レイキャビク西街ひとり日誌 (Blog from Iceland)

北の小さな島国アイスランドはレイキャビクの西街からの、男独りブログです。

夏のお仕事 減ったり増えたり「いい塩梅」

2022-07-16 23:03:31 | 日記
こんにちは/こんばんは。

七月も中盤となりました。日本では、夏そのものはとにかくとして、夏休みはまだこれからがピークだと思いますが、アイスランドではすでに夏休みの「真っ只中」という感があります。

六月始めのような「スーパー・サニーデイ」は少なくなってしまいましたが、それでも気温はそこそこを保ってくれており、毎日11〜15度くらいはあります。面白いもので、この時期の11〜12度は六月始めの11〜12度よりも暖かく感じます。「大地が温まっているから」というのがワタシの自論。

六年くらい前に、ユニクロでサマージャケットを買いました。確か一着3800円。ヤス! だったので三着お買い上げ。日本のサマージャケットって、裏地もなく本当に夏用じゃないですか。買ったものの、アイスランドではあまり使う機会がなく、毎年一、二回の着用でした。

それが、今年の夏はほぼ毎日使っています。だから、「ワタシの気のせい」ではなく、実際に暖かくなっているのだと思います。




清涼感アップ用ピック
Myndin er eftir Yves_Alarie@unsplash.com


さて、そのような「夏休み、真っ只中」の私の周辺状況は、というと、例えば私のオフィスのあるブレイズホルトゥス教会では、毎水曜日のお昼の「祈りの時間」以外は活動休止中。この祈りの時間は主に近所の高齢者が集まるもので、アイスランド人の牧師さんが担当しています。

私たちの英語の礼拝は、毎日曜日に継続していますが(それでも七月の最後の二回の日曜日はお休み)、なんというか、周りがみんな夏休みだと、ブレイズホルトゥス教会で私がせねばならない仕事も少なくなります。

ただ、難民の人たちの個別のケースのサポートは依然としてありますので、そのような仕事は必要に応じてこなしますが、「毎日オフィスにいなければならない」というような形ではないのです。

これは、まあ楽になっている面。

「みんな夏休み」のおかげで、逆に仕事量が増える面もあります。私の場合、それはウクライナからの難民の人たちへのサポート、もう少し特定すると、子供たちのデイケアセンターでの「お助け」活動です。

どういうものであるのか、順を追ってご説明したいと思います。

もう何度も書きましたが、ウクライナからの難民の人たちへのサポート活動は、社会全体の中で様々な形でなされています。通訳、生活物資の配給、難民認定がおりた後の住居や仕事探しの手伝い、等々。

その中のひとつが小学校就学前の年齢の子供たちのデイケアセンターです。小中学校の年齢の子供たちは、割と滞ることなくこちらの学校へ編入できます。

ですが、幼稚園というのは –特にレイキャビクでは– 実はすでに「キャパシティ不足」がここ数年指摘されており、アイスランド人の子供でさえ、相当長い期間の待ち時間を強いられているのです。

ですから、ウクライナ難民の子供たちも、同じように待たされることになります。




ウクライナ難民の子供たちのデイケアセンターのあるフィラデルフィア教会
Myndin er ur Visir.is


が、ここでひとつ問題があります。ウクライナからの難民の90%は女性と子供です。つまり、お母さんたちのご主人、子供たちのお父さんは、原則として故国に残って戦っているわけです。

もし、小さな子供たちが、毎日自宅にいなくてはならなくなると、お母さんたちは自分達の難民申請に関する手続きや、その後に続く様々な実務をこなすのが難しくなります。

そこで、小さな子供たちを預かるデイケアセンターを開設しよう、ということになったのです。実際は当初はウクライナの子供用の幼稚園にしたい、という希望がありました。

子供たちにウクライナ語を教えたり、将来はウクライナに戻ることを前提とした教育をしたい、という考えがあったからです。

ですが、これには認可の問題があり、すぐにはかなわず。つまり、幼稚園とするには、様々な施設条件、教師の数、衛生上の管理等々をクリアしないといけないわけです。将来的にはそちらを目指しますが、とにかく今は、デイケアセンターとすることになりました。

