こんにちは/こんばんは。
都合により、今回は通常より一日早く更新します。

清涼感アップ用ピック 今回は写真は本文とほぼ無関係です
Myndin er eftir Jon_Del_Rivero@Unsplash.com
アイスランドの今年の冬は、一昨年2020年のようなカメハメハーン(ストーム)漬けの冬となっています。カメハメハーンとはアイスランドでの台風級のストームをワタシが命名したのものです。
カメハメハーン? アイスランディック・ストーム
一月中からコンスタントにストームが襲来しているのですが、雪はそれほど降っていませんでした。それが、先週にはかなりの積雪となり、おまけにストーム到来で最高度のレッド警報まで発令。記憶に間違いがなければ(最近、特に怪しい)、レイキャビクでのレッド警報はこれでまだ二回目のはずです。
偶然ですが、時を同じくして日本でも大雪警報が出ていたようで、Nスタとかを横目で見ていると、自分が今、日本にいるかのような錯覚に陥ってしまうこともあります(ボケの一種か?)。

スリップして雪の原野にはまり込んだトラック
Myndin er ur Visir.is/ADELINA
さて、コロナです。スカンジナヴィアのデンマークやスウェーデンでは、続々と「すべての制限を撤廃する」ようになってきました。決して、新規感染者がいなくなったからではなく、重篤化する危険度と、社会生活を維持することの重要性を秤にかけながら、制限撤廃に踏み切っているようです。
まあ、これらは多分に「政治的決断」でもあります。経済界とかいろいろな方面から、解除に向けての圧力がかかっていたことは間違いありません。
デンマークは、ほぼすべての制限を2月1日に撤廃しました。かなり早かったですね。次いでスウェーデンが2月7日にすべての制限撤廃に踏み切りました。
ちなみにスウェーデンは、コロナが世界を襲った初期の2020年春から夏にかけて、まったく集会制限などをしなかったことで、いろいろと話題になりました。評価は色々と分かれるでしょうが、スウェーデンでのコロナ故の死者数が、他の北欧諸国の十倍ほどとなったことは事実です。
そのお隣りのノルウェーは2月17日に制限解除をするようです。そしてフィンランド。来週の14日に大幅な制限の緩和を実施し、さらに3月1日にすべての制限を撤廃するとアナウンスしています。
こうして、周囲の国々がコロナ予防の制限を撤廃してくると、アイスランドでも「いつ、すべての制限を撤廃するつもりか?」「なぜ我々だけのんびりしているのか?」という声が強まってきます。
アイスランド人は、周囲の北欧諸国の動向に敏感で、おそらく自信のなさの現れだと思うのですが、すべてを同じようにしないと不安感に苛まれるようです。
ですが、これまで何度かブログの中で触れてきましたThorofurソーローブルさんという、感染症の専門家で、コロナ対策の陣頭に立ってきた方が、かなり気骨のある方で、ブレない慎重な姿勢を取ってきたため、アイスランドでの制限撤廃はそう易々とは実現していません。
それでも、着実に制限は緩和されてきています。例えば、一月の初め頃からは、濃厚接触者と認定された場合でも、隔離に入る必要はなくなり、他者となるべく接触しないようにすれば、職場へ出向いても良い、という緩い規則になったことは、以前書いた通りです。
オミクロンと「地頭」

これはきつね?犬? 癒しアップ用ピック
Myndin er eftir Jonatan_Pie@Unsplash.com
そして、今日の土曜日から、さらに一段階、制限緩和に向かうステージに移行しました。これまで、一般の集会は五十人限度だったのですが、それが二百人まで拡大されました。
演劇や音楽会等のイベントでは千人までOK。その他、飲食店やパブ等の開店時間も延長されています。
欧米で何かと問題になるマスクの着用義務ですが、これは1メートルのソーシャルディスタンスを取ることが不可能な状況でのみ、「義務」とされます。
大きな緩和だと私が思うのは、濃厚接触者に関しての「隔離義務」が完全に消えたことです。すでに、三回のワクチン接種を終えた人、ならびに二回の接種を受け、一度感染した経験のある人は、他者に交わらないようにすれば、職場に行ってもいいことになっていました。ただし、五日後にはPCRの義務。
それが、今回は「他者に交わらないように」とか、そういう義務がなくなったのです。PCRからも解放! この状況は、相当数の人に関わることだと思いますので、喜ぶ人は喜んでいることでしょう。
はっきりとは言及されていませんが、今月の24日には、「ほぼ」全面的な制限の撤廃を行うつもりなのではないかと...

