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犬の伊勢参り

2013-12-30 17:23:53 | 
先日の伊勢神宮参拝のちょっと前、
ラジオの書評の番組でとりあげていて、興味を持った本。

仁科邦男著『犬の伊勢参り』(平凡社新書)

これが、伊勢神宮と庶民のかかわりを知る手掛かりになる本。
というよりも、面白くてあっという間に読んでしまったのだが、
お伊勢参りの、さまざまな仕掛け、

お札が降った話、
御師の役割や歴史、
おかげ参りの習慣、

犬が単独で伊勢参りをした話、
犬だけでなく、豚も、牛も参った話。

一生に一度はお伊勢参りをしたいというものの
そう誰でもが、実現できなかった時代に、
抜け参りといって、職場を放棄して仲間で行ってしまうことや

それは本当?と思われることも、この作者は実に沢山の記録を紐解き、
実証していく。

それぞれの時代を記した記録、日記、小説家の覚書等で
この人の書くことは、確かだとか、

この人の見かたはちょっと斜めから穿ってみているがと
注釈を加えながら、現象を解説していく。

その労作も楽しい。

伊勢に出かける前に、この本を読んでから行ったら、
説明されたことが、きっともっとよくわかっただろうと思った。

昔は、犬は共同体で飼っていたこと(里犬)とか
伊勢参りに行く旨書かれたお札を、首にくくりつけ
一緒にくくりつけた路賃を、見つけた人が足し続けて、

最後には、大した財産を持って、故郷へ帰っていく話とか、
日本人ののどかさも、感じ取られた。


今回の遷宮に際して、内宮800万人、外宮500万人の参拝数という。
足して1300万人といっているが、内宮・外宮で重複があるから、
1300万人はオ-バーとしても、すごい数である。

やはり、過去にも日本人の約一割が参拝した記録がその時々の記録として
残っているそうな。

そうそう、他の観光地では多く見られた外国人の姿がほとんど見られなかったのが
気のついたことだった。


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