デイケアセンターといっても、基本的には子供を「預ける」ことができず、お母さんないし保護者が同伴しなくてはなりません。ですが、ウクライナの人同士が知り合いになれば、あるお母さんが代表して、何人かの子供たちの責任者となることは可能です。

こうして、保護者の人たちが、交代に子供たちの面倒を見ながら、互いの自由時間を確保してあげる、というシステムができてきました。開園時間は平日の午前10時から午後3時まで。

このデイケアセンターの計画には、私たちの教会も当初より加担してきました。センターは、フィラデルフィアという名前のペンテコステ派の教会に置かれています。私の所属する国民教会ではありません。

建物の仕様とか地の利とか、いろいろあってこの教会に白羽の矢が立ったのです。かなり大きな建物で、一時(いっとき)にいくつもの集会が同時並行に進行できます。






デイケアセンターとして使用している部分より 普段は日曜学校のスペース


その中の日曜学校が開かれているフロアを貸していただくこととなりました。もとより、子供用のテーブルや椅子、おもちゃ、本等が備わっていて、とても使い易いところです。

幸いにもフィラデルフィアの皆さんも良い理解を持ってくださり、非常に大きな自由を、私たちのデイケアセンターに与えてくれています。

で、もちろん、集まってくる子供たちの保護者以外に、専属でサポートする人たちもいます。基本ボランティア。集まる子供たちは、平均して二十人くらいで、保護者が十人くらいです。時にはそれ以上になることもあります。

それだけの人が、朝10時から午後3時まで過ごすとなると、ランチやおやつなど、結構の作業が付属してくることになり、どうしても食事の提供、皿洗い、掃除等々を面倒見るスタッフが必要になります。

以前よりアイスランドに移住していたウクライナ人の若夫婦が、このサポートスタッフの中心になってくれており、加えてあちこちから助っ人が馳せ参じていました。私自身もそのひとり。

ところが、始めのうちはともかく、一月二月(ひとつきふたつき)経つうちに、だんだんとボラは減っていきます。で、四月下旬の復活祭後からは、私の通う回数も増えていき、結局五月以降は、ほぼ毎日通う羽目となりました。

もっとも、開園時間中ずっといるわけではなく、だいたい昼の一時半くらいに行き、それから閉園して片付けと掃除が終わる3時半くらいまでの「お助け」となります。この時間帯が、一番「お助け歓迎」の時間なのです。




大変な状況の中での嬉しい時間 ハッピーバースデー!


そういう具合でいまだに続いているのですが、夏休みの中盤にさしかかるに従い、さらに「助っ人」数も減ってきました。そうなると一人当たりの仕事量が増加。結構忙しいです。

まあ、私の場合、他の仕事が減っている期間ですし、さらに言えば、私は純粋なボラではなく「ペイ」されている身ですから、別に文句はないです。むしろ、ウクライナの人たちとも繋がりができてきたり、いろいろ学ぶことができたり、子供たちの喜ぶ顔が見れたりと、嬉しくなる部分も大きいのです。

この、ウクライナの難民の子供を対象としたデイケアセンターでの活動。思ったより、たくさん書きたいことがあることがわかりました。長くなりましたので、今回はここまでとし、次回に続けたいと思います。

先ほど、大雨で各地で被害、というようなニュースを見ました。被災地の皆さんの無事をお祈りいたします。皆さんも気をつけてお過ごしください。


*これは個人のプライベート・ブログであり、公的なアイスランド社会の広報、観光案内、あるいはアイスランド国民教会のサイトではありません。記載内容に誤りや不十分な情報が含まれることもありますし、述べられている意見はあくまで個人のものですので、ご承知おきください。

藤間/Tomaへのコンタクトは:nishimachihitori @gmail.com

Church home page: Breidholtskirkja/ International Congregation
Facebook: Toma Toshiki
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