清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Robert_Bye@Unsplash .com
さて、ここで一言。
これらの一連の制限の緩和、新規感染者数の減少とかが前提になっているわけでは「まったく」ありません。新規感染者数はものすごい高止まり中です。
一月半ばでは、毎日の新規感染者数が千人を超えていました。それは、その一ヶ月前に比べると「ものすごい」数でした。ここ一週間ほどは、毎日二千人越えです。毎日二千人ということは、一週間で一万四千。一ヶ月で五万人以上。アイスランド人口の約七分の一になります。
統計によると、コロナの当初より、2月10日現在までに確認された感染者数は85.980人。もし、これからの一ヶ月で五万人が追加されるとすると、136.000人くらいとなり、全人口の40%弱になります。
加えて、「感染したのだけど、無症状でいたため感染確認がなされなかった」という人が相当数いることが想定されています。となると、もしかしたら国民の半数くらいは、すでに感染済みなのかもしれません。
こうなると、いわゆる「社会的免疫」なるものが、かなり現実的になっていることは確かでしょう。
アイスランドが、新規感染者数が高止まりしているにもかかわらず、制限緩和に向かっているのは、このような認識が根底にあるようです。加えて、その絶対感染者数に比して、入院患者が36人という、ごく低いパーセントであること、それに三回のワクチン接種終了者が大人に関しては七割に達していることもあるでしょう。
「コロナは普通のインフルのようになってきている」という認識は確かに巷に広まっています。が、これはまだ「取らぬ狸の皮算用」アイスランドの保健衛生大臣も「ともかく気をつけて欲しい、制限が緩和されても」とコメントしています。できるかなあ?アイスランド人に...
というわけで、今回はこちらでのコロナ関係の新展開についてでした。あまり新鮮味のない内容ですみません。早く、この話題が消えてくれ、いろいろな活動、イベントのニュースが入ってきてくれるようになることを願います。
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki
都合により、今回は通常より一日早く更新します。

清涼感アップ用ピック 今回は写真は本文とほぼ無関係です
Myndin er eftir Jon_Del_Rivero@Unsplash.com
アイスランドの今年の冬は、一昨年2020年のようなカメハメハーン(ストーム)漬けの冬となっています。カメハメハーンとはアイスランドでの台風級のストームをワタシが命名したのものです。
カメハメハーン? アイスランディック・ストーム
一月中からコンスタントにストームが襲来しているのですが、雪はそれほど降っていませんでした。それが、先週にはかなりの積雪となり、おまけにストーム到来で最高度のレッド警報まで発令。記憶に間違いがなければ(最近、特に怪しい)、レイキャビクでのレッド警報はこれでまだ二回目のはずです。
偶然ですが、時を同じくして日本でも大雪警報が出ていたようで、Nスタとかを横目で見ていると、自分が今、日本にいるかのような錯覚に陥ってしまうこともあります(ボケの一種か?)。

スリップして雪の原野にはまり込んだトラック
Myndin er ur Visir.is/ADELINA
さて、コロナです。スカンジナヴィアのデンマークやスウェーデンでは、続々と「すべての制限を撤廃する」ようになってきました。決して、新規感染者がいなくなったからではなく、重篤化する危険度と、社会生活を維持することの重要性を秤にかけながら、制限撤廃に踏み切っているようです。
まあ、これらは多分に「政治的決断」でもあります。経済界とかいろいろな方面から、解除に向けての圧力がかかっていたことは間違いありません。
デンマークは、ほぼすべての制限を2月1日に撤廃しました。かなり早かったですね。次いでスウェーデンが2月7日にすべての制限撤廃に踏み切りました。
ちなみにスウェーデンは、コロナが世界を襲った初期の2020年春から夏にかけて、まったく集会制限などをしなかったことで、いろいろと話題になりました。評価は色々と分かれるでしょうが、スウェーデンでのコロナ故の死者数が、他の北欧諸国の十倍ほどとなったことは事実です。
そのお隣りのノルウェーは2月17日に制限解除をするようです。そしてフィンランド。来週の14日に大幅な制限の緩和を実施し、さらに3月1日にすべての制限を撤廃するとアナウンスしています。
こうして、周囲の国々がコロナ予防の制限を撤廃してくると、アイスランドでも「いつ、すべての制限を撤廃するつもりか?」「なぜ我々だけのんびりしているのか?」という声が強まってきます。
アイスランド人は、周囲の北欧諸国の動向に敏感で、おそらく自信のなさの現れだと思うのですが、すべてを同じようにしないと不安感に苛まれるようです。
ですが、これまで何度かブログの中で触れてきましたThorofurソーローブルさんという、感染症の専門家で、コロナ対策の陣頭に立ってきた方が、かなり気骨のある方で、ブレない慎重な姿勢を取ってきたため、アイスランドでの制限撤廃はそう易々とは実現していません。
それでも、着実に制限は緩和されてきています。例えば、一月の初め頃からは、濃厚接触者と認定された場合でも、隔離に入る必要はなくなり、他者となるべく接触しないようにすれば、職場へ出向いても良い、という緩い規則になったことは、以前書いた通りです。
オミクロンと「地頭」

