲の「序曲」ではプロヴァンス民謡「王たちの行進」のメロディーが力強く演奏されます 「カリヨン」は教会の鐘を模倣した音楽ですが,ウキウキするような軽快な曲です.いつまでも頭の中に残って困るほどの特徴ある音楽です 一方,第2組曲の「メヌエット」は白尾彰のフルートと上野梨恵子のハープによって優美な音楽が奏でられます フルート奏者なら一度はこの曲を大観衆を前にして演奏したいと思うでしょう.本当に美しい曲です

そして,最後の「ファランドール」はこの組曲の集大成です.第1組曲の「王たちの行進」のメロディーが組み込まれ,小気味よく軽快に演奏されます.シュトゥッツマンのフィナーレの畳み掛けは見事でした

私はこの「アルルの女」組曲を聴くと,カラヤン指揮ベルリン・フィルによるLPを思い出します.痛快な演奏で,何度も繰り返し聴いたものです

さて,私がトりフォニー・シリーズからサントリー・シリーズに鞍替えして一番良かったと思うのは,プログラムの音楽評論家A氏による訳の分からない解説を読まなくても済むようになったからです サントリー・シリーズはSさんという女性が解説を書いていますが,実に分かり易く書かれています ちなみに,同じプログラムに掲載されたトりフォニー・シリーズのA氏による解説の冒頭部分を覗いてみると

「新しいシーズンがきた.さっそくストーリーを始めよう.終わりは始まりで,始まりは終わりの先へと続く・・・・」

何ですか,これ? 冒頭を読んだだけで,もうその先を読む気持ちが起こりません 私は解説にストーリーは要らないと思っています これから聴く曲に関する客観的な情報を,出来れば知られていない意外な情報を,分かり易く伝えてくれればそれで良いのです.いつも言っているように「解説に文学は要らない」のです

 

          

 

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映画「ブラックハット」を観る~期待された天才ハッカーの活躍

2015年09月11日 07時01分29秒 | 日記

11日(金).「新聞週間記念の集い」が10月19日(月)午後6時半から内幸町の当ビル10階「プレスセンターホール」で開かれます 今年は「ネット社会における新聞と放送の役割」というテーマで、NHK報道局記者主幹・大越健介氏をコーディネーターに、ドワンゴ会長・川上量生氏、TBS「報道特集」キャスター・金平茂紀氏、毎日新聞編集委員・元村有希子氏がパネリストとして参加します 参加してみたいというよい子は10月1日までに下の新聞協会に申し込んでね

 

          

          

          

 

ということで、わが家に来てから336日目を迎え,周りを警戒するモコタロです 

 

          

 

  閑話休題  

 

2泊3日のゼミ旅行で軽井沢に行ってきた息子のお土産は,ガラス工房で自分で作った風鈴でした 美大卒の娘が,さかんに「うわー,いいないいな,私も作りた~い」と騒いでいました.こう見えてかなり重みがあります.この夏の良い重い出になったことでしょう チリンチリンと良い音がしますが,毎日がこう涼しいと活躍する時が限られてしまいます

 

          

 

  再び,閑話休題  

 

9日(水)に池袋の新文芸坐でアメリカ映画「ワイルド・スピード SKY MISSION」と「ブラックハット」の2本立てを観ました  昨日「ワイルド・スピード」について書いたので,今日はマイケル・マン監督映画「ブラックハット」について書きます

 

          

 

「香港の原子力発電所の原子炉が,ネットワークに不法侵入されたことから破壊され,さらにアメリカの株式市場も大きな被害を蒙る アメリカと中国の合同捜査チームは,現在刑務所に投獄されている敏腕ハッカーで天才プログラマーのニコラス(クリス・ヘムズワーズ)に捜査協力を依頼する 犯人はかつて彼が開発したプログラムを応用して新たなプログラムを作り上げていることから,ニコラスは捜査チームとともに世界中を股にかけて,正体不明の,しかも目的不明の犯人を追及すべく行動を開始する

「ブラックハット」とはコンピューターやネットワークに不法侵入して世界を脅かす凶悪犯のことです 新聞やテレビで「ネットワークにハッカーがウィルスをしかけたため,ネット内の情報が流出した」という事件を見聞きするたびに,「ブラックハット」を早く捕まえてほしいと思います

この映画では,さきに観た「ワイルド・スピード」と比べると,派手なアクションもなく,最後のどんでん返しもなかったので少し物足りなさを感じましたが,してやったりの二人が海外逃亡することで幕を引くというストーリー展開も悪くはないな,と思いました

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