レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

抗議の街、レイキャビク?

2016-12-11 05:00:00 | 日記
レイキャビクは相変わらず師走とは思えない暖かさです。まあ多少冷えてきて二度、三度ということもありますが、その間に六度、七度の日が挟まっている、というような具合です。

街の東北の方向にエイシャという癒し系の山があるのですが、西街の我が古アパートの窓から見るとまったく白いところがありません。この時期は雪で真っ白なのが普通なのですが...変な感じ。

さて、今回は抗議集会、あるいは何かを求めてアピールする集会について書いてみます。皆さんは、何かそのような集会に参加されたことはあるでしょうか?

最近の韓国では「百五十万人参加で大統領へプロテスト」とかニュースでやっていましたよね。日本でも東北大震災以降、原発再開や安保を巡って大きな抗議集会があったのをネットの新聞で見たように覚えています。相当数が集まっているのに「メディアが事実を伝えようとしない」という批判も耳にしました。

私は日本での大規模集会に参加した経験はありません。大学生の頃、少し政治に関わっていたこともあるので「北方領土の返還」や「インドシナ難民受け入れ」などの抗議やアピールに参加したことがありますが、それらはどちらかというと小さな集会で五十人も集まっていなかったと思います。

アイスランドでは大きなものから小さなものまで、抗議集会やアピール集会はかなり頻繁にあります。特に2008年秋の経済恐慌以来、その数はぐっと増えたように思われます。主張しないといけないんです、ここでは。

つい最近を振り返っても、四月の首相辞任を求める集会や、十月の労働条件の男女平等を求める集会など、ずいぶんと人が集まっていました。これらについてはブログでも書きましたので、よかったら目を通してみてください。

注)今、アイスランド人は怒っています!

「女性は休みの日」



大きな集会というのは、それだけ大事なことに関する性質のものなのでしょうが、参加する側から言わしてもらうと「参加しやすい」集会です。大勢いますから、自分は「大多数の中のひとり」以上ではないわけですから。たとえ、その集会の意図に真っ向から反対する人がいたとしても、その反論は「みんなで受ければコワクない」ですね。

これに対して小規模、三十人から百人程度の集まりですと「ああ、アイツ参加してる」というのが端から見えてしまいますし、ニュースの写真の対象になったりもします。自分が本当にその集会の主張に同意していないと、参加が難しくなったりします。




12月3日 国会(アルシンキ)前での難民の権利主張の集会


自分が強くその主張を持って集会に参加する場合は、参加するだけではダメで、集会を盛り上げなくてはなりません。盛り上げるというのは引っ張るという意味です。横断幕を掲げて先頭を歩いたり、時には自らハンドマイクを手にして呼びかけたりしなくてなくてなりません。

私がこちらで参加している集会は、ほとんどが難民の保護や移民の権利の主張を呼びかけるものなので、私自身が参加者よりもよりオルガナイザーに近いことがしばしばです。当然前に立ち、ハンドマイクを手にすることも何度もありました。

集会を計画する時は、事前に警察へ届け出をするのが普通なのですが、多くの場合警察官数名が待機して、悶着が起こるのに警戒をします。集会の性格によってはこの待機の警察官が敵のように見えたり、ありがたく思えたりするわけですが、その意味では警察官というのは可哀想な役割の気もしますね。

アイスランドでも、移民や難民の存在に反対する人はある程度存在します。そのような人が大声をあげて私たちの集会に入ってくることも稀にはありましたが、幸い暴力沙汰は私はこれまで体験したことはありません。まあ、これからもないことを願いますが。

私の考えでは、抗議集会などで一番やっかいなものは、反対の主張を持つ人々ではありません。それよりも嫌なのは「目立ちたいからやってるんだろ」という非難です。メディアに取り上げられることもありますからね。

確かに、中には自己セールスのために難民問題や移民問題を取り上げる人もいますが、そういう人はむしろ、問題に恒常的に取り組んでいる人たちから疎んじられ淘汰されていくようです。

集会を引っ張るために「目立つポジション」を取らなければならないことはよくあります。しかし、それとは逆のこともあります。

去年の春くらいだと思いますが、難民申請者の強制送還に反対するためのアピールがありました。市内を一キロ半ほど行進する計画で、Facebookでも「Going」が五十人くらいの小さな集会のはずでした。

ところが当日、ストームが襲いものすごい荒天。「こりゃあ、行くの嫌だなあ」とスキップしようと思いました。ですが「いやいや、こういう天気で参加者は少ないだろう。だから行かねば」と一念発起して出かけました。

案の定、参加者は予定よりずっと少なく二十人程度でした。でも逆に「二十人も集まった」ということの方に変な喜びを感じたのを覚えています。

というわけで、今回言いたかったことはこれです。「面倒なところで人を支えるようにしないと、何も育たないよ」エラそうに聞こえる?心配しないでください。自分に言ってるんです。(^-^;


応援します、若い力。Meet Iceland

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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