これはきつね?犬? 癒しアップ用ピック
Myndin er eftir Jonatan_Pie@Unsplash.com
そして、今日の土曜日から、さらに一段階、制限緩和に向かうステージに移行しました。これまで、一般の集会は五十人限度だったのですが、それが二百人まで拡大されました。
演劇や音楽会等のイベントでは千人までOK。その他、飲食店やパブ等の開店時間も延長されています。
欧米で何かと問題になるマスクの着用義務ですが、これは1メートルのソーシャルディスタンスを取ることが不可能な状況でのみ、「義務」とされます。
大きな緩和だと私が思うのは、濃厚接触者に関しての「隔離義務」が完全に消えたことです。すでに、三回のワクチン接種を終えた人、ならびに二回の接種を受け、一度感染した経験のある人は、他者に交わらないようにすれば、職場に行ってもいいことになっていました。ただし、五日後にはPCRの義務。
それが、今回は「他者に交わらないように」とか、そういう義務がなくなったのです。PCRからも解放! この状況は、相当数の人に関わることだと思いますので、喜ぶ人は喜んでいることでしょう。
はっきりとは言及されていませんが、今月の24日には、「ほぼ」全面的な制限の撤廃を行うつもりなのではないかと...

清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Robert_Bye@Unsplash .com
さて、ここで一言。
これらの一連の制限の緩和、新規感染者数の減少とかが前提になっているわけでは「まったく」ありません。新規感染者数はものすごい高止まり中です。
一月半ばでは、毎日の新規感染者数が千人を超えていました。それは、その一ヶ月前に比べると「ものすごい」数でした。ここ一週間ほどは、毎日二千人越えです。毎日二千人ということは、一週間で一万四千。一ヶ月で五万人以上。アイスランド人口の約七分の一になります。
統計によると、コロナの当初より、2月10日現在までに確認された感染者数は85.980人。もし、これからの一ヶ月で五万人が追加されるとすると、136.000人くらいとなり、全人口の40%弱になります。
加えて、「感染したのだけど、無症状でいたため感染確認がなされなかった」という人が相当数いることが想定されています。となると、もしかしたら国民の半数くらいは、すでに感染済みなのかもしれません。
こうなると、いわゆる「社会的免疫」なるものが、かなり現実的になっていることは確かでしょう。
アイスランドが、新規感染者数が高止まりしているにもかかわらず、制限緩和に向かっているのは、このような認識が根底にあるようです。加えて、その絶対感染者数に比して、入院患者が36人という、ごく低いパーセントであること、それに三回のワクチン接種終了者が大人に関しては七割に達していることもあるでしょう。
「コロナは普通のインフルのようになってきている」という認識は確かに巷に広まっています。が、これはまだ「取らぬ狸の皮算用」アイスランドの保健衛生大臣も「ともかく気をつけて欲しい、制限が緩和されても」とコメントしています。できるかなあ?アイスランド人に...
というわけで、今回はこちらでのコロナ関係の新展開についてでした。あまり新鮮味のない内容ですみません。早く、この話題が消えてくれ、いろいろな活動、イベントのニュースが入ってきてくれるようになることを願います。
*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。
藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